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「~したい」と「~してほしい」の違いは?want toとwant+人+toの使い分け|ESEチャンク解説(10/20)

火曜日:オリジナル・ショート・ストーリー

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説

を毎日更新しています。

この記事は10月20日(火)に放送された「Drop the Handkerchief(ハンカチ落とし)」のチャンク解説記事です。

ストーリーの中に出てきた日常会話で役立つチャンクや読解の難易度が高い長文などをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ちなみに10月20日のストーリーの和訳はこちらの記事からご確認できます。ぜひご確認ください。

ではさっそく、今日の解説内容を見ていきましょう!

日常生活で使えるチャンク解説

チャンクPickUP

“I wanted her to pick it up.”
(日本語訳)「彼女に拾ってほしかったのに。」

構成パーツの解説

パーツ意味役割
I wanted私は望んでいた文の骨組み(主語+動詞)
her彼女に動作をしてほしい「人」(her=目的格)
to pick it upそれを拾うこと「人」にしてほしい動作

「want+人+to+動詞の原形」は、「人に〜してほしい」という意味です。ポイントは、want と to の間に「人」が入ることで、動作をする人が変わる点です。I want to pick it up. なら拾うのは「私」ですが、I want her to pick it up. なら拾うのは「彼女」になります。to の後ろの動詞をするのは、主語ではなく、間に入った「人」です。

この話では、同じ形が3回、物語の流れに沿って出てきます。マサオが「追いかけてほしかったのはサキじゃない」と打ち明けるきっかけの I didn’t want Saki to chase me.(サキに追いかけてほしかったわけじゃない)、ユキエがマサオの言葉の真意を確かめる Do you want me to become your girlfriend?(私に恋人になってほしいってこと?)、そして店員にハンカチを拾われてしまったマサオの本音 I wanted her to pick it up.(彼女に拾ってほしかったのに)です。

使い方はいくつかあります。I want you to check this report.(このレポートを確認してほしい)のように相手にしてほしいことを伝えるときは、ストレートな言い方なので、仕事で目上の人に使うと命令に近く聞こえることがあります。丁寧にしたいときは I’d like you to 〜(〜していただきたいです)や Could you 〜? を使うと柔らかくなります。また、Do you want me to carry your bag?(バッグ持とうか?)のように、Do you want me to 〜? は日常会話では「〜しようか?」という申し出としてよく使われ、丁寧に言うなら Would you like me to 〜? です。今回のユキエのセリフは、申し出ではなく、マサオの気持ちを確かめる本気の質問として使われています。「〜してほしくない」と言うときは、I don’t want you to worry.(心配してほしくない)のように want の前に don’t を付けます。

気をつけたいのは、日本人が間違えやすい形があることです。「彼女に拾ってほしい」を英語にするとき、I want that she picks it up. や I want her pick it up.(to が抜けている)と言ってしまいがちです。正しくは I want her to pick it up. で、間に入る人は her / him / me / them のような「〜を」の形(目的格)になります。

特に I want that 〜 と言ってしまうのには、はっきりした理由があります。英語には、hope や wish のように want とほとんど同じ「願う・望む」という意味で、that+文 を後ろに取る動詞があります。I hope (that) she picks it up.(彼女が拾ってくれるといいな)や I wish (that) she would pick it up.(彼女が拾ってくれたらいいのに)は正しい英語です。この形を知っているからこそ、同じ感覚で want にも that を使ってしまうわけで、知識があるからこその落とし穴という感じだと思いました。日本語で「彼女が拾うことを望む」と組み立てると、「彼女が拾う」をひとまとまりにしたくなるのも、that を使いたくなる原因です。英語の want は、「人」と「すること」を分けて want+her+to pick it up のように並べます。

意味の違いも少しあります。want は「〜してほしい」という自分の要望をはっきり伝える言い方、hope は「そうなるといいな」という結果を相手や運に任せた願い、wish は「実際はそうならなさそうだけど、そうなればいいのに」という現実と違うことへの願いです。マサオの I wanted her to pick it up. は、はっきりした要望が外れてしまった悔しさを表しています。

なお、同じ「動詞+人+to 〜」の形を取る動詞には、ask(人に〜するよう頼む)や tell(人に〜するよう言う)などがあります。セットで覚えておくと応用が利きます。

日常会話例

私は海外子会社を持つ企業に勤めており、家族と海外旅行を楽しむことも目標のひとつとしています。
職場での会話や、旅行時の会話を想定して例文を作りました。

ビジネス①

場面:部下や同僚に、締め切りまでの確認を頼むとき。(〜してほしい)
I want you to check this report by Friday.
(金曜日までに、このレポートを確認してほしいです。)

ビジネス②

場面:添付ファイルが開けないと言われ、再送を申し出るとき。(〜しましょうか?)
Do you want me to send the file again?
(ファイルをもう一度送りましょうか?)

旅行①

場面:旅先の絶景スポットで、一緒に旅行している友人に写真を頼むとき。(〜してほしい)
I want you to take a picture of us.
(私たちの写真を撮ってほしいんだけど。)

旅行②

場面:ホテルのフロントで、スタッフが宿泊客に申し出るとき。(〜しましょうか?)
Would you like me to call a taxi for you?
(タクシーをお呼びしましょうか?)


【広告】声に出す練習について

今日の「want+人+to+動詞の原形」のような表現は、いざ自分で言おうとしても、日々英語を話していないとなかなか出てきません。私自身がまさにそんな感じです。

そこで、AI英会話アプリの「Speak」で、声に出す練習を続けています。相手がAIなので、間違えても気をつかわずに何度でも言い直せるところが、私には合っていました。忙しくてできなかった週もありますが、自分のペースで続けられます。声に出す練習をしてみたい方はぜひ!

PickUP読解

今回の一文
“I ran slowly so I could get caught and end the game.”
(日本語訳)「わざと捕まってゲームを終わらせるために、ゆっくり走ってたんだ。」

構成パーツの解説

パーツ意味役割
I ran slowly僕はゆっくり走った文の骨組み(主語+動詞)
so〜するために目的を表す(so that の that が省略)
I could僕が〜できるように目的の中の主語+助動詞
get caught捕まるget+過去分詞の受け身
and end the gameそしてゲームを終わらせるcould の後ろで get caught と並ぶ

読解のポイント

so は「だから」ではなく「〜するために」

この文で一番迷いやすいのは so の読み方です。so には、I was tired, so I went home.(疲れていたので、家に帰った)のような「だから」という結果の意味と、「〜するために」という目的の意味があります。今回の so は後者で、本来は so that の that が省略された形です。会話では that がよく省略されるので、見た目はただの so になります。

見分けるヒントは2つあります。1つ目は so の後ろの助動詞で、目的の so (that) の後ろには can / could / will / would などが来るのが普通です。今回は so I could 〜 と could があるので、「〜できるように」という目的だとわかります。2つ目はコンマで、結果の「だから」は …, so 〜 のようにコンマで区切られることが多いのに対し、目的の so にはコンマが付かないのが普通です。試しに「だから」で読んでみると、「ゆっくり走った。だから捕まることができた」となり、マサオがわざと捕まろうとしていた意図が消えてしまいます。この文の肝は「わざと」なので、目的の so として読むことが大切です。

ちなみに、2ページ目でユキエが言った You ran slowly so that she would run after you and catch you.(サキが追いかけてきて捕まえてくれるように、ゆっくり走ってた)は、that が省略されていない同じ形です。ユキエの思い込みの文と、マサオが明かした真相の文が、同じ「so (that)+目的」の形で対になっています。

get caught は「get+過去分詞」の受け身

get caught は「捕まる」という意味で、get+過去分詞の形をした受け身です。受け身というと be+過去分詞(be caught)を思い浮かべますが、会話では get を使った受け身もよく使われます。be が「捕まっている」という状態に目を向けるのに対し、get は「捕まる」という変化や出来事そのものに目を向けます。get には「〜の状態になる」という動きがあるので、捕まる瞬間を生き生きと表せます。

get の受け身は、get hurt(けがをする)、get lost(道に迷う)、get fired(クビになる)のように、思いがけず起きることや望まないことによく使われます。今回のマサオは、本来は避けたい「捕まる」をあえて自分から選んでいて、その意外さが get caught という言い方で際立っています。ユキエのセリフにも so you could get chased by Saki(サキに追いかけてもらえるように)と、同じ get の受け身が出てきます。

and end the game は could の後ろにつながっている

最後の and end the game が何とつながっているかも、読み間違えやすいポイントです。「ゆっくり走って、ゲームを終わらせた」と読むと、and が I ran slowly と end the game をつないでいるように見えますが、そうであれば過去形の ended になるはずです。ここで end と原形になっているのは、end が could の後ろにつながっているからです。I could [get caught] and [end the game] のように、could が get caught と end the game の両方にかかっていて、「捕まる」と「ゲームを終わらせる」の2つが、どちらもゆっくり走った目的になっています。and の後ろの動詞の形を見て、どこにつながっているかを確かめる読み方は、長い文を読むときにとても役立ちます。

この2つの目的からは、マサオの気持ちも見えてきます。ユキエが追いかけてこないとわかった時点で、早く捕まってこのゲームを終わらせたかったのです。足の速い「ウサイン・ボルト」がゆっくり走っていた本当の理由が、この一文で明かされています。

ストーリーの和訳を確認

ストーリーの和訳や単語リストは以下の記事に掲載しております。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

ぜひこちらの記事も一緒にご覧ください。


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当ブログはESEを使ったインプット学習の記録が中心ですが、筆者自身が「聞く力は鍛えているのに、話す力が追いついていない」という課題に気づき、AI英会話アプリ「Speak(スピーク)」でアウトプットの練習を始めました。

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この記事を書いた人
ESEリスナー

学生時代から英語が苦手だった私ですが、職場のグローバル化という現実に直面したことをきっかけに、NHK『Enjoy Simple English』とAIを組み合わせた学習法と出会い、英語学習がようやく「続けられるもの」になりました。
仕事でのキャリアチャンスを逃したくない、家族と海外旅行を楽しみたい——そんなリアルな動機を持ちながら、学習者目線で毎日更新しています。
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