エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(10/13)

月曜日:オリジナル・ショート・ストーリー

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

10月度からは、これまでの内容と異なり、2021年4月に放送されたものの再放送になります。
毎週月曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。英語で味わうたった5分のショート・ショート。見え隠れするのは喜怒哀楽の人間模様です。

今回のShort StoriesのストーリーはColoring Bookです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Coloring Book(絵画教室):和訳

1ページ目

Saki:ああ、西川さん、なんて素晴らしい青空!あなたの雲は本物みたいに見えるわ。山田さん、あなたの葉っぱもとてもいいわ!

Shingo:サキちゃん!次は僕の絵を見て!

Saki:(ため息)中川さん、このデッサン教室の間は私を「鈴木先生」と呼んでください!

Shingo:おっと!ごめん、でもずっとサキちゃんって呼んでたから!鈴木先生、僕の絵を見てくれますか?

Saki:もちろん。ええと……うーん……ダメね。

2ページ目

Shingo:えっ?ダメってどういうこと?どこが悪いの?

Saki:前にも言ったでしょ。鉛筆の線が太すぎて濃すぎるの。水彩で彩色するときは、最初に引いた鉛筆の線が見えない方がいいのよ。

Shingo:ああ、知らなかった。

Saki:もう!何度も言ってるでしょ。あなたの作品は水彩のための下描きに見えないの。まるで塗り絵よ。

Shingo:塗り絵?

Saki:やり直し。新しい紙を出して。

Shingo:わかった、わかった……でも、それで思い出したよ。

Saki:何を思い出したの?

Shingo:塗り絵のこと、覚えてない?サキちゃん?君はあのころからもうアーティストだったよ!

3ページ目

Saki:サキちゃんって呼ばないで!

Shingo:色鉛筆を100本以上も持ってたじゃないか!

Saki:ああ、そのことね。ええ、うちの両親はプロのイラストレーターだったから、いつも質のいい道具をくれたの。

Shingo:あんなふうに使いこなせるのは君だけだよ、サキちゃん。

Saki:ありがとう。

Shingo:君の塗り絵を家に持ち帰って、絵を真似して描こうとしたんだ。でも全然できなかった。僕は絵が下手だったんだ。

Saki:そんなに下手じゃなかったわよ。それに、ただの塗り絵だもの。

4ページ目

Shingo:ねえ、先月君が絵の教室を始めるって聞いて驚いたよ!それに、僕を誘ってくれてうれしかった!

Saki:じゃあもっとがんばってくれる?あなたの絵を見たら、私が下手な先生だと思われちゃうわよ。もうここに来て1か月なんだから、もっとできるはず!

Shingo:努力してるよ。やり方を見せてくれる?

Saki:(ため息)いいわ、よく見て。

Shingo:はい、鈴木先生!

Saki:問題は鉛筆のスケッチね。まず、鉛筆はペンじゃなくてナイフを持つ感じで握って。そうすれば線が濃くなりすぎないわ。いい?名前を書くんじゃなくて絵を描いているのよ。

Shingo:わかった。

Saki:次に、水彩絵の具を使うときはしっかり水で溶いて。まずは薄い色から塗り始めて、欲しい色になるまで絵の具を重ねていくの。

5ページ目

Shingo:わあ、本当にきれいに見える!

Saki:もちろんきれいに見えるわ。私は名教師だからね!さあ、あなたの番。

Shingo:よし。鉛筆をナイフみたいに持って、軽く描いて……。

(チャイムが鳴る)

Saki:はい、みなさん。今日はここまで!また来週会いましょう!

Shingo:サキちゃん……いや、鈴木先生!今の僕の絵、どう思う?

Saki:いい。

Shingo:よくなった?

Saki:そうね、新しい趣味を見つけた方がいいわ。

Shingo:サキちゃん!

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

(文字などの線が)太い

プロのイラストレーター

注意して

チャンクPickUP

No one else could use them like you, Saki-chan.
(日本語訳)ほかの誰にも、あなた(サキちゃん)のようにはそれらを使えなかった。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
No one elseほかの誰も主語“else”で「そのほかの」を強調し、排他的にする
couldできた/(当時は)できるはずだ助動詞(過去・可能/婉曲)断定を和らげる丁寧な可能の語感。現在一般なら can
use使う動詞(述語)他動詞。目的語が必須
themそれらを目的語先行詞は文脈上の複数名詞(例:色鉛筆)
like〜のように前置詞(比較)比較の基準を導く前置詞。口語的には自然
youあなた前置詞の目的語比較対象。「as you do」に置換するとややフォーマル
, Saki-chan(サキちゃん)呼びかけ(挿入句)呼格。前にカンマで文から切り離す(末尾の読点に相当)

No one else could … like you. は、「ほかの誰にも、あなたのようには…できない」という表現です。相手の独自性や腕前を強く持ち上げるときに使いやすく、褒め言葉として非常に自然です。また、人物だけでなく物や場所をほめる時にも、主語を No other / Nothing else / Nowhere else に替えることで自然に使うことができます。

ただNo one/No other/Nothing/Nowhere …は最上級の強さなので、ビジネス/初対面では quiteone of the … を入れて柔らげると上品です。また、言い過ぎに聞こえないように、後ろに具体例や理由(because …You always … など)を添えると説得力と温かみが増します

日常会話での応用表現

No one else can make me laugh like you do.
(君ほど僕を笑わせられる人はいない。)

No one else can brew coffee like you—perfect every time.
(君のコーヒーの味は他の誰にも出せない。毎回完璧。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
“People are going to think I’m a bad teacher if they look at your drawings.”
(日本語訳)あなたの絵を見られたら、みんな私のことを「できない先生」だと思うようになるよ。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
People人々は/みんな主語不特定多数を指す一般主語。代わりに others / they も可
are going to think~と思うようになるだろう述語(未来予測)be going to + 動詞:状況根拠に基づく見込み(will より「そうなりそう」感)
(that) I’m a bad teacher私がダメな先生だ(と)目的語節(内容節)think の中身that は口語で省略可/I’m は現在形=評価そのものの内容
if they look at your drawingsもし彼らがあなたの絵を見たら条件節if + 現在形(第一条件文)。主節に未来語法を置くのが英語の習慣
they彼らが代名詞(条件節の主語)前の People を受ける一般の人々
look at~を見る動詞+前置詞see より「意図して目を向ける」ニュアンス
your drawingsあなたの絵目的語複数形。具体的な「原因(見る対象)」を指す

読解のポイント

be going to は「兆候・根拠にもとづく予測」

主節の are going to think は、単なる未来ではなく「このままだとそう見なされそう」という見込みの強さを帯びます。will think でも文法的には正しいですが、話者の頭の中に「あなたの絵=原因 → 評判ダウン=結果」という筋道が見えている分、be going to の方が自然です。

内容節の現在形は「評価そのもの」の時制

(that) I’m a bad teacher I’m は現在形ですが、これは主節の未来と矛盾しません。think の「中身(命題)」を“その時点での評価”として提示しているだけなので、内容節は平叙の現在でOKです。英語の「未来の心的状態」+「内容節の現在」はよくある組み合わせです。

第一条件文:if + 現在, 主節は未来

if they look at…第一条件文(現実的条件)。英語では if 節側は現在形、主節側に be going to / will などの未来表現を置きます。日本語の発想で if they will look at とすると不自然になるので注意。条件は「見るという行為が生じること」ですから、現在形が使われます。

「印象管理」を表す定型:People are going to think…

この型は相手を直接非難せず、第三者の見え方を根拠に行動を促すやわらかい注意表現として便利です。ビジネスなら語気を弱めて People might think… / People could get the impression that…、あるいは受動で I’m going to be seen as a bad teacher… とすると角が立ちません。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
サキの絵画教室で、彼女は生徒をほめつつ、シンゴに「サキちゃん」ではなく「鈴木先生」と呼ぶよう求める。鉛筆の線が濃く太すぎて水彩向きではないとして、彼の絵を却下する。子どもの頃の塗り絵を思い出しながら、サキは両親がイラストレーターだったと話す。鉛筆はナイフのように持ち、軽く描き、絵の具はよく溶き、薄い色から始めると指導。チャイム後、出来を尋ねるシンゴに、彼女は冗談で「新しい趣味を見つけたほうがいい」と告げる。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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