このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。
本日のAmazing Storiesのストーリーは「Discovering a Sunken City」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Discovering a Sunken City(失われた水中都市):和訳
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エジプトといえば有名なピラミッドを思い浮かべるでしょう。しかし、姿を消した謎のエジプトの都市のことを聞いたことはありますか?この伝説について、もう少し詳しく見ていきましょう。
トニス=ヘラクレイオンという都市は、約2700年前に築かれたといわれています。ナイル川が地中海に注ぐあたりに位置し、エジプトに商取引のために入ってくる人々や船を管理していました。ところが、その地域を地震が襲い、都市は沈みはじめました。その後も地震や津波が続き、西暦800年ごろまでにトニス=ヘラクレイオンは完全に水中へと姿を消しました。
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さらにその後の千年以上、都市は忘れ去られました。その名は古い文献の中にしか現れず、本当に存在したのか人々には分からなかったのです。
フランス人のフランク・ゴディオは、この都市は実在したと信じ、1990年代に捜索を始めました。やがて2000年、彼とチームは非常に古い建物の破片を発見しました。捜索を続けると、砂の下から石でできた顔が現れました。これはエジプトの神ハピの巨大な像(高さ5.4メートル)の一部で、ヘラクレイオンの神殿の前に立っていたと考えられています。ついにフランクたちは失われた都市を見つけたのです!
トニス=ヘラクレイオンは、エジプトの海岸からほぼ7キロ沖で見つかりました。水深はわずか約10メートルでした。フランクはこう語っています。
「この都市は砂と泥の下に埋もれていました。だから誰にも見つけられなかったのです。」
さらに、彼らはエジプトの支配者の巨大な像をもう二体、そしてスフィンクスの小さな像、指輪、コイン、カップなども発見しました。加えて、いかり、兜、香水瓶といったギリシャ由来の品も見つかり、トニス=ヘラクレイオンがギリシャと深く結びついていたことが分かりました。
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もう一つ非常に重要な発見は、文字の刻まれた高さ2メートルの石碑でした。これについてフランクはこう述べました。
「この品のおかげで、2000年にわたる謎が解けました。」
長い間、多くの人はトニスとヘラクレイオンを別々の都市だと考えていました。しかし研究者たちがその石碑の文字を他の類似の石碑と比べたところ、トニスはエジプト語名、ヘラクレイオンは同じ都市を指すギリシャ語名であることが判明しました。いま、この都市はトニス=ヘラクレイオンとして知られています。
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調査は続き、2021年にはチームが高価なギリシャの杯や皿、果物かごを発見しました。かごの中にはいまもブドウの種やその土地の果物が残っていました。研究者たちは、かごが良好な状態だったのは、おそらく地下の部屋に保管されていたからだと述べています。
フランク・ゴディオによれば、調査が進んだのはこの地域全体のわずか5%ほどにすぎません。今後さらに発見が進み、数千年前の人々の暮らしについてもっと多くのことが分かることを願いましょう。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
なくなる、姿を消す
地中海
像
海岸

チャンクPickUP
so people didn’t know if it was real.
(日本語訳)人々はそれが本物かどうか分からなかった。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
so | だから/その結果 | 因果の接続 | 前文の理由を受ける。文頭の so は会話で自然。フォーマルは Therefore でも可。 |
people | 人々は | 主語 | 漠然とした一般の人。「many people」「locals」などに置換可。 |
didn’t know | 知らなかった/分からなかった | 否定の過去述語 | do の過去否定+動詞原形。誤り “didn’t knew” に注意。 |
if | ~かどうか | 従属接続 | 条件の if ではなく「間接疑問」の if/whether。 |
it | それが | 代名詞 | 直前で話題になっている対象を指す。 |
was real | 本物だった/実在した | 述語(従属節) | “real” は「本物の/実在の」。物なら genuine、存在なら real/exist が自然。 |
didn’t know if~ は、「〜かどうかわからなかった」という情報の不確実さをやわらかく表す便利なチャンクです。上記の文ではifの後ろに代名詞が入っていますが、完全な文(詳しい情報)をおくことも可能です。その時の完全な文の形は、通常どおりの主語+動詞の形です。
日常会話への応用
– I don’t know if it’s real, so I’ll ask the staff.
(本当かどうか分からないから店員さんに聞いてみるね。)
– The locals didn’t know if it was real or just a rumor.
(地元の人も本当か噂か分からなかったって。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“They found out that Thonis was the Egyptian name and Heracleion was the Greek name for the same city.”
(日本語訳)彼らは「トニス」はエジプト語名で、「ヘラクレイオン」は同じ都市を指すギリシャ語名だと突き止めた。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
They found out that ~ | ~だと判明した/突き止めた | 事実発見の提示 | find out は調査・確認の末に「分かる」。単なる発見の find よりも「裏取り済み」の含みが強い。 |
Thonis was the Egyptian name | トニスはエジプト語名だった | that節①(命題A) | 固有名詞+the + 形容詞 + name の型。「エジプト語の名称」という定義づけ。 |
and | そして / かつ | 等位接続 | 命題Aと命題Bを対にして並列。 |
Heracleion was the Greek name | ヘラクレイオンはギリシャ語名だった | that節②(命題B) | 命題Aとの**並行構造(parallelism)**で読みやすい。 |
for the same city | 同じ都市に対して(の名前) | 前置詞句(後置修飾) | A と B が “同じ都市” の名称だと明示。A/B 両方に懸かる“後置の共通修飾”。 |
読解のポイント
「found out that」の語感:裏取り済みの“確定情報”を導く
この文の土台は They found out that … です。find out は「偶然見つけた」よりも「情報を集めて結論に到達した」というニュアンスが強く、後ろの that節 に“判明した事実”が来ます。学術的・報道的な文脈で、推測ではなく 検証の結果 を述べたいときに最適です。言い換えの found that でも意味は通りますが、found out の方が「突き止めた」感がはっきり出ます。
「for the same city」の懸かり先:前の二命題両方を束ねる
文末の for the same city は、直前の “the Greek name” だけでなく、二つの「name」全体を後置でまとめて修飾しています。つまり「エジプト語名とギリシャ語名は、同じ都市を指していた」と締めくくっており、A/B が別物ではないことを明確化します。日本語の「—で、—で、同じXの」という後置のまとめに近い感覚です。ここを “for the same city” としたことで、冗長な respectively などを使わずに、同一対象である点を簡潔に保証しています。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
約2700年前、トニス=ヘラクレイオンはナイル川が地中海に注ぐ場所に存在した。地震と津波で沈み、西暦800年までに失われ忘れられた。1990年代に潜水調査員フランク・ゴディオが捜索し、2000年に高さ5.4メートルの神ハピ像などの遺構を発見。都市は海岸から7キロ、深さ10メートルの海中にあった。発見物や石碑、ギリシャの品が都市の正体を示した。調査は続き、探査済みは約5%にすぎない。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
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先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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