このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。
本日のAmazing Storiesのストーリーは「A Shelter Dog Becomes a Hero」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

A Shelter Dog Becomes a Hero(保護犬がヒーローに):和訳
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警察犬が働いているところを見たことがありますか?
地震のあと、人を救助することもあります。
今日ご紹介する驚くべき話は、誰にも望まれなかった一匹の犬についてです。
その犬は、やがてヒーローになりました。
ルビーは、ボーダーコリーとシェパードのミックスでした。
彼女はアメリカの小さな町の動物保護施設に、生後4か月で連れてこられました。
すぐにある家族に引き取られましたが、すぐに返されてしまいました。
「エネルギーがありすぎる」と言われたのです。
悲しいことに、同じことがさらに4回も繰り返されました。
そのうちに、保護施設の人たちはルビーの命を終わらせることに決めました。
しかし、パトリシア・インマンという名のボランティアのドッグトレーナーが、それを止めたいと考えました。
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彼女はルビーとよく一緒に訓練していて、ルビーが賢いことを知っていました。
「ルビーは、エネルギーがあるから仕事犬にぴったりよ!」
パトリシアは警察に連絡を取り、彼らはルビーを引き取ることを決めました。
それは、ルビーの命が終わるわずか2時間前のことでした。
ルビーの訓練士は、ダニエル・オニールという名の警察官でした。
彼が初めてルビーに会ったとき、こう言いました。
「彼女は僕の言うことを聞かなくて、すごく落ち着きがなかった。
でも、たくさんの愛情と安心できる家が必要なんだって分かったよ。」
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ルビーを訓練するのは簡単ではありませんでした。
通常、捜索救助犬の訓練には数か月しかかかりません。
でも、ルビーの場合は1年半もかかりました。
ダニエルはルビーと一生懸命トレーニングを重ね、
ルビーはダニエルを信頼するようになりました。
最終的に、ルビーは訓練を終え、クラスで1位になりました。
そして、ダニエルのパートナーになったのです。
ダニエルとルビーは6年間一緒に働きました。
行方不明者を見つけ、数々の事件を解決してきました。
そしてある日、ダニエルは捜索を命じられました。
対象は、36時間行方不明になっている10代の少年でした。
4ページ
ダニエルとルビーは、近くのハイキングコースを長時間にわたり捜索しました。
そして突然、ルビーが森の中へ走っていきました。
ダニエルもすぐに後を追いました。
やがて彼は、2本の黒いブーツを見つけました。
それは行方不明の少年でした。
ルビーは彼の顔をなめて、目を覚まさせようとしていました。
少年は頭に大きな傷を負っていて、弱っていましたが、生きていました。
ルビーが彼の命を救ったのです。
さて、ここからがこの物語のすごいところです。
その少年の母親は、ルビーを世話していたボランティアのパトリシア・インマンだったのです!
パトリシアはルビーの命を救い、ルビーはその息子の命を救いました。
それから5年後、ダニエルと共に長く成功したキャリアを送ったルビーは、2022年5月に亡くなりました。
ダニエルは、ルビーの物語が人々に「保護犬を信じる気持ち」を持たせてくれることを願っています。
あるインタビューでダニエルはこう語っています:
「もし保護犬にもう一度チャンスをあげたら、あなたの世界が変わるかもしれません。」

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
地震
犯罪
〜をなめる
保護犬
2、3の〜
行方不明の
〜を奮起させて・励まして…させる

チャンクPickUP
Have you ever seen a police dog working?
(日本語訳)警察犬が働いているところを見たことがありますか?
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足・ポイント |
---|---|---|---|
Have you ever seen | 〜を見たことがありますか? | 現在完了形(経験)+疑問形 | 「Have you ever〜?」は「今までに〜したことがありますか?」という経験をたずねる定番表現。 |
a police dog | 警察犬 | 目的語(名詞句) | 「a」がついているので一般的な一匹の犬(不特定)を指す。 |
working | 働いているところ | 分詞(現在分詞)で補足説明 | 「a police dog」を修飾して、「働いている警察犬」という状態を説明。 |
「Have you ever〜?」は、今までの経験をたずねる基本的な質問の形です。
今の時点までの人生経験全体をたずねているので、「いつ?」という過去の一点は入れません。
(× Have you ever seen it yesterday?)
「working」などの分詞を使うと、より具体的な状況を描写できます
(例:“Have you ever seen a cat sleeping in a basket?”)
日常会話への応用
– Have you ever seen how sushi is made?
(寿司がどうやって作られるか見たことある?)
– Have you ever seen Tokyo Tower at night?
(夜の東京タワー見たことある?)

チャンクPickUP-2
Ruby would be a perfect work dog because of her high energy!
(日本語訳)ルビーは、エネルギーがあるから仕事犬にぴったりよ!
(直訳 ルビーはエネルギーがとても高いので、完璧な働く犬になるでしょう!)
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Ruby | ルビー(犬の名前) | 主語 | 特定の犬を指す固有名詞 |
would be | ~だろう | 助動詞+動詞 | 仮定・推量・控えめな主張を表す |
a perfect work dog | 完璧な働く犬 | 補語(be動詞の後) | “work dog” は牧羊犬・作業犬などを意味する |
because of her high energy | 彼女の高いエネルギーのおかげで | 理由を示す前置詞句(文全体を修飾) | “because of” は名詞を伴う理由表現 |
「because of + 名詞」:
→ 意味:〜のために、〜が原因で
“because of” はフォーマルでもカジュアルでも使えるが、必ず名詞が後ろに来る。
※「because + 主語+動詞」と混同しないように注意
would be:
→ 「仮定(〜ならば)」や「予想」「丁寧な表現」で使われる。
日常会話への応用
– A : Did you go to the picnic?
(ピクニック行った?)
– B : No, it was canceled because of the rain.
(いや、雨のせいで中止になったよ。)


PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“The boy’s mother was Patricia Inman, the volunteer that had taken care of Ruby!”
(日本語訳)その少年の母親は、ルビーを世話していたボランティアのパトリシア・インマンだったのです!
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足説明 |
---|---|---|---|
The boy’s mother | 少年の母 | 主語 | 所有格 “boy’s” によって母の対象が明確化されている |
was Patricia Inman | パトリシア・インマンだった | 動詞句(be動詞) | 「〜である・だった」という状態を表す |
the volunteer | そのボランティア | 同格名詞句(Patricia Inman の説明) | “Patricia Inman = the volunteer” という関係 |
that had taken care of Ruby | ルビーの世話をしていた(人) | 関係代名詞節(形容詞節) | 「どんな volunteer か?」を説明、“who” に言い換え可、過去完了に注意 |
読解のポイント
① 同格構造の認識
- 「Patricia Inman(=そのボランティア)」という 同一人物 のことを、別の表現で説明しています。
- 日本語では「〜という〜」のように訳すと自然ですが、英語ではカンマでさらっと「=これです」と補足します。
② 関係代名詞 that
- 「that had taken care of Ruby」で volunteer を説明する制限用法の関係詞節。
- 人が先行詞でも that を使うのはカジュアルな文体や口語でよくあります(ここもそうです)。
- “who” に置き換えても意味は変わりません。
③過去完了 “had taken care”
- Ruby を世話していた時点は、現在の話(少年の命が助かった)のさらに前 のことです。そのため、過去完了(had + 過去分詞)が使われています。
- 「話の過去よりさらに前の過去」を示す文法です。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
ルビーは元気すぎて、何度も保護施設に戻され、処分されそうになりました。
しかし、あるボランティアのトレーナーが彼女の可能性を信じ、警察犬としての道を開きます。
新しいパートナーのダニエルと共に人々を救い、ついには行方不明の少年を助けます。
その少年は、かつてルビーを救った女性の息子でした。
ルビーの物語は、「もう一度のチャンス」の力を教えてくれます。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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