エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(7/8)

火曜日:オリジナル・ショート・ストーリー

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。


毎週火曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。くすっと笑える話や、じんわり泣ける話など、私たちの日常のひとコマを切り取ったようなストーリーを楽しめます。

本日のShort StoriesのストーリーはPassionです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

“Passion(情熱がものをいう)”:和訳

1ページ目

Wife:あの… みなさん、こんにちは… 私はイノウエシズカです。そして… ええと、短い間だけのことですが… でも…

Husband:ストップ、ストップ!ハニー、どうしてそんなに緊張しているの?これはただのリハーサルだよ。

Wife:明日は初めて担任の先生をする日なの。

Husband:でも君はもう授業をしてるじゃないか。

Wife:ええ、4月からね。でもまだ授業に慣れていないの。

Husband:相手は中学生だろう?そんなに難しくないよ。

Wife:あなたはわかってないわ!彼らは大人より怖いこともあるのよ。ああ、どうしてモリサキ先生は病気になっちゃったの?

Husband:僕が中学生のときも担任の先生が病気になって、数か月間新しい先生が来たことがあったよ。

Wife:ほんと?

Husband:ああ、しかもその先生も若かったんだ。

Wife:あなたやクラスメイトはその先生のことが好きだった?

2ページ目

Husband:うーん… 言いたくはないけど、僕たちはその先生のことを普段の担任の先生ほど尊敬してなかったんだ。

Wife:ほら!やっぱりそうだったのね!私が緊張してたら、生徒たちはすぐに見抜くわ。私、できる気がしない。明日何か失敗しちゃうかも。

Husband:シズカ、僕がそのときの先生の話をしよう。

Wife:わかったわ。

Husband:僕たちが本当に彼を尊敬していないことを彼はわかってたけど、あたかも何も問題がないみたいに話し続けたんだ。それが初日だったよ。

Wife:次の日は何があったの?

3ページ目

Husband:その日、彼は僕たちに物語を話してくれたんだ。それから毎日そうしたんだよ。

Wife:物語?

Husband:うん。彼は国語を教えていて、文学オタクだったんだ。本当に日本文学を愛していたよ。

Wife:ああ。じゃあナツメソウセキやモリオウガイの話をしてくれたのね?

Husband:そうだよ。でも僕たちは中学生だったから、最初は全く興味がなかったんだ。だけど気がついたら、彼の話を聞くのが待ちきれなくなってたよ。

4ページ目

Wife:どうして?

Husband:よくわからないけど、鉄道オタクじゃなくても、鉄道オタクが電車の話をするのを聞くのって面白いだろう?

Wife:その情熱が面白くさせるのよね。

Husband:そうだよ!君も同じことができると思う。人の情熱は周りを変える力があるんだ。それは僕たちのクラスを変えたよ。1か月後には「文学散歩クラブ」っていう新しいクラブ活動ができたんだ。

Wife:わあ。そのクラブは何をしたの?

Husband:その若い先生が僕たちを東京のいろんな場所に連れて行って、有名な作家について歩きながら話をしてくれたんだ。保護者もその散歩に参加し始めて、クラブは人気になったんだ。

5ページ目

Wife:素晴らしい先生ね!

Husband:僕も彼のことが好きだったよ。でも僕が言いたいのは情熱のことなんだ。情熱が一番大事なんだ。

Wife:わかるけど、私は体育の先生よ。文学のことなんて何も知らないわ。

Husband:君が得意なことをやればいいんだ。

Wife:私が得意なのは… 重量挙げとかスキーとかジャグリングとか。

Husband:ジャグリングは最高だ!子どもたちが絶対喜ぶよ。

Wife:私は6個のボールをジャグリングできるの。3個のジャグリングを教えることだってできるわ。

Husband:それはすごい!

Wife:じゃあ練習を始めなきゃね。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

愚かな、ばかげた

まるで〜みたいな、あたかも〜かのように

文学

たとえ〜だとしても

チャンクPickUP

Let me tell you about the teacher I had.
(日本語訳)私の先生のことを話させて。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
Let me私に〜させて命令文(許可・提案の形)「私に〜することを許可して/やらせて」という柔らかい依頼や提案の表現
tell youあなたに話す述語動詞句「話す」の相手が you であることを示す
about the teacherその先生について前置詞句(tell の内容)話す対象が「その先生」であることを示す
I had私が持っていた/いた(先生)関係節(teacher を修飾)どの先生かを説明する部分。「私の先生」の意味

柔らかい提案・前置きに使う
「話を始めたいとき」「話の流れを取るとき」に自然です。命令的に聞こえず、聞き手に配慮した響きになります。

日常会話への応用

Let me tell you about my experience at that company.
(あの会社での経験について話させて。)

Let me tell you about this restaurant. It’s really good.
(このレストランのことを話させて。すごくいいんだよ。)

チャンクPickUP-2

But before we knew it, we couldn’t wait to hear his stories.
(日本語訳)でも、気がついたときには、私たちは彼の話を聞くのが待ちきれなくなっていました。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
Butでも接続詞前の文と対比・転換を示す
before we knew it気づいたときには時を表す副詞句(慣用表現)気づかないうちに物事が進んでいたというニュアンス。自然なまとまりとして使われるチャンク
we couldn’t wait私たちは待ちきれなかった主語+述語(主節)強い期待感・楽しみな気持ちを表す表現
to hear his stories彼の話を聞くのをwe couldn’t wait の目的(不定詞)待ちきれなかった内容を示す

「before we knew it」は、何かが自然に、予想以上に早く進んだときに、「気づかないうちに」「あっという間に」というニュアンスで使うチャンクです。文頭または文中で副詞句として一塊で使い、直後に出来事を述べます。

日常会話への応用

Before we knew it, we had walked five kilometers.
(気づかないうちに5キロも歩いていた。)

Before we knew it, the weekend was over.
(気づいたときには週末が終わっていた。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
That young teacher took us to places in Tokyo and he talked to us about famous writers while we walked.
(日本語訳) その若い先生は私たちを東京のいろいろな場所に連れて行き、歩きながら有名な作家について話してくれました。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
That young teacherその若い先生は主語文全体の主語
took us to places in Tokyo私たちを東京の場所へ連れて行った述語動詞1took O to ~ の形。O=us、目的地=places in Tokyo
andそして接続詞(並列)took と talked の2つの動作を並列に接続
he talked to us彼は私たちに話した述語動詞2and 以下の主語と述語
about famous writers有名な作家についてtalked の内容(前置詞句)話のテーマを表す
while we walked私たちが歩いている間副詞節(時間)talked の動作が行われた時間の背景を説明

読解のポイント

and の役割を見抜く

tooktalked の2つの動作が同じ主語(先生)によって行われています。
and の後に再び he が出てくるので、2つの動作が独立している印象を受けやすいですが、全体では先生の一連の活動を表しています。

while we walked の副詞節のかかり方

while we walked he talked to us about famous writers の動作の背景(「歩きながら話した」)。
took us to places in Tokyo にかかるわけではない点に注意。

場所と時間が同時に説明されている点

「どこで(東京の場所へ連れて行く)」「そのときの時間状況(歩いている間)」の情報が1文に含まれているため、情報量が多くなっています。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
シズカは初めて担任の先生になることに不安を感じていました。夫は、自分の中学時代に情熱を持って毎日物語を語り、生徒の尊敬を得た先生の思い出を話しました。それを聞いて、シズカは情熱が大切だと気づきます。ジャグリングが得意な彼女は、それを使って生徒とつながろうと決心し、夫に励まされます。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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