このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
を毎日更新しています。
この記事は10月6日(火)に放送された「The Mysterious Sunglasses(謎のサングラス)」のチャンク解説記事です。
ストーリーの中に出てきた日常会話で役立つチャンクや読解の難易度が高い長文などをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ちなみに10月6日のストーリーの和訳はこちらの記事からご確認できます。ぜひご確認ください。
ではさっそく、今日の解説内容を見ていきましょう!
日常生活で使えるチャンク解説
チャンクPickUP
“I don’t want to be impolite, but is she ready for a big project like this?”
(日本語訳)「失礼なことは言いたくないが、彼女にこんな大きな企画を任せて大丈夫なのかい?」
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
| I don’t want to | 私は〜したくない | 主語+否定+want to |
| be impolite | 失礼である | be+形容詞(状態を表す) |
| but | しかし、〜だが | 前置きと本題をつなぐ |
| is she ready for 〜? | 彼女は〜の準備ができているか | 本当に言いたいこと(本題) |
| a big project like this | このような大きな企画 | for の後ろに来る名詞のかたまり |
I don’t want to be impolite, but 〜 は、言いにくいことを言う前に置く前置きです。日本語の「失礼ですが」「こう言っては何ですが」にあたります。漫画家は、新人のキムラ本人が目の前にいる状況で「彼女で大丈夫なのか」と言わなければならず、この前置きを入れてから本音を切り出しています。
ここで引っかかったのが、want to be の意味でした。be には「〜になる」のイメージがあって、want to be は「〜になりたい」だと思っていたからです。そうすると、この文は「失礼になりたくない」となって、少し変な感じがします。
調べて分かったのは、be の元の意味は「〜である」という状態で、「〜になる」という変化の意味は be 自体にはない、ということでした。want to be は「〜である状態を望む」という意味です。I want to be a doctor. が「医者になりたい」と訳されるのは、今は医者ではないので、その状態にたどり着くには変わるしかないからです。未来や希望の話では、「〜である」と「〜になる」が結果的に近くなります。
一方、現在や過去の話では、「〜である」と「〜になる」ははっきり違います。I was tired. は「疲れていた」という状態で、I got tired. は「疲れた」という変化です。10/5の長文読解で扱った get thick と become harder も、シロップの状態が変わっていく話だったので、be ではなく get や become が使われていました。今回の impolite は形容詞で、「これから言うひと言が失礼に当たらないように」という話です。変化ではなく状態なので、be が合っていると納得できました。
もうひとつ気になったのが、「言いたくない」なら don’t want to say のほうが直接的ではないか、ということです。直訳は「失礼でありたくないのですが」で、「失礼なことは言いたくないが」はそれを自然な日本語にした訳でした。そのうえで、be を使う理由もありました。be impolite は言葉の中身だけでなく、自分の態度全体を指していて、「失礼な人間だと思わないでほしい」という気持ちが入っています。これを I don’t want to say this, but 〜 にすると「これは言いたくないんだけど」となり、失礼かどうかではなく、言うこと自体に気が進まないという別の意味になります。
「失礼ですが」と前置きしたいときは be を使う、と覚えておけばよさそうです。impolite を rude(無礼な)に入れ替えた I don’t want to be rude, but 〜 も、同じ形でよく使われます。
日常会話例
私は海外子会社を持つ企業に勤めており、家族と海外旅行を楽しむことも目標のひとつとしています。
職場での取引相手等との会話や、旅行時の会話を想定して例文を作りました。
ビジネス①
場面:会議で、提案されたスケジュールに無理があると伝えるとき
I don’t want to be impolite, but I think this schedule is too tight.
(失礼なことは言いたくないのですが、このスケジュールは厳しすぎると思います。)
ビジネス②
場面:上司に資料を見せながら、数字の確認をお願いするとき
I don’t want to be impolite, but could you check these numbers again?
(失礼ですが、この数字をもう一度確認していただけますか?)

旅行①
場面:飛行機や電車で、自分の席に別の人が座っていたとき
I don’t want to be impolite, but I think this is my seat.
(失礼ですが、ここは私の席だと思います。)
旅行②
場面:静かな車内やホテルで、近くの人の話し声が大きいとき
I don’t want to be impolite, but could you speak a little more quietly?
(失礼ですが、もう少し静かに話していただけますか?)
PickUP読解
今回の一文
“Sir, is it possible that you just didn’t want to draw the eyes of the detective?”
(日本語訳)「先生、もしかして、探偵の目を描きたくなかっただけ、ということはありませんか?」
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
| Sir, | 先生 | 呼びかけ |
| is it possible | それはありえますか | 文の骨組み(it は仮の主語) |
| that | 〜ということ | 接続詞(it の中身を導く) |
| you just didn’t want to draw | あなたが単に描きたくなかった | that の中の主語+動詞 |
| the eyes of the detective | 探偵の目 | draw の目的語 |
読解のポイント
possible は「可能」だけではない:後ろの形で訳が変わる
possible は「可能」という意味で覚えていました。でもこの文を「描きたくなかったことは可能ですか?」と訳すと、意味が通りません。和訳は「ありませんか?(ありえますか?)」になっていて、ニュアンスがかなり違うように感じました。
調べて分かったのは、これは別の意味というより、ひとつの意味の2つの面だということです。possible の中心にあるのは「起こりうる」というイメージで、後ろに来る形によって訳し分けられます。possible to 〜 のときは、これからの行動について「〜できる、可能だ」です。Is it possible to change my seat? なら「席を変えることは可能ですか?」になります。possible that 主語+動詞 のときは、事実かどうかについて「〜ということがありえる」です。
今回は that の後ろに you just didn’t want to draw 〜 と、過去の事実の話が来ています。だから「描くことが可能か」ではなく、「描きたくなかった、という可能性はあるか」という意味です。日本語の「可能」も、「可能性がある」と言うときは「ありえる」の意味になります。possible は、その両方をひとつの単語で受け持っているんだと分かって、納得できました。
it と that の関係:that は「〜ということ」を作る接続詞
次に確認したのが that の正体です。that には関係代名詞の使い方もあるので、どちらなのかが気になりました。
この that は接続詞で、「〜ということ」という意味のかたまりを作っています。that you just didn’t want to draw the eyes of the detective で、「あなたが単に探偵の目を描きたくなかったということ」です。このかたまりが文の本当の主語なのですが、長いので後ろに回して、空いた主語の位置に仮の it を置いた形になっています。
見分け方は、that の後ろの文に欠けている部分があるかどうかだそうです。今回は you didn’t want to draw the eyes と、主語・動詞・目的語がそろっています。the eyes that he drew のように目的語が欠けていれば関係代名詞ですが、後ろが完全な文なので接続詞だと判断できます。
遠回しにたずねる形:チャンクと同じ「言いにくいことを言う工夫」
最後に、この文の言い方そのものです。キムラが言いたいのは「先生、目を描きたくなかっただけですよね?」ということです。でも、そのまま言うと決めつけになります。そこで is it possible that 〜? を使って、「そういう可能性はありますか?」とたずねる形にしています。just(単に)も入っていて、「特別な理由があるのではなく、ただそれだけでは?」という含みが出ています。
今回のチャンク I don’t want to be impolite, but 〜 も、言いにくいことを言う前の前置きでした。漫画家は前置きで、キムラは質問の形で、それぞれ言いにくいことを切り出しています。それでもナカガワに You should be careful with your words! と止められるくらいなので、内容はかなり踏み込んでいます。言い方を工夫しながら、言うべきことはきちんと言う。物語のテーマが、英文の形にもそのまま表れていると感じました。
ストーリーの和訳を確認
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当ブログはESEを使ったインプット学習の記録が中心ですが、筆者自身が「聞く力は鍛えているのに、話す力が追いついていない」という課題に気づき、AI英会話アプリ「Speak(スピーク)」でアウトプットの練習を始めました。
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