このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
を毎日更新しています。
この記事は10月7日(水)に放送された「A Guitar Comes Home(ギター、主のもとへ)」のチャンク解説記事です。
ストーリーの中に出てきた日常会話で役立つチャンクや読解の難易度が高い長文などをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ちなみに10月7日のストーリーの和訳はこちらの記事からご確認できます。ぜひご確認ください。
ではさっそく、今日の解説内容を見ていきましょう!
日常生活で使えるチャンク解説
チャンクPickUP
“Randy Bachman had his favorite guitar stolen.”
(日本語訳)「ランディ・バックマンは、お気に入りのギターを盗まれました。」
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
| Randy Bachman | ランディ・バックマンは | 主語(ギターの持ち主) |
| had | 〜の状態を持った、〜された | 動詞(have の過去形) |
| his favorite guitar | 彼のお気に入りのギターを | 物(される側) |
| stolen | 盗まれた | 過去分詞(steal‐stole‐stolen) |
「have+物+過去分詞」は、「自分の物を〜される」「物を〜してもらう」という意味の形です。物語の最初の一文に出てきて、話全体のきっかけになっています。
まず分かったのは、この形には「被害」と「依頼」の2つの意味があることでした。I had my wallet stolen. なら「財布を盗まれた」で被害、I had my hair cut. なら「髪を切ってもらった」で依頼です。まったく別の意味に見えますが、骨組みは同じでした。どちらも「自分以外の誰かが、自分の物に何かをした」ということです。それが自分の望んだことなら「してもらう」、望まないことなら「される」と訳が分かれます。どちらになるかは、文脈で決まります。
過去分詞を使う理由も確認しました。ギターは「盗む」側ではなく「盗まれる」側で、髪も「切られる」側です。物と動詞のあいだに「〜される」の関係があるので、過去分詞になります。his guitar (was) stolen のように、あいだに was を補って意味が通れば、形は合っています。
次に気になったのが、be+過去分詞との違いです。「〜された」なら My guitar was stolen. でも言えるはずです。調べると、一番の違いは「何が主語になるか」でした。My guitar was stolen. はギターが主語で、「ギターがどうなったか」の話です。I had my guitar stolen. は持ち主が主語で、「私がどんな目にあったか」の話になります。起きた出来事は同じでも、話の中心が違います。
今回の本文はランディの紹介から始まるので、主語をランディにしたまま had his favorite guitar stolen と言っています。すぐ後の the guitar was returned to him では話の中心がギターに移るので、be+過去分詞です。同じ段落の中で、2つの形が使い分けられていました。もうひとつ、be+過去分詞は事実を言うだけなので、「頼んでやってもらった」という意味は出せません。「してもらう」と言いたいときは、have の形を使う必要があります。
そして、一番勉強になったのがここです。「私はギターを盗まれた」を英語にするとき、日本語につられて I was stolen my guitar. としそうになります。でも、これは誤りでした。be stolen の主語になれるのは「盗まれた物」だけで、人を主語にすると「私が盗まれた」という意味になってしまいます。人を主語にして「〜された」と言いたいときに使うのが、今回の形です。日本語の「私は〜を…された」に一番近い言い方だと分かって、納得できました。
日常会話例
私は海外子会社を持つ企業に勤めており、家族と海外旅行を楽しむことも目標のひとつとしています。
職場での同僚との会話や、旅行時の会話を想定して例文を作りました。
ビジネス①
場面:同僚に、パソコンを修理に出していたことを話すとき
I had my laptop repaired last week.
(先週、ノートパソコンを修理してもらいました。)
ビジネス②
場面:会議で、契約書を専門家に見てもらったと報告するとき
We had the contract checked by a lawyer.
(契約書を弁護士に確認してもらいました。)
旅行①
場面:旅行先で、盗難の被害を警察やホテルに伝えるとき
I had my wallet stolen on the train.
(電車の中で財布を盗まれました。)
旅行②
場面:旅行の写真をスマホで友人に見せながら話すとき
I had my picture taken in front of the castle.
(お城の前で写真を撮ってもらいました。)

PickUP読解
今回の一文
“He bought over 300 guitars from the same company, but none were as good as his magical guitar.”
(日本語訳)「彼は同じメーカーのギターを300本以上買いましたが、どれも魔法のギターほど良くはありませんでした。」
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 役割 |
|---|---|---|
| He bought | 彼は買った | 前半の主語+動詞 |
| over 300 guitars | 300本以上のギターを | bought の目的語 |
| from the same company | 同じメーカーから | どこから買ったか |
| but | しかし | 前半と後半をつなぐ |
| none were | どれも〜ではなかった | 後半の主語+動詞(none は代名詞) |
| as good as | 〜と同じくらい良い | 比べる形 |
| his magical guitar | 彼の魔法のギター | 比べる相手 |
読解のポイント
none は主語になれる:no との違い
この文で一番謎に感じたのが、none が主語の位置にあることでした。none は否定の言葉で、主語の働きはしないと思っていたからです。
調べて分かったのは、none はもともと主語になれる代名詞だということでした。主語になれないのは no のほうです。no は形容詞で、no guitars のように後ろに名詞が必要です。none は代名詞で、それだけで名詞の代わりになります。今回の none は、none of them(それらのどれも)の of them が省略された形です。直前に 300 guitars と言っているので、繰り返さずに1語で済ませています。
不思議に感じた理由も分かりました。日本語は「どれも良くなかった」と、否定を文の最後に置きます。英語は、主語の側に否定を入れることができます。Nobody came.(誰も来なかった)や Nothing happened.(何も起きなかった)と同じ仕組みで、none were good は「ゼロ本が良かった」という発想です。none 自体に否定が入っているので、not は使いません。
数や量を表す代名詞:後ろに名詞が隠れていると考える
none 以外にも、こういう単語があるのか気になりました。調べてみると、名詞の前につく単語だと思っていたものが、単独で主語になれる例がたくさんありました。
Some were broken.(いくつかは壊れていた)、Many were expensive.(多くは高価だった)、Most were made in Japan.(ほとんどは日本製だった)、All were sold.(すべて売れた)などです。どれも、後ろの名詞(of them や guitars)が省略されています。何の話かが前の文から分かるときに、1語で主語になります。
これらは量の多さで並べることができます。
all(全部)、most(ほとんど)、many(多く)、some(いくつか)、none(ゼロ)の順です。
none は、この仲間の「ゼロ」担当でした。後ろに名詞が隠れていると考えると理解しやすく、段階で並べると頭に入りやすいと感じました。
none + as good as:最上級を使わずに「一番」を表す
最後に as good as です。as +形容詞+ as 〜 は「〜と同じくらい…だ」という意味で、as good as his magical guitar なら「魔法のギターと同じくらい良い」です。
これが none と組み合わさると、「魔法のギターと同じくらい良いものは、ひとつもなかった」となります。同じレベルのものがゼロなのだから、魔法のギターが一番良かった、ということです。the best という最上級を使っていないのに、「一番」の意味になっています。
His magical guitar was the best.(魔法のギターが一番良かった)と言っても、事実は同じです。でも本文の言い方だと、300本以上を1本ずつ試して、どれも届かなかった、という過程が伝わってきます。ランディがどれだけそのギターを特別に思っていたかが、この形から感じ取れました。
ストーリーの和訳を確認
ストーリーの和訳や単語リストは以下の記事に掲載しております。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
ぜひこちらの記事も一緒にご覧ください。
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