このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「世界の偉人伝”Heroes and Giants”」です。日本を、世界を動かした偉人達。誰もが知るその偉業とちょっと意外なその素顔を英語で味わいましょう。
本日のHeroes and Giantsのストーリーは「Rachel Carson(レイチェル・カーソン)」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Rachel Carson(レイチェル・カーソン):和訳
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「かつてアメリカに小さな町がありました。その町では、あらゆる生き物が平和に共存していました。しかしある日、白い粉が雪のように町中に降り注ぎました。やがて植物も動物も昆虫も、みんな死に始めました。」
これは、ノンフィクション科学書『沈黙の春』の冒頭に書かれた物語です。「白い粉」とは農薬、つまり昆虫を殺すために使われる化学物質のことでした。この本の著者はレイチェル・カーソン、科学者であり作家でした。カーソンはこの本の中で、環境を守ることの大切さを書きました。本はベストセラーになり、それをきっかけに多くの人々が環境問題に関心を持つようになりました。彼女を「環境運動の母」と呼ぶ人もいます。これは、そんな彼女の物語です。
カーソンは1907年、アメリカの小さな町で生まれました。子どもの頃から文章を書くことと自然を愛していました。大学で動物について学んだ後、アメリカ政府でパートタイムとして働き始めました。海についてのラジオ番組のライターを務め、その才能はそこで大きく開花しました。科学ファンに限らず多くの人々が彼女の番組を好んでいました。1941年から1955年にかけて、カーソンは海に関する本を3冊執筆し、どれも大変な人気を博しました。
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そしてある日、1958年、カーソンは友人からの手紙を受け取りました。そこにはこう書かれていました。
「家の近くの鳥たちが死にかけています。DDTという農薬が、虫だけでなく鳥も殺しているのだと思います。」
カーソンはこの問題についてもっと知りたいと思いました。そこで海についての執筆を止め、DDTについて書くことを決意しました。彼女はこう考えました。
「私たちはこれらの化学物質についてあまりよく知らない。あらゆるものにDDTを散布すれば、植物・動物・そして人間にも問題を引き起こすかもしれない。」
4年以上にわたる研究の末、『沈黙の春』は1962年に出版されました。多くの人々がこれを読んで強い反応を示しました。カーソンに感謝する人もいれば、本を書いたことを嫌がる人もいました。
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特に大手化学会社の人々は激しく怒り、彼女について酷いことを言いました。しかしカーソンは止まりませんでした。こう訴え続けました。
「人間は自然の一部です。だから、自然を傷つければ、人間も傷つくことになります。」
カーソンは『沈黙の春』が出版されてからわずか2年後、がんで亡くなりました。しかし彼女の物語はそこで終わりません。この本がきっかけとなって行動に立ち上がった人々がおり、1972年以降、DDTはアメリカで販売できなくなりました。
今日、環境を守ることの大切さについて、私たちはほぼ毎日耳にしています。『沈黙の春』は1960年代に書かれた本ですが、カーソンの美しい文章と自然への愛は、今も世界中の人々にインスピレーションを与え続けています。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
殺虫剤
開花する
ジクロロジフェニルトリクロロエタン
(有機塩素系の農薬)
がん
チャンクPickUP
Because of her book, some people decided to take action.
(日本語訳)この本がきっかけとなって行動に立ち上がった人々がいました。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| some people decided | 一部の人々は決意した | 主節(S+V) | decideは「〜することを決意する」 |
| to take action | 行動を起こすことを | to不定詞・decidedの目的語 | take action=「行動を起こす・行動に移す」 |
“take action”は「行動を起こす・行動に移す」という意味。”do something”や”act”より「問題を認識したうえで意図的・積極的に対処のための行動を起こす」という決意・能動性のニュアンスが強い。“take action on〜”(〜について行動を起こす)・“take action against〜”(〜に対して対抗措置を取る)のように前置詞を続けて対象を明示することも可能。“take an action”とはしない点に注意(anをつけない)。
日常会話例
私は海外子会社を持つ企業に勤めており、家族と海外旅行を楽しむことも目標のひとつです。そのため例文は、職場でのビジネス場面と海外旅行中の場面を想定した4つを掲載しています。
ビジネス①
場面:海外子会社から品質問題の報告を受け、対応を指示するメール
We’ve identified the issue in the production line. We need to take action immediately to prevent further defects from reaching customers.
(製造ラインの問題を特定しました。これ以上の不良品が顧客に届かないよう、早急に行動を起こす必要があります。)
ビジネス②
場面:社内会議で環境負荷の高い業務プロセスの改善を提案する場面
Our carbon emissions have increased for the third year in a row. I think it’s time we took action on our supply chain practices.
(炭素排出量が3年連続で増加しています。サプライチェーンの慣行に対して行動を起こす時期だと思います。)
旅行①
場面:旅行先でトラブルに遭い、現地のスタッフに助けを求める場面
My bag was stolen at the station. I need to take action right away — can you help me contact the police?
(駅でバッグを盗まれてしまいました。すぐに動かないといけないので、警察への連絡を手伝ってもらえますか?)
旅行②
場面:観光地でゴミのポイ捨てを見かけ、子どもに環境について話す場面
We can all take action to protect places like this. Even small things, like picking up trash, make a big difference.
(こういう場所を守るために、みんなが行動できることがあるよ。ゴミを拾うような小さなことでも、大きな違いを生むんだ。)
PickUP長文読解
今回の一文
“Though Silent Spring was written in the 1960s, Carson’s beautiful writing and love for nature continue to inspire people around the world.”
(日本語訳)『沈黙の春』は1960年代に書かれた本ですが、カーソンの美しい文章と自然への愛は、今も世界中の人々にインスピレーションを与え続けています。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| Though | 〜であるけれども | 譲歩を示す接続詞 | althoughと同義・やや口語的 |
| Silent Spring was written | 『沈黙の春』は書かれた | 譲歩節(受け身) | was written=受け身(書かれた) |
| in the 1960s | 1960年代に | 時を示す前置詞句 | “in the 〜s”で「〜年代に」 |
| Carson’s beautiful writing and love for nature | カーソンの美しい文章と自然への愛が | 主節の主語(S) | andで二つの名詞句を並列 |
| continue to inspire | インスピレーションを与え続けている | 主節の動詞句(V+to不定詞) | continue to〜=「〜し続ける」 |
| people around the world | 世界中の人々に | 目的語(O) | around the world=「世界中の」 |
読解のポイント
「though」が示す「時代を超える価値」という逆説の構造
“Though Silent Spring was written in the 1960s”は「1960年代という遠い過去に書かれたにもかかわらず」という譲歩を示しています。thoughが導く節の内容(過去のこと)と主節の内容(現在も影響を与え続けている)が対照的な関係にあり、「古いのに今も通用する」という逆説的な力強さを一文で表現しています。though・although・even thoughはいずれも譲歩を示しますが、thoughはやや口語的でカジュアルな文章でも使いやすい表現です。
「in the 1960s」という年代表現の使い方
“in the 1960s”は「1960年代に」という意味です。英語で特定の年代を表すときは“in the 〜s”(〜年代に)という形を使い、必ず複数形のsをつけます(× in the 1960 / ○ in the 1960s)。”in the sixties”(60年代に)という言い方も一般的です。“in 1962”(1962年に)という特定の年との区別も重要で、年代はザックリとした時代感、特定の年はピンポイントの時間を示します。
「continue to〜」が表す「現在進行中の継続」
“continue to inspire people”の“continue to〜”(〜し続ける)は、過去から現在まで途切れることなく続いている行為・影響を示します。“keep〜ing”(〜し続ける)と似ていますが、“continue to〜”はよりフォーマルで、歴史的・文化的な影響の継続を述べるときによく使われます。この文では「60年代に書かれた本の影響が今も続いている」という事実を”continue to inspire”の一言が力強く示しており、カーソンの遺産の永続性を際立てています。
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
1907年生まれのレイチェル・カーソンは、著書『沈黙の春』で知られる科学者・作家です。友人の手紙でDDTによって鳥が死んでいることを知り、その影響を4年かけて研究しました。この本は大きな議論を呼び、環境運動に火をつけました。化学会社からの激しい反発にも屈せず信念を貫いた彼女は、出版のわずか2年後に亡くなりましたが、その功績がアメリカでのDDT禁止につながりました。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
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先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
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