このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。
本日のAmazing Storiesのストーリーは「A Warm Welcome」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

A Warm Welcome(温かい歓迎):和訳
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2001年9月11日、ニューヨーク市はハイジャックされた旅客機による攻撃を受けた。上空にいたおよそ4,000機の飛行機が米国内の都市に着陸できず、多くがカナダへ向かわざるをえなかった。「ガンダー」と呼ばれる小さな町は38機を受け入れた。疲れ切った乗客と乗員を温かく迎えたことで記憶されている。何が起きたのか見ていこう。
ガンダーはカナダ東部ニューファンドランド島にある町だ。人口は約1万人。2001年のこの日、地元の空港におよそ7,000人が降り立った。これほど多くの人々の世話をするのは容易ではないが、住民たちはできることは何でもしようと思った。まもなく学校や教会、コミュニティセンターが滞在施設に変えられた。自宅に乗客を泊めた人もいた。さらに多くの食料が寄付され、地元のスケートリンクが巨大な冷蔵庫として使われた。また、必要な薬がある人には薬局が無料で提供した。公衆電話も無料で使用できた。ある乗客は「すべてがとてもよく整っていた!」と語った。
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皆に食べ物と寝る場所が行き渡ると、地元の人たちは滞在を楽しんでもらえるよう気を配った。彼らは「飛行機の人たち」を町のツアーに連れ出し、ボウリング大会を開き、地元アーティストのコンサートも催した。また来訪者には名物料理のヘラジカのスープも味わってもらった。ある住民は「困っている人を助けるのはいつものことなんです。私たちは毎日そうしているだけ」と語った。数日後の9月13日には、飛行機は再び米国に着陸できるようになり、訪問者たちは帰り始めた。
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最後の1機は9月16日にガンダー空港を離陸した。出発する乗客の一人は「去りたくなかった。とても良い時間を過ごしていた」と言った。実のところ、ガンダーには行き場のない人々を助けてきた長い歴史がある。1970年代後半から1990年代初頭にかけて、東欧からの難民がガンダーに到着した。ホテルの収容人数を超えることもあり、その場合は学校や教会に泊まった。
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この経験は、9月11日に何千人もの人々が到着したとき、地元の人々の助けになったのだろう。9/11から20年以上が過ぎた今も、「飛行機の人たち」とガンダーの人々との深い絆は続いている。中には9/11の周年にガンダーを訪れる人もいる。また、ガンダー地域の学生の教育費を支援している人たちもいる。
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2013年には、ガンダーを題材にしたミュージカルが制作された。それはブロードウェイや世界各地で上演されている。現在も上演が続いている。「飛行機の人たち」がガンダーに滞在したのはわずか数日だったが、この温かいもてなしの物語は今後も長く語り継がれるだろう。

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
飛行機
planesも飛行機を意味する
乗客、旅客
住民
冷蔵庫
教育

チャンクPickUP
In addition to this, so much food was donated that a local ice rink was used as a giant refrigerator.
(日本語訳)これに加えて、あまりにも多くの食料が寄付されたため、地元のアイスリンクが巨大な冷蔵庫として使われました。
構成パーツの解説
パーツ | 品詞・構文 | 役割・意味 |
---|---|---|
In addition to this, | 前置詞句(導入句) | 「これに加えて」。文頭で前文に情報を“足す”合図。フォーマル寄り。 |
so much food | 程度表現 + 名詞(不可算) | 「とても多くの食料」。so muchは不可算名詞用(money, water など)。 |
was donated | 受動態(過去) | 「寄付された」。施策者不明・重要でないときに受動を使う。 |
that 〜 | 結果節(so … that 構文) | 「…なので、その結果〜」。程度→結果のつながり。 |
a local ice rink | 名詞句 | 「地元のアイスリンク」。 |
was used as 〜 | 受動態 + 前置詞 as | 「〜として使われた」。asは「役割・用途」を表す。 |
a giant refrigerator | 名詞句 | 「巨大な冷蔵庫」。比喩的な用途指定。 |
In addition to this, … は書き言葉よりで、前の内容に“もう一つ”情報を足すときに便利です。
口語では “In addition,” “Also,” “Plus,” “On top of that,” が自然。In addition to は本来「前置詞」なので 名詞/動名詞 を続けるのが基本(例:In addition to dessert, we ordered coffee.)。
文頭で「,」を忘れずに。
so much/many … that 〜 は「とても…なので〜」という結果を述べる型。不可算は so much, 可算複数は so many。so very や such … that(名詞全体を強調)とも置換可能。
例:such a lot of food was donated that …(口語)。
used as + 名詞 は「役割として実際に使う」。used like は「〜のように扱う」の比喩寄りで、厳密な用途指定には as を使うのが安全。
日常会話への応用
– In addition to working full-time, she volunteers on weekends.
(フルタイムに加えて、彼女は週末ボランティアもしている。)
– We used my phone as a hotspot.
(携帯をテザリング用に使った。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Taking care of all these people would not be easy, but the residents wanted to do everything they could.”
(日本語訳)これだけ多くの人たちの世話をするのは簡単ではないだろう。だが住民たちは、できることは何でもやりたいと思っていた。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 文法・機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Taking care of ~ | 〜の世話をすること | 動名詞句(名詞化) | take care of + 人/物 の定番コロケーション。主語位置で名詞化(-ing)。 |
all these people | これだけの人々 | 限定詞の重ね(all + these + 複数名詞) | all が量の広がり、these が近接(ここにいる)を示す。 |
would not be easy | 容易ではないだろう | would による仮定的評価 | “今この状況で”を前提に「見込み・推量」。控えめ断定。 |
but | しかし | 等位接続詞 | 前半(困難)と後半(意思)を対比。 |
the residents | 住民たち | 名詞句(主語) | 町の人々。 |
wanted to do | 〜したいと思った | 動詞+不定詞 | want to V(欲求)。過去時制。 |
everything (that) they could | 彼らにできることは何でも | 関係節(that省略)+省略 | everything they could (do):do が省略された目的語ギャップの関係節。 |
読解のポイント
主語が「動名詞句」——行為そのものを“物”として扱う
文頭の Taking care of … は -ing で名詞化された行為。ここをいったん「塊」で捉えると骨格が見えます:[Taking care of all these people] would not be easy。
不定詞(To take care of …)でも意味は通りますが、-ing は「現に直面している継続的な作業感」を出すのに向きます。
everything (that) they could (do) の省略を見破る
everything を先行詞とする関係節です。完全形は everything that they could do。
英語ではthat も do も文脈で省略されがち。could のあとに目的語が欠けているのは、先行詞 everything がそこに“はまり込む”から(=目的語ギャップ)。
→ 「彼らにできる(ことは)何でも」という意味。
読みやすくする“段落読み”
この文は [主語(長い)] + would not be easy / but + 主語 + wanted to do … の二段。
第1段:Taking care … would not be easy(評価)
第2段:but the residents wanted …(意思)
カンマや接続詞で意味の段落に分けて追うと、負荷が減ります。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
9.11の直後、約4,000機の飛行機が米国の空域に入れず、そのうち38機がカナダのニューファンドランド島ガンダーに着陸し、約7,000人が到着した。住民は学校や教会や自宅をすぐに避難所に変え、食料を寄付してスケートリンクを巨大な冷蔵庫として使い、薬や電話も無料で提供した。町のツアーやコンサート、ヘラジカのスープでもてなし、再開後も去りたくない乗客がいた。絆は続き、2013年のミュージカルや継続的支援へとつながった。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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