このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週金曜日は「英語で味わう名作舞台”Stories from the Stage”」です。愛、喜び、忠誠、哀しみーあらゆる感情が交錯する古今東西の名作舞台から、6作品が厳選されてお届けされます。
本日のStories from the Stageのストーリーは「KANJINCHO Part4(勧進帳 第4回)」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
KANJINCHO Part4(勧進帳 第4回):和訳
1ページ目
山伏の僧侶に変装した義経と兵士たちは、もう少しで関所を無事に通り抜けられるところでした。しかし富樫が、荷物持ちに扮した義経を呼び止めます。弁慶は怒ったふりをして、杖で義経を叩きます。
弁慶:「早くしろ!動け!」
富樫が彼らを止めます。
富樫:「何を言おうと、この男を通すわけにはいかぬ。」
関所の衛兵たちが刀を抜きます。山伏たちも刀に手をかけます。山伏たちの形相はあまりにも凄まじく、鬼でさえ恐れをなすほどでした。
弁慶:「まだ信じないなら、この荷物持ちを連れて行け。尋問しろ。何でもすればいい。いや、私が自らこの男を打ち殺してやろうか!」
富樫:「慌てるな。お前がその男を叩いたのは、義経に似ているからだと思ったからだ。だから打ったのだ。私の早まりだった。今は信じる。その男を連れて関を通ってよい。」
富樫と衛兵たちが去ったあと、弁慶は殿の前に深く頭を垂れます。
義経:「弁慶、お前の機転は見事だった。私はお前の主なのに、お前は私を救うために打ったのだ。」
弁慶:「たとえ演技であったとしても、自らの主を打ったことになる。神罰を受けるであろう。」
2ページ目
弁慶は決して泣かない人間でした。しかし今、生まれて初めて涙を流します。義経が弁慶の手を取ります。
義経:「私は兄・頼朝のために戦った。その敵を海の底に沈めた。それなのに、兄は私を殺そうとしている。なぜ、こんなことが私に起きるのか。」
弁慶:「あなたは戦場に日々を費やし、山と海で眠り、目覚め続けてきた。それなのに、3年もの間、兄に追われている。胸が張り裂けそうでございます。」
3ページ目
弁慶はあまりにも激しく泣き、雪に押しつぶされた花のようでした。
弁慶:「でも、急いで出発しなければなりません。」
ちょうどそのとき、後ろから声が聞こえます。富樫でした。
富樫:「待て!先ほどは無礼をした。酒を持ってきた。一緒に飲もうではないか。」
弁慶:「ありがたく受けます。感謝いたします。」
一行は共に酒を飲みます。
富樫:「山伏の頭領よ、一踊りしてくれぬか。」
4ページ目
弁慶:「もちろん。」
弁慶は舞い始めます。子どもの頃、弁慶は特別な寺の儀式で舞を踊っていました。舞いを続けながら、弁慶は義経と兵士たちに目配せで去るよう合図します。それから弁慶は杖を手に取り、富樫に一礼し、自らも立ち去ります。
義経、弁慶と一行は、虎の尾を踏み、毒蛇の口から逃れたような心地がしました。一行は北の陸奥の国へ向けて急ぎます。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
荒々しい、獰猛な
〜を殴る
敵
無礼な、失礼な
さっきは
チャンクPickUP
No matter what you say, I cannot let him pass.
(日本語訳)何を言おうと、この男を通すわけにはいかぬ。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| No matter what | 何が〜であろうと | 譲歩の副詞節を導く表現 | “no matter+疑問詞”で「〜が何であれ・どんな〜でも」 |
| you say | あなたが言う | 譲歩節の主語+動詞 | whatの先行詞を含む節 |
| I cannot let him pass | この男を通すわけにはいかぬ | 主節 | let+O+動詞の原形(使役構文) |
“no matter what〜”は「何が〜であろうと・どんな〜でも」という意味で、相手の言動や状況がどうであっても自分の立場・決意は変わらないことを強調する表現。“whatever〜”とほぼ同義だが“no matter what〜”のほうが口語的で自然な響きがある。”no matter”の後にwhat・who・where・when・howなど様々な疑問詞を続けることができる(例:no matter how hard it is / no matter where you are)。“no matter what”単独で文末に置いて「何があっても・とにかく」という副詞句としても使える。
日常会話例
私は海外子会社を持つ企業に勤めており、家族と海外旅行を楽しむことも目標のひとつです。そのため例文は、職場でのビジネス場面と海外旅行中の場面を想定した4つを掲載しています。
ビジネス①
場面:海外子会社から契約変更の要求があった際に、方針を守る姿勢を伝えるメール
No matter what the client says, we need to follow the original contract terms. Please confirm this with your local legal team.
(クライアントが何を言おうと、元の契約条件を守る必要があります。現地の法務チームとも確認してください。)
ビジネス②
場面:プロジェクトの困難な局面で、チームメンバーを励ます場面
No matter what challenges come up, I know this team can handle them. Let’s stay focused and keep moving forward.
(どんな困難が起きようとも、このチームなら乗り越えられると信じています。集中して前進し続けましょう。)
旅行①
場面:旅行先で急な予定変更が起きた際に、同行者に前向きな気持ちを伝える場面
No matter what happens, let’s make the most of the time we have here. This is still going to be a great trip.
(何が起きても、ここにいる時間を精一杯楽しみましょう。きっと最高の旅になるよ。)
旅行②
場面:旅行前に家族に安全を約束する場面
No matter what, I’ll make sure we get home safely. I’ve already checked all the emergency contacts.
(何があっても、必ず安全に帰ってくるから安心してね。緊急連絡先も全部確認済みだよ。)
PickUP長文読解
今回の一文
“You spent your days on the battlefield, sleeping and waking in the mountains and by the sea. And yet, you have been hunted by your brother for three years.”
(日本語訳)あなたは戦場に日々を費やし、山と海で眠り、目覚め続けてきた。それなのに、3年もの間、兄に追われている。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| You spent your days | あなたは日々を費やした | 主節①(S+V+O) | spend one’s days〜ingで「〜して日々を過ごす」 |
| on the battlefield | 戦場で | 場所を示す前置詞句 | 過酷な戦場環境を示す |
| sleeping and waking | 眠り、目覚めながら | 付帯状況を示す分詞構文 | spentの内容を補足説明する |
| in the mountains and by the sea | 山と海で | 場所を示す前置詞句の並列 | 過酷な自然環境での生活を示す |
| And yet | それなのに | 逆接・強い対照を示す接続詞句 | “yet”単独より感情的な強調が強い |
| you have been hunted | あなたは追われてきた | 受け身の現在完了形 | have been+過去分詞で「〜され続けてきた」 |
| by your brother | 兄によって | 動作主を示す前置詞句 | 受け身のbyで「〜によって」 |
| for three years | 3年間 | 期間を示す前置詞句 | 現在完了の継続を示す |
読解のポイント
「and yet」が生み出す「報われない悲哀」の逆接
“And yet”は「それなのに・しかしながら」という強い逆接・対照を示す表現で、単純な”but”よりも感情的な深みと嘆きのニュアンスが込められています。この文では「戦場で命を懸けて戦い続けた」という功績と「兄に3年も追われている」という理不尽な現実が鮮明に対比されています。英語の物語文・詩・感情的なスピーチでよく使われ、読者・聴衆の心に強く訴えかける効果があります。
「have been hunted」という受け身の現在完了形が示す「継続する苦しみ」
“you have been hunted by your brother for three years”は、受け身(be hunted)と現在完了(have been〜)が組み合わさった形で、「3年間ずっと兄に追われてきた(そして今もそれが続いている)」という継続の苦しみを表しています。現在完了形が単なる過去形と異なるのは「その状態が現在まで続いている」という点です。“hunted”(狩られる・追われる)という言葉の選択も、義経の状況を動物のように追い詰められている姿として描写しており、悲劇性を高めています。
「sleeping and waking」という分詞構文の詩的な表現
“sleeping and waking in the mountains and by the sea”は分詞構文(現在分詞)が付帯状況を示す表現で、「眠り、目覚めながら」という繰り返しの日々を描写しています。“sleeping and waking”(眠ること・目覚めること)という二つの分詞を対で並べることで、昼も夜も休むことなく過酷な環境で戦い続けた義経の生涯が詩的なリズムで表現されています。このような分詞の並列は英語の文学的・格調高い文体の特徴です。
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
義経の一行が関所をほぼ通り抜けたとき、富樫が荷物持ちを怪しみます。弁慶は大胆にも義経を叩き、富樫を納得させます。二人きりになると、弁慶は生まれて初めて涙を流し、殿の苦しみに深く心を動かされます。意外にも富樫が酒を持って戻り、弁慶に舞を所望します。弁慶はその舞を利用して一行に逃げるよう合図し、自らも静かに立ち去ります。一行はついに陸奥へ向けて旅立ちます。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
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