このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週金曜日は「小泉八雲が愛した日本の民話”Stories Lafcadio Hearn Collected around Japan”」です。明治時代に来日したラフカディオ・ハーンは妻・セツと出会い小泉八雲と名乗った。2人で紡ぎ世界に広めた日本各地の怪談・奇談を紹介しています。
本日のStories Lafcadio Hearn Collected around Japanのストーリーは「Story of a Fly Part Two」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Story of a Fly Part Two(蝿のはなし 後編):和訳
1ページ目
タマという名の女中は、商人の久兵衛のもとで働いていたが、病で亡くなった。彼女の死から十日後、とても大きなハエが久兵衛の家に入り、彼の頭のまわりをぐるぐる飛び回り始めた。
これは久兵衛を驚かせた。というのも、大寒の時期にはどんな種類のハエも現れないからだ。とりわけ大きなハエはめったになく、暖かい季節にしか見られない。そのハエは彼の頭のまわりを飛ぶのをやめず、久兵衛を悩ませた。そこで彼は捕まえようとした。捕まえたときは傷つけないよう注意して、家の外へ放した。久兵衛は信心深い仏教徒だったので、ハエを傷つけたくなかったのだ。
ところが、ハエはすぐ戻ってきた。久兵衛はまた捕まえて外へ捨てた。しかし三度目には再び家に入ってきた。妻はとても不思議に思い、こう言った。
「そのハエ、タマじゃないかしら。人は死ぬと虫になって戻ってくることがあるのよ。」
久兵衛は笑って答えた。
「印をつければ分かるかもしれん。」
彼はハエを捕まえ、ハサミで翼の先をほんの少し切った。そしてそれを遠くまで運び家から離れたところで放してやった。
2ページ目
その大きなハエは翌日また戻ってきた。久兵衛はそれでもタマだとは信じなかった。そこで彼はもう一度捕まえ、今度は紅の口紅でハエの体と翼に色を塗った。前よりもずっと遠くまで運んで放してやった。ところが二日後、その赤いハエが戻ってきた。久兵衛はもう迷わなかった。
「タマに違いない。何か望みがあるのだろう、しかし何を望んでいるのだ?」
3ページ目
妻は答えた。
「タマの貯めた銀貨三十枚がまだ手元にあります。たぶんそのお金をお寺に納めて、仏式の法要をしてほしいのだと思います。タマはいつも来世のことを気にかけていましたから。」
ちょうどそのとき、休んでいた障子からハエが落ちた。久兵衛が拾い上げると、すでに死んでいた。
4ページ目
久兵衛と妻はすぐに寺へ行き、娘のお金を僧に納めることに決めた。二人はハエの亡骸を小さな箱に入れ、いっしょに持って行った。寺の住職は事情を聞き、二人のしたことは正しかったと言い、そしてタマの霊のために特別な法要を営んだ。
5ページ目
箱に入ったハエの亡骸は寺に埋葬された。ハエを埋めた場所の上には、仏教の特別な文言が記された卒塔婆(そとうば)が立てられた。

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
現れる
まれな、珍しい
〜のじゃまをする、〜を困らせる
多分、おそらく
後生、来世
最高位の、トップの
〜を埋める・埋葬する

チャンクPickUP
This surprised Kyubei because no flies of any kind appear during the Period of Greatest Cold.
(日本語訳)これは久兵衛を驚かせた。というのも、「大寒」の時期にはどんな種類のハエも現れないからだ。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 文法/機能 | メモ |
---|---|---|---|
This surprised Kyubei | これは久兵衛を驚かせた | 主節(SVO) | cause→effect の骨格 |
because | なぜなら | 従属接続詞 | 理由節を導く |
no flies of any kind | どんな種類のハエも一匹も | no + 名詞(否定限定詞) | no は名詞句の決定詞。= not any flies。of any kind は「どんな種類でも」 |
appear | 現れる | 動詞(平叙・現在) | 習慣/一般事実だから現在形 |
during the Period of Greatest Cold | 大寒の期間に | 前置詞句 | 固有名の季節名(本文の用語) |
flies of any kindの前の no は、名詞句の一部です。no + 名詞は「一つも〜ない」を作る否定限定詞です。つまり、no flies appear = flies do not appearです。
英語には否定の置き場所二通りあります。一つが動詞を否定する一般的な形(flies don’t appear)、もう一つが名詞を否定する形(no flies appear)。名詞を否定する形の方が語感が強めです。
日常会話での応用表現
– It’s unusual to have almost no rain at this time of year.
(この時期に雨がほとんどないなんて珍しい。)
– This famous hotel had no rooms of any kind available.
(この有名なホテルは、どのタイプの部屋にも空きがありませんでした。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“A sotoba memorial board with special Buddhist words written on it was placed above the spot where the fly was buried.”
(日本語訳) 特別な仏教の文言が記された卒塔婆が、ハエを埋葬した場所の上に据えられた。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 文法的機能 | 補足 |
---|---|---|---|
A sotoba memorial board | 卒塔婆(追悼板) | 主語(名詞句の核) | sotoba=卒塔婆。名詞句が長いのでまずここを主語と認識。 |
with special Buddhist words written on it | その上に特別な仏教の文言が記されている状態で | 付帯状況(with+名詞+過去分詞) | = 「which has special Buddhist words written on it」/「on which … were written」の簡約。it は board を指す。 |
was placed | 据えられた/設置された | 述語(受動態) | 施事者(誰が置いたか)は重要でないため省略。 |
above the spot | その場所の上に | 前置詞句(場所) | above は「真上・上方」。over より静的・位置的。 |
where the fly was buried | ハエが埋葬された(場所) | 関係副詞 where の節(spot を後置修飾) | = 「the spot at which the fly was buried」。節内は受動態。 |
読解のポイント
長い主語はまず“核”→“飾り”の順で捉える
主語は A sotoba memorial board。その後ろに with … written on it が情報を足しています。長い名詞句に出会ったら、核(board)を先に押さえ、飾り(with以下)を後から回収すると迷いません。次に動詞 was placed を見つければ骨格が立ちます。
with+名詞+過去分詞は「付帯状況」=簡約関係節
with special Buddhist words written on it は「その板の上に文言が“書かれた状態で”」という状態の付け足し。関係節を圧縮して簡潔にしています。it の指示先は board であることに注意。
前置詞 above のニュアンス
above the spot は「その地点の上方に(接していなくても可)」。on は「接触」、over は覆いかぶさる含みが出やすいので、静かに“上に位置する”像には above が適所です。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
真冬に女中のタマが亡くなり、十日後、巨大なハエが久兵衛の頭上を回る。逃がしても戻ってきて、翼の先を少し切っても、紅で赤く塗っても戻った。何かを求めるタマだと確信し、妻は仏式の法要のための銀貨三十枚を思い出す。やがてハエは突然死に、二人は寺に金を納めてハエを埋葬し、住職が卒塔婆を立てて供養した。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
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ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
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