エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(9/9)

水曜日:世界の偉人伝

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

毎週水曜日は「世界の偉人伝”Heroes and Giants”」です。日本を、世界を動かした偉人達。誰もが知るその偉業とちょっと意外なその素顔を英語で味わいましょう。

本日のHeroes and GiantsのストーリーはDonna Strickland(ドナ・ストリックランド)です。

【本日の放送をテキストで読んだ感想】
今回は一部、うまく読解できない部分もありました。最初の興味や情熱を絶やすことなく、ずっと活動し続け、その結果としてノーベル賞受賞に至るというのは、本当に偉大なことだと思いました。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Donna Strickland(ドナ・ストリックランド):和訳

1ページ目

「レーザー」という言葉を聞くと、SF映画の一場面や、コンサートで見るカラフルな光を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、レーザーは私たちの日常生活の中で活用されています。例えば、お店にあるバーコードリーダーや、パソコンで使うマウスにも、レーザーが使われているのです。長い間、レーザーはそれほど役に立つものではありませんでした。しかし、それを変えた人物がいます。彼女の名前はドナ・ストリックランド。ここでは彼女の物語をご紹介します。

ストリックランドは1959年、カナダで生まれました。数学と物理が得意だったため、大学ではそれらを専攻することにしました。レーザーに関する講義があると知ったとき、彼女はこう思いました。

「それ、すごく面白そう!絶対にやってみたい!」

そして、レーザーを専門に学ぶことを決意しました。1981年に卒業した後、ストリックランドは研究を続けることを選び、フランス人物理学者ジェラール・ムル氏のもとで研究に取り組みました。

2ページ目

レーザーは1960年頃に開発され、その後まもなく、科学者たちはより強力なレーザーを作るための研究を大きく進展させました。しかし1968年頃になると、それ以上の改良が難しくなり、以後約20年間、レーザーは大きく進化することがありませんでした。ムル氏は、レーザーをより強力にする方法を探し求めていました。彼にはたくさんのアイデアがあり、ストリックランドはそのどれが実際に機能するかを確かめるため、数多くの実験を行いました。レーザーの扱いは非常に難しいものでした。電気を加えすぎると、レーザーはより強力になる一方で、発火してしまうこともあったのです。

ムル氏のアイデアの一つを検証するため、ストリックランドは電気を加える前に、レーザー波をあえて遅くしてみました。そして、それを再び速くする方法を見つけたのです。この新しいレーザー波は、過熱しすぎることなく、はるかに強力になりました。さらに、非常に精密でもありました。つまり、光が正確に狙った場所へ届く、ということです。そのため、彼女が開発した新しいレーザーは、人の目を治療するためにも、スマートフォンのガラスを切断するためにも使えるようになりました。この時期を振り返り、ストリックランドはこう語っています。

「誰も成し遂げたことのないものを作り上げ、それが実際にうまく機能したとき――それは本当に、たまらない気持ちになる瞬間です」

やがて他の科学者たちも彼女の手法を用いるようになり、今ではレーザーはかつてないほど有用なものになっています。

3ページ目

2018年、ストリックランドは、物理学分野でノーベル賞を受賞した、史上3人目の女性となりました。多くの人が、女性物理学者であることについてストリックランドに質問しましたが、彼女はただこう答えました。

「私は自分を『科学分野で活躍する女性』だとは思っていません。私は自分のことを、ただの『科学者』だと思っています」

現在、ストリックランドは大学教授として、今なおレーザーの研究を続けています。大学に入学した当初、ストリックランドはレーザーを「かっこいい」と感じ、その研究を始めました。彼女はその情熱を一度も失うことなく、そのおかげで今、私たちの日常生活をずっと便利にしてくれる、強力なレーザーが存在しているのです。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

物理学

卒業する

精密な

本当に

チャンクPickUP

“I don’t see myself as a woman in science. I see myself as a scientist.”
(日本語訳)「私は自分を『科学分野で活躍する女性』だとは思っていません。私は自分のことを、ただの『科学者』だと思っています。」

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
I don’t see myself as A私は自分をAとして見ていない否定文(see A as B)Aにはmyselfが入る
I see myself as B私は自分をBとして見ている肯定文(see A as B)否定と肯定の対比構造
see A as B ――「Aを、Bという枠組みで捉える」汎用性の高い構文

see A as B は「AをBとして見る、AをBだと捉える」という意味の定番構文で、実際の見た目ではなく、話し手がAをどう認識しているか、どう位置づけているかという内面的な捉え方を表します。今回の文では、この構文が否定文(I don’t see myself as a woman in science.)と肯定文(I see myself as a scientist.)で対比的に使われており、「女性であること」という属性ではなく「科学者であること」という専門性そのものが、彼女にとっての自己認識の軸であることを強く印象づけています。

see A as B は硬い書き言葉に限らず、日常会話でも「自分や相手をどう捉えているか」を伝える場面で自然に使われます。ただし、今回の文のように「〜ではなく、…だ」ときっぱり定義づける言い方は、インタビューやスピーチなど、ややフォーマルな場面で特によく使われる傾向があり、日常会話ではreallyなどを添えてもう少し柔らかく使われることも多いです。

see A as B の A は、myself のような人物代名詞に限らず、物・出来事・状況など幅広い名詞を置くことができます(例:I see this project as a great opportunity.)。A には評価・位置づけの対象となるもの、B にはその評価・役割を表す名詞が入る、という型が一貫しており、非常に汎用性の高い構文だと言えます。

日常会話例

私は海外子会社を持つ企業に勤めており、家族と海外旅行を楽しむことも目標のひとつとしています。
この表現は、自分や物事の捉え方を伝える場面で使えると感じたので、ビジネス・プライベートそれぞれの場面を想定した4つを掲載しています。

ビジネス①

場面:新しく入った部下を、単なる後輩ではなく対等なパートナーとして見ていることを伝える場面
I see you as a partner, not just a junior colleague.
(君のことを、ただの後輩じゃなくて、パートナーだと思っているよ。)

ビジネス②

場面:大きな失敗を、次につながる貴重な経験として前向きに捉えていることをチームに伝える場面
We see this failure as a valuable step toward improvement.
(私たちはこの失敗を、改善に向けた貴重な一歩だと捉えています。)

プライベート①

場面:長年の友人を、単なる友達以上の、家族のような存在だと伝える場面
I see her as family, not just a friend.
(彼女のことを、ただの友達じゃなくて、家族みたいな存在だと思ってる。)

プライベート②

場面:毎日のジョギングを、義務ではなく楽しみとして捉えていることを話す場面
I see my morning jog as a treat, not a chore.
(朝のジョギングは、義務じゃなくてご褒美みたいなものだと思ってる。)

PickUP読解

今回の一文
“If you added too much electricity to them, they would become stronger, but they would also catch fire.”
(日本語訳)「電気を加えすぎると、レーザーはより強力になる一方で、発火してしまうこともあったのです。」

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
If you added too much electricity to themもし電気を加えすぎたらif節(過去形)仮定法過去
they would become strongerより強力になっただろう主節①(would)過去の一般的傾向
but they would also catch fireしかし発火することもあっただろう主節②(but+also)相反する結果の対比

読解のポイント

would の用法――一回きりの仮定ではなく、過去の一般的な傾向

If you added too much electricity to them, they would become stronger, but they would also catch fire. は、if節が過去形(added)、主節が would となっている仮定法の形ですが、以前伊能忠敬の記事で確認した「実際には試していない、頭の中だけの仮定」とは少し異なる使われ方でした。今回は、過去の実験を振り返って「電気を加えすぎると、いつも/必ずこうなった」という、繰り返し起きていた一般的な傾向を表しています。would には「もし〜なら…だろう」という一回きりの仮定の意味だけでなく、過去の習慣的な結果を表す用法もある、という点が今回のポイントでした。

add A to B ――「行き先を示すto」を使った基本構文

added too much electricity to them の部分は、add A to B(AをBに加える)という基本構文です。これまで確認してきた give A to Breturn A to B と同じ、行き先を示すtoを使った構文の仲間で、Aを、Bという行き先に向けて加える、という共通のイメージで理解できます。

but による「良い結果」と「悪い結果」の対比

they would become stronger(強くなる)と they would also catch fire(発火する)が but でつながれている点も重要なポイントでした。この but は単なる逆接というより、同じ原因(電気を加えすぎること)から生まれる、相反する2つの結果を並べて見せる働きをしています。「強くなる」というプラスの側面と「発火する」というマイナスの側面が、トレードオフの関係として同時に描かれています。

they would also catch firealso(〜もまた)は、「強くなる」という結果に加えて「発火する」という結果も起きた、ということを示しています。also がここに置かれることで、2つの結果が別々の出来事ではなく、同じ状況から同時に生じた、両方とも起きていた事実であることが強調されています。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

要約 日本語訳:
1959年にカナダで生まれたドナ・ストリックランドは、大学時代にレーザーを専攻し、その後、物理学者ジェラール・ムル氏のもとで研究を続けました。二人はレーザー波を過熱させずに強力にする方法を開発し、目の手術やスマートフォンのガラス切断など、精密な用途への応用を可能にしました。2018年、ストリックランドは物理学分野でノーベル賞を受賞した、史上3人目の女性となりました。「科学分野の女性」としてではなく、自分をただの「科学者」だと捉え、現在も大学教授としてレーザー研究を続けています。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHK FMで放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
テキストには、毎日の英文スクリプトや語彙リストが掲載されており、学習効果を高めるのに非常に役立ちます。

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スピーキング力を鍛えたい方へ:AI英会話アプリSpeakの学習レポートも書いてます!

当ブログはESEを使ったインプット学習の記録が中心ですが、筆者自身が「聞く力は鍛えているのに、話す力が追いついていない」という課題に気づき、AI英会話アプリ「Speak(スピーク)」でアウトプットの練習を始めました。

一週間、無理なくアウトプットのトレーニングをするなかで、得られたことや気づいたことをまとめて記事にしています。週に1度更新していますので、「ESEでインプットは続いているけど、話す練習はできていない」というお悩みをお持ちの方は、ぜひ参考までにご覧ください。

👉 先週のSpeak記事はこちら

この記事を書いた人
ESEリスナー

学生時代から英語が苦手だった私ですが、職場のグローバル化という現実に直面したことをきっかけに、NHK『Enjoy Simple English』とAIを組み合わせた学習法と出会い、英語学習がようやく「続けられるもの」になりました。
仕事でのキャリアチャンスを逃したくない、家族と海外旅行を楽しみたい——そんなリアルな動機を持ちながら、学習者目線で毎日更新しています。
筆者の詳細が気になる方は、名前のリンクをクリックしてご覧ください。

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