エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(7/4)

金曜日:小泉八雲が愛した日本の民話

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

毎週金曜日は「小泉八雲が愛した日本の民話”Stories Lafcadio Hearn Collected around Japan”」です。明治時代に来日したラフカディオ・ハーンは妻・セツと出会い小泉八雲と名乗った。2人で紡ぎ世界に広めた日本各地の怪談・奇談を紹介しています。

本日のStories Lafcadio Hearn Collected around JapanのストーリーはCommon Sense Part Oneです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Common Sense Part One(常識 前編):和訳

1ページ目

昔々、京都の近くの愛宕山という山に、賢いお坊さんが住んでいました。
彼はすべての時間を瞑想や特別な仏教の書物の研究に費やしていました。
村や人里から遠く離れたお寺で暮らしており、生活に必要な物を手に入れるのはとても大変でした。
しかし多くの善良な仏教徒が、毎月野菜やお米を届けて助けてくれました。

その善良な人の一人が、時々山へ狩りに来る猟師でした。
ある日、その猟師はお坊さんに米の袋を届けました。
するとお坊さんは猟師に言いました。

「友よ、君に話したいことがある。前に君に会ってからというもの、素晴らしいことが起きているのだ。
なぜ私にこんな奇跡が起きたのかわからない。私がその奇跡を体験するに値するとは思えないのだ。
だが、君も知っている通り、私は長年、瞑想をし、聖なる言葉を唱えてきた。
それが理由かもしれないが、確信は持てない。
最近、特別な訪問者が毎晩このお寺に来るのだ。それは象に乗った普賢菩薩なのだ。
今夜はここにいてくれ、友よ。そうすれば君もその奇跡を見ることができるだろう。」

2ページ目

そこで猟師は寺にとどまりました。
お坊さんが瞑想している間、猟師は考え始めました。
そんなことが本当に起きるなんて信じられなかったのです。
考えれば考えるほど、疑いが深まっていきました。

お坊さんのもとで学んでいる小さな男の子がいました。
猟師はその子に尋ねました。

「お坊さんは、毎晩普賢菩薩がこの寺に来ると話してくれたんだ。
君もその姿を見たことがあるのかい?」

3ページ目

「はい。もう6回も見ました。」

猟師は少年が見たことを正直に話していると信じました。
しかしその答えは、猟師の疑いをさらに深めることになりました。
とはいえ、少年がその姿を見られたのなら、自分も見られるはずだと考え、
猟師は訪問者が現れるのを待ちました。

4ページ目

夜中少し前、お坊さんは準備の時間だと言いました。
お坊さんは小さな寺の扉を開け放ち、ひざまずいて東の方を見つめました。
少年はお坊さんの左側に座り、猟師はお坊さんの後ろの位置に座りました。

5ページ目

その夜は九月二十日の夜で、とても暗く強い風が吹いていました。
三人は長い間待ち続けました。
しかしついに、東の空に星のような白い光が現れました。
その光は急速に近づき、どんどん大きくなっていったのです。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

賢い

瞑想

疑う

さらに

現れる

準備する

近づく、接近する

チャンクPickUP

It was very difficult to get the things he needed to live.
(日本語訳)生活に必要なものを手に入れるのはとても大変でした。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
Itそれは仮主語(文全体を指す)真の主語は後ろの to get the things he needed to live
was very difficultとても大変だった主語Itに対する述語状態・難易度を述べる
to get the things物を手に入れること真の主語(不定詞句)「何が大変だったのか」を示す行為
he needed to live彼が生きるために必要としたthe things の修飾「どんな物か」を説明する関係節

今回の文のように、後ろに情報を付け加えるような形の文を作る場合、以下のような手順で作ることができます。
①:主語+述語のシンプルな文を作る
 例)It was difficult.
②:述語に対する行為・目的をto 不定詞で追加
 何が難しかった、何を見つけたなど具体化
 例)It was difficult to get the things.
③:さらにその目的語(名詞)を詳しく説明
 関係詞節や前置詞+不定詞などで情報を足す
 例)It was difficult to get the things he needed to live.

日常会話での応用表現

He found it hard to understand the book that his teacher recommended.
(彼は先生にすすめられた本を理解するのが難しかった。)

It was fun to visit the city where I was born.
(自分が生まれた街を訪れるのは楽しかったです。)

チャンクPickUP-2

Maybe it is because of that, but I am not sure.
(日本語訳)たぶんそれが理由かもしれませんが、よくわかりません。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
Maybeたぶん文全体を弱める副詞確信がないことを示す柔らかい表現
it is because of thatそれが理由です仮の主語+理由の説明「そのことが理由だ」という断定に近い構造
but I am not sureでも私は確信がない対比・補足「自信がない」という補足で断定を避ける

Maybe it is because of that,」は日常会話で理由を推測する場面でそのまま使えるチャンクです。
多分そうだけど絶対とは言えない場合や、自分の意見をやわらかく述べたい場面での使用に向いています。また後ろに理由の具体化を続けると自然になります。

日常会話での応用表現

Maybe it is because of that that we failed.
(たぶんそのせいで私たちは失敗したんだろう。)

Maybe it is because of that that she’s angry.
(たぶんそのせいで彼女は怒ってるんだと思う。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
“The hunter believed that the boy was telling the truth about what he saw.”
(日本語訳) 猟師は、その少年が自分の見たことについて本当のことを話していると信じました。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
The hunter猟師は主語文の主語。信じたのはこの人物
believed信じた動詞(述語)猟師がしたことを表す動詞
that the boy was telling the truth少年が本当のことを話していたと目的語(that節)猟師が信じた「内容」
about what he saw彼が見たことについてtruth を修飾truth の内容をさらに説明する前置詞句。what he saw が名詞節(関係詞 what の働き)

読解のポイント

that節 (間接話法)

believe / think / say などの後に、that 以下の内容が続く典型的な間接話法。
that 以下に「信じた内容」が記載されています。さらにその中の truth が「見たこと」に関するものだと about what he saw が説明しています。

what節(関係代名詞 what の名詞節)andの省略

what + 主語 + 動詞 → 「~するもの」「~したこと」
what he saw は名詞節(関係代名詞 what の節)で「彼が見たもの」という意味の名詞のかたまりです。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
賢いお坊さんが愛宕山で一人静かに瞑想をして暮らしていました。親切な猟師が食べ物を届けに来ていました。お坊さんは、毎晩普賢菩薩が寺を訪れるという奇跡について猟師に話しました。猟師はその奇跡を見ようと寺にとどまりました。真夜中、お坊さん、猟師、少年の三人は待ちました。やがて東の空に白い光が現れ、どんどん大きくなっていきました。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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