エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(10/15)

水曜日:世界の偉人伝

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

10月度からは、これまでの内容と異なり、2021年4月に放送されたものの再放送になります。
毎週水曜日は「世界の偉人伝”Heroes and Giants”」です。日本を、世界を動かした偉人たちの誰もが知るその偉業を、ちょっと意外なその素顔を、英語で味わうことができます。

本日のHeroes and GiantsのストーリーはSaigo Takamori ~ A Gentle Hero ~です。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Saigo Takamori ~ A Gentle Hero ~(西郷隆盛 〜 やさしき英雄 〜):和訳

1ページ目

西郷隆盛は、明治時代の初めに徳川幕府を倒し新しい政府を作るために懸命に働いた侍だった。彼は力強く、思いやりがあり、いつも人を助けようとした指導者だったため、今日でもとても人気がある。
西郷は1827年、薩摩藩(現在の鹿児島県の一部)に生まれた。

2ページ目

彼の父は侍だったが、指導的立場ではなかった。西郷が13歳のとき大けがをし、武術の稽古ができなくなった。そこでその時間を勉強にあて、のちにそれが彼の助けとなった。彼は働き者で、薩摩藩主の島津斉彬に見いだされ、日本の政治体制を変える手助けをするよう選ばれた。しかし徳川幕府は変革を望まなかった。島津が急死すると、西郷は力を失い、二度も窮地に追い込まれた。
一度目は、薩摩の指導者たちが西郷を幕府の目から隠そうとして、彼を奄美大島へ送った。彼らは幕府と戦いたくなかったのだ。西郷は島の名家の女性と結婚した。奄美大島で2年を過ごしたのち、薩摩に戻ることができた。薩摩藩には経験豊かな人材が必要で、友人たちは西郷が役に立てると考えたからである。
しかし薩摩に戻ってわずか4か月で、西郷は藩主と対立してしまう。今度ははるか遠くの沖永良部島へ送られた。

3ページ目

島の状況は非常に厳しく、西郷は食べ物を手に入れるのにも苦労した。それでも彼は努力を続けた。島の有力者たちと親しくなり、新しい取り決めを作るのを手助けした。2年後、再び友人たちの助けで、故郷へ戻ることができた。
薩摩に戻ると、西郷は再び力を得て、薩摩藩と長州藩の提携を進めた。そして、誰一人傷つけることなく江戸城を無血開城させた。これは徳川幕府の終焉に大いに貢献した。戦わずに話し合いで事を収め、江戸に住む100万人の命を救ったとも言われている。西郷は幕府の重臣である勝海舟と話し合いをした。勝は「もし西郷と話していなかったら、事態は悪い結末になっていたかもしれない」と語っている。
今日、奄美大島に行けば、西郷をほめる多くの人に出会うだろう。タクシー運転手が「ほら、西郷さんはここに住んでいたんですよ」と教えてくれるかもしれない。あるいは沖永良部島に行けば、西郷を歌った民謡を耳にするかもしれない。
西郷はいつも人の話に耳を傾け、友人たちを助けた。だから彼が困ったときには、友人たちが彼を助けた。見知らぬ人にも友人にも向けられたその優しさこそが、西郷を偉大な指導者にしたのである。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

急死

〜を制した

地元の民謡

他人、よそ者

チャンクPickUP

He was a hard worker and was chosen by the leader of the Satsuma Domain, Shimazu Nariakira, to help change the system of government in Japan.
(日本語訳)彼は勤勉家で、薩摩藩の藩主・島津斉彬に選ばれ、日本の統治制度の改革を助けることになった。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
He彼は主語すでに文脈で誰かが分かっている前提
was a hard worker勤勉家だった叙述(状態)性質の描写。過去時制
andそして接続文を結ぶ
was chosen選ばれた受け身(受動態)「be chosen」で“選ばれる”。時制:過去
by the leader of the Satsuma Domain, Shimazu Nariakira,薩摩藩の藩主、島津斉彬によって施行者(by句)同格(人名をカンマで挿入)
to help手助けするために目的(不定詞)「to + 動詞原形」= 目的
change the system of government統治制度を変える動詞句(目的内容)help は「help (to) + 動詞原形」。to 省略可
in Japan日本で場所位置の補足

be chosen by + 人 + to + 動詞原形 は、「誰かに選ばれて、特定の目的で任命された」という意味を、一息で丁寧に言える表現です。ビジネスや公的な文脈にも馴染むフォーマル寄りのトーンです。「誰が」は重要でなければ省いて I was chosen to… と簡潔にできます。
to + 動詞原形 の部分を入れ替えることで多彩な表現が可能になります。たとえば to lead the project(プロジェクトを率いる)to represent the team(チームを代表する)to coordinate the event(イベントを統括する) など、任務のコア動詞を差し替えるだけで即応用できます。

日常会話への応用

I was chosen by our manager to lead the client meeting next week.
(来週の顧客ミーティングを仕切るよう、上司に任命されました。)

I’ve been chosen to coordinate the volunteer schedule.
(ボランティアのシフト調整役に選ばれています。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
“The first time, he was sent to Amami Oshima Island because the leaders of the Satsuma Domain wanted to hide Saigo from the Tokugawa Shogunate.”
(日本語訳)一度目は、薩摩藩の指導者たちが西郷を徳川幕府の目から隠そうとして、彼は奄美大島へ送られた。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
The first time,一度目は先行する出来事の提示(前置副詞句)物語の区切りを作る“見出し”的フレーズ。後ろにカンマで主節と区切る
he was sent彼は送られた述部(受動態・過去)be + 過去分詞。主語は被害・被処理側
to Amami Oshima Island奄美大島へ方向を示す句send 人 to 場所
because~なので/〜だから従属接続詞理由節を導く
the leaders of the Satsuma Domain薩摩藩の指導者たちが主語(理由節内)固有名詞+前置詞句で所属を表す
wanted to hide隠そうと望んだ/隠したかった述部(過去)+目的の不定詞want to + 動詞原形(意図)
Saigo西郷を目的語人名
from the Tokugawa Shogunate徳川幕府(から)前置詞句(起点・対象)hide A from B「AをBから隠す」

読解のポイント

前置された「節目ワード」で時間軸を整理する

The first time,出来事の“第1幕”を示す合図です。英語では物語や説明を区切るとき、The first time, / The second time, / In the end, / After that, などの時間・順序を示す副詞句を文頭に出し、カンマで主節と切るのが自然です。こうした句が来たら「ここから新しい段の始まり」と捉えて読むと、展開を追いやすくなります

受動態は「主語=被処理側」に視点を置く

he was sent は受動態で、「誰かが彼を送った」ではなく“彼が送られる”という事実に焦点が当たっています。主体(送った側)は because 節で明かされるため、主節は“結果(送られた)”を先に提示し、次に“理由(薩摩藩の指導者たちの意図)”を補う構図です。ニュースや歴史叙述では、結果→理由の順で情報を与えるために受動態がよく使われます。

「hide A from B」のコアイメージ

hide A from B は「B に見つからないように A を見えない/届かない場所に置く」。from は分離・遮断の前置詞なので、「B の到達圏から A を外す」感覚です。似た表現に protect A from B(BからAを守る)shield A from B(遮蔽する) があり、目的に応じて置換できます。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
西郷隆盛は、徳川幕府を終わらせ明治政府を築くために尽力した侍。1827年に薩摩に生まれ、けがを機に学問に励む。島津斉彬に抜擢されるが、奄美大島と沖永良部島に二度流され、そこで働き人望を得て帰還。薩摩と長州を結び、流血なく江戸城を開城させた。人々は彼を称え、耳を傾ける優しさが彼を尊敬される指導者にした。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
テキストには、毎日の英文スクリプトや語彙リストが掲載されており、学習効果を高めるのに非常に役立ちます。

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この記事を書いた人
ESEリスナー

学生時代から英語が苦手だった私ですが、NHK『Enjoy Simple English』とChatGPTを組み合わせたことで、英語学習がようやく「続けられるもの」になりました。
当ブログでは、AIのサポートを活かしながら、英語を“自分の言葉”として理解できるようになる過程を、学習者目線で丁寧にまとめています。
筆者の詳細が気になる方は、名前のリンクをクリックしてご覧ください。

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