エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(5/20)

水曜日:世界の偉人伝

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

毎週水曜日は「世界の偉人伝”Heroes and Giants”」です。日本を、世界を動かした偉人達。誰もが知るその偉業とちょっと意外なその素顔を英語で味わいましょう。

本日のHeroes and GiantsのストーリーはNakamura Tetsu(中村 哲)です。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Nakamura Tetsu(中村 哲):和訳

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「水はいい人も悪い人も平等に扱う。私もそうありたい。すべての人と共に働き、人々が生きる場所を与えたい。」

中村哲はアフガニスタンの人々を助けることに人生を捧げた。現地の人々は彼を「希望おじさん」と呼んだ。しかし、2019年12月、彼は出勤途中に銃撃され、命を落とした。73歳だった。

中村は1946年に福岡県で生まれた。子どもの頃から虫が大好きで、ジャン=アンリ・ファーブルのような昆虫学者になり大学で昆虫を研究したいと思っていた。しかし父がそれをよい仕事だと思わないことを知っていたため、医師になることを決めた。

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中村が初めて海外に出たのは昆虫への情熱がきっかけだった。1978年のことだ。友人たちにパキスタンの山を登る際の医師として同行するよう頼まれた。その山は非常に珍しい蝶で有名で、ぜひ見たいと思っていた。中村はその蝶を見たが、同時に医師を必要としている多くの人々も目の当たりにした。その後、パキスタンのペシャワールで働くよう依頼され、喜んで引き受けた。病院でさまざまな疾患を抱える人々のために懸命に働き、1991年には3つの新しいクリニックを開設し、その後もさらに多くのクリニックを開いた。

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そして2000年、アフガニスタンはほとんど雨が降らなかった。野菜は育たず、人々は飲み水にも事欠いた。アフガニスタンの人口の半数以上が困難な状況に置かれた。多くの人々が、特に子どもたちが亡くなった。中村はこう考えた。

「飢えて渇いた人々を薬で助けることはできない。」

そこで、人々に水を届ける方法を研究した。3年後、中村は遠くの川から水を引いて人々が食料を育てられるようにするための、大規模な用水路建設プロジェクトを始めた。そのヒントは江戸時代に日本で造られた用水路だった。当時は機械もなく、人々は手だけで作った。アフガニスタンの人々も同じことができる。持っていない機械は必要ない。彼はさらにこう言った。

「一本の用水路は100人の医師よりも多くの人を救う。」

10年の歳月をかけて、彼は27キロメートルの用水路を完成させた。65万人以上の農家に水をもたらすものだった。かつてこの地域は「死の砂漠」と呼ばれていたが、用水路の水により、人々は再び農業を営み生きていくことができるようになった。中村は人々の顔に浮かぶ笑顔を見ることが何より好きだった。彼はこう語った。

「誰も行かないなら、私たちが行く。誰もやらないなら、私たちがやる。」

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

〜を待遇する・扱う

運河

チャンクPickUP

“One canal will do more good than 100 doctors.”
(日本語訳)「一本の用水路は100人の医師よりも多くの人を救う(多くの善いことをする)。」

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
One canal一本の用水路主語“one” は「たった一本の」という強調のニュアンス
will do~するだろう未来・確信を示す助動詞ここでは予測ではなく「必ずそうなる」という強い確信
more goodより多くの善いこと・より大きな恩恵比較の対象“do good” で「善いことをする・役に立つ・恩恵をもたらす」
than 100 doctors100人の医師よりも比較の基準“more ~ than …” で「~よりも多くの…」

“do good”は「善いことをする・役に立つ・恩恵をもたらす」という意味の慣用表現です。“do” は影響・効果を表す名詞と組み合わせて使うのが特徴で、”do harm”(害をもたらす)、”do damage”(損害を与える)も同様のパターンです。“more good than …”は「より大きな恩恵・より多くの善をもたらす」というニュアンスで、行為・施策の効果を比較する場面でよく使われます“do well”(うまくやる・成績が良い)と混同しないよう注意が必要です。

日常会話例

私は海外子会社を持つ企業に勤めており、家族と海外旅行を楽しむことも目標のひとつです。そのため例文は、職場でのビジネス場面と海外旅行中の場面を想定した4つを掲載しています。

ビジネス①

場面:海外子会社との会議で、現地での研修プログラムの導入が採用広告よりも効果的だと提案するとき
One good training program will do more good than ten recruitment ads.
(一つの良い研修プログラムは、10本の採用広告よりも大きな効果をもたらします。)

ビジネス②

場面:社内のウェルネス施策として、医療費補助よりも休暇制度の充実の方が社員のためになると上司に説明するとき
Giving employees one extra day off will do more good than covering part of their medical costs.
(社員に休日を1日追加する方が、医療費の一部を負担するよりも大きな恩恵をもたらします。)

旅行①

場面:旅先でたくさんの観光スポットを詰め込むより、一か所をゆっくり楽しんだ方がいいと家族に提案するとき
Spending one full day at this place will do more good than rushing through five different spots.
(ここで丸一日過ごす方が、5か所を急いで回るよりもずっといい旅になるよ。)

旅行②

場面:旅行中に体調が優れない子どもに、薬より休息の方が効果的だと伝えるとき
One good night’s sleep will do more good than any medicine right now.
(今はどんな薬よりも、一晩しっかり眠ることの方がずっと効果があるよ。)

PickUP長文読解

今回の一文
“Nakamura got the idea from a canal built in Japan in the Edo period. At that time, they didn’t have machines, they used their hands. The Afghani people could do the same thing. They wouldn’t need machines they did not have.”
(日本語訳)「中村はそのヒントを江戸時代に日本で造られた用水路から得た。当時は機械がなく、人々は手で作業した。アフガニスタンの人々も同じことができる。持っていない機械は必要ない。」

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
a canal built in Japan in the Edo period江戸時代に日本で造られた用水路過去分詞による後置修飾“built in Japan” が “a canal” を後ろから修飾。関係代名詞節 “that was built” の省略形
they didn’t have machines, they used their hands機械がなく、手で作業した対比の並列構造コンマでつながれた対比。「機械なし → 手作業」という因果・対比関係
The Afghani people could do the same thingアフガニスタンの人々も同じことができる可能性・能力の表現“could” は過去の話の流れの中で使われる仮定的な可能性
They wouldn’t need machines they did not have持っていない機械は必要ない二重否定による論理的表現“they did not have” が “machines” を後置修飾。”wouldn’t need” で「必要としないだろう」

読解のポイント

ポイント1:過去分詞による後置修飾 — “a canal built in Japan”

英語では、名詞を修飾する語句が長くなる場合、名詞の後ろに置きます。“a canal built in Japan in the Edo period”は、“a canal that was built in Japan in the Edo period”の関係代名詞節を過去分詞句に短縮した形です。日本語では修飾語が名詞の前に来るのに対し、英語では「用水路(名詞)+造られた(過去分詞)+in Japan in the Edo period(場所・時)」と後ろに続きます。名詞の直後に来る過去分詞を見たら「~された(名詞)」と前から訳す習慣をつけることが大切です。

ポイント2:コンマでつなぐ対比の文構造

“they didn’t have machines, they used their hands.”はコンマによって二つの文が接続されています。“because” や “so” などの接続詞がなくても、「機械がなかった→だから手を使った」という因果・対比の関係が文脈から読み取れます。英語では接続詞を省いてコンマだけで文をつなぐ書き方は文学的・口語的な文体で使われることがあり、特に「対比」や「補足説明」の関係を表すときに効果的です。ここでは「機械なし」vs「手作業」という対比が鮮明に伝わる表現になっています。

ポイント3:”machines they did not have” — 目的格の関係代名詞省略

“They wouldn’t need machines they did not have.”は “They wouldn’t need machines that they did not have.” の関係代名詞 “that” が省略された形です。“machines”(機械)を “they did not have”(彼らが持っていなかった)が後ろから修飾しています。「持っていない機械は必要ない」というシンプルかつ強力な論理を、二重の否定(wouldn’t need / did not have)で表現しており、中村のアイデアの本質——現地にある資源と人の手だけで解決する——がこの一文に凝縮されています名詞の直後に主語+動詞が続くパターンを見たら、関係代名詞の省略を疑う習慣をつけましょう。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

要約 日本語訳:
日本人医師・中村哲は、アフガニスタンの人々に生涯を捧げた。昆虫への愛が海外への一歩を後押ししたが、やがて薬だけでは飢えと渇きに苦しむ人々を救えないと気づく。江戸時代の日本の用水路にヒントを得て27キロメートルの水路を建設し、65万人以上の農家に水をもたらし「死の砂漠」を農地へと変えた。「希望おじさん」として慕われた彼は、2019年に73歳で凶弾に倒れた。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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この記事を書いた人
ESEリスナー

学生時代から英語が苦手だった私ですが、職場のグローバル化という現実に直面したことをきっかけに、NHK『Enjoy Simple English』とAIを組み合わせた学習法と出会い、英語学習がようやく「続けられるもの」になりました。
仕事でのキャリアチャンスを逃したくない、家族と海外旅行を楽しみたい——そんなリアルな動機を持ちながら、学習者目線で毎日更新しています。
筆者の詳細が気になる方は、名前のリンクをクリックしてご覧ください。

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