エンジョイ・シンプル・イングリッシュ和訳＆解説（6/19）

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、

本文和訳
チャンク＆単語解説
英語での要約

を毎日更新しています。

毎週木曜日は「哲学者からの答え”Answers from Philosophers”」です。現代人のお悩みを解決するヒントを偉大な哲学者たちの言葉から学びます。リスナーのお悩み相談を受けるラジオパーソナリティという設定のストーリーなので、わかりやすく楽しいお話しになっています！

本日のAnswers from Philosophersのストーリーは「I Can’t Stop Using My Phone」です。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク＆単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう！

I Can’t Stop Using My Phone（寝る前のスマホがやめられない）：和訳
日常生活で使えるチャンク＆単語解説
本日の記事の要約
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
ESEの放送について

I Can’t Stop Using My Phone（寝る前のスマホがやめられない）：和訳

1ページ目

Tom：『哲学者からの答え』へようこそ！哲学の専門家ショウヘイと私トムが、あなたの悩みに答えます。

Shohei：その通りです。そして今日は、ガクからのメッセージを紹介します。

Gaku：トムとショウヘイ、こんにちは。僕の悩みにいい答えをもらえたらうれしいです。僕は40代なんですが、夜にスマホを手放せません。天気をチェックしようとスマホをつけたら、気づいたら面白い動画を午前2時まで見てるんです！どうすればこの習慣をやめられますか？

2ページ目

Tom：僕も知りたいよ、ショウヘイ。夜スマホがやめられない日があるんだ。朝起きたら、手にはスマホがある。ずっと眠いんだ。

Shohei：そうですね。19世紀のイギリスの哲学者がその答えを持っています。ジョン・スチュアート・ミルは、より高いレベルの快楽を経験した人は、低レベルの快楽を選ばなくなると言いました。

Tom：快楽にもレベルがあるんですか？

Shohei：はい。ミルは快楽の「質」が重要だと考えました。

Tom：例を出してもらえますか？

Shohei：「僕の」快楽です。長時間オンライン動画を観ると楽しいと感じますよね。この感覚は手軽に得られるので、やめられなくなります。これが「低レベルの快楽」です。

Tom：じゃあ、高レベルの快楽って？

3ページ目

Shohei：例えば、あなたがプレゼンの準備をする必要があるとしましょう。友達と遊びに行かず、その時間をプレゼン準備に使います。そしてプレゼンが成功したときの幸福感は、得るのが難しいものです。人間は、自分をコントロールしてこの「高レベルの快楽」を選ぶことができます。ブタのような動物は、目の前の食べ物を全部食べるような「低レベルの快楽」だけを選びます。

Tom：つまり、自己コントロールが必要ってことですね。高レベルの快楽を得るには難しいけど、達成できたときにはより満足感と自信が得られるんですね。

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Shohei：そう、そう言えます。

Tom：ミルの言ってることは分かりました。でも、ガクが低レベルの快楽を選ばなくなるには、どうすればいいんでしょう？

Shohei：いい質問ですね。難しいことですが、一度ガクが高レベルの快楽を経験すれば、自分を誇りに思えるようになります。そして自分を尊敬できるようになります。

Tom：なるほど。僕たちみんな、自分を誇りに思って尊敬したいですよね。でもガクがスマホで成功体験を持っていない場合は、どうすればいいんですか？

5ページ目

Shohei：どんな成功体験でもいいんです。例えば、早く寝て、朝に運動するんです。そして実際に運動すれば、気分がとても良くなりますよ。

Tom：ああ！僕が飲酒をやめて、翌日に頭痛が起きないようにしたときみたいですね。あのときは自分を誇らしく思いました。

Shohei：その通り、トム！

Tom：ガク、答えが見つかりましたよ！簡単な幸せを選ばずにいれば、より良い自分になれます。

Shohei：自分を誇れるような選択をしましょう！

Tom：バイバイ！

日常生活で使えるチャンク＆単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク（言葉のひとまとまり）や単語の解説をします。

チャンク＆単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください！

I’m in my 40’s

私は40代です

habit

癖、習慣

pleasure

喜び、快楽

Let’s say ~

仮に〜だとしましょう。

prepare

準備する

achieve ~

（目標など）を達成する

ourselves

私たち自身

satisfaction

満足（感）

チャンクPickUP

And then before I know it, I’m watching funny videos until 2:00 a.m.!
（日本語訳）気づいたら面白い動画を午前2時まで見てるんです！

構成パーツの解説

パーツ	意味	機能	補足
And then	それから／そのあとに	接続句	前の出来事のあとに起こる次の展開を導く。口語で非常に一般的。
before I know it	気づく前に／あっという間に	副詞節	知覚動詞「know」を用いた慣用句。思っていたよりも早く何かが起こる時に使う。
I’m watching funny videos	面白い動画を見ている	主節	主語＋be動詞＋現在分詞で進行形。今まさに行っていること。
until 2:00 a.m.	午前2時まで	時間を示す副詞句	動画を見続ける時間の終わりを示す。

And then before I know it, は、「それから、気がつくと〜している」「知らないうちに〜してしまう」という意味で、自分ではそんなつもりじゃなかったのに、いつの間にか…というニュアンスを表現できます。
少しくだけた口語的な響きがあり、日常会話でよく使われます。

現在形（before I know it）と過去形（before I knew it）の違いに注意が必要で、
→現在形は「今まさにそういう習慣になっている」とき
→過去形は「その時、気づいたらこうなっていた」と過去の事実を語る時
に使います。
会話やカジュアルな文章で用いられ、フォーマルな文書ではやや避けられます。

日常会話での応用表現

– She started talking, and before I knew it, the class was over.
（彼女が話し始めて、気づいたら授業が終わってた。）

– I check one message, and then before I know it, I’m scrolling for hours.
（一通メッセージを見ただけなのに、気がつくと何時間もスクロールしてる。）

チャンクPickUP-2

John Stuart Mill said that people who have experienced a high-level pleasure will not choose a low-level pleasure.
（日本語訳）ジョン・スチュアート・ミルは、より高いレベルの快楽を経験した人は、低レベルの快楽を選ばなくなると言いました。

構成パーツの解説

パーツ	意味	機能	補足
John Stuart Mill said	ジョン・スチュアート・ミルは言った	主節（主語＋動詞）	Millは19世紀の哲学者で、「said」は過去形で主節の動詞。
that	～ということ	接続詞（that節を導く）	「say that〜」で「〜と言った」という意味。thatは省略可。
people who have experienced a high-level pleasure	高度な快楽を経験した人々	that節内の主語＋関係代名詞節	「who」が先行詞peopleを説明。「have experienced」は現在完了。
will not choose a low-level pleasure	低レベルの快楽を選ばないだろう	that節内の述部	未来形「will」を用いた予測や一般論の主張。

said taht ~ は、〜と言ったという意味です。
先週紹介した、情報源、発言者を示す表現の中で、似た表現（It is said taht ~）があったので、それとの違いについてここではお伝えしておきます。

表現	形式	意味	用法・注意点
[主語] said that 〜	能動態・過去形	「〜と言った」	発言者（例: Mill）が明示されており、直接的な引用。
It is said that 〜	受動態・現在形	「〜だと言われている」	発言者が明確でない、または一般的なうわさ・伝承などを表すときに使う。

“Mill said that…” は直接的な引用（ミル本人の発言）
“It is said that…” は発言者が不明／一般的な伝聞表現
つまり、両者は似ていても文法的には異なり、「be動詞の有無」で判断可能です。

日常会話での応用表現

– He said that he can’t come to the party tonight.
（彼、今夜のパーティーには来られないって言ってたよ。）

– Jack said that he’d help us move this weekend.
（ジャックが今週末、引っ越しを手伝ってくれるって。）

関係代名詞の文章をPickUP

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう！

今回の一文
“Make choices that will make you proud of yourself!”
（日本語訳）自分を誇りに思えるような選択をしよう！

構成パーツの解説

✅ 使用されている関係代名詞： that

パーツ	品詞・文法的役割	意味	補足
Make	動詞（命令形）	～をしなさい	主語「You」が省略された命令文
choices	名詞（目的語）	選択、選択肢	「make choices」で「選択をする」
that	関係代名詞（目的格）	～するような	「choices」を修飾する関係代名詞節を導く
will make you proud of yourself	動詞句（関係代名詞節）	あなたを誇らしくさせる	make + 人 + 形容詞（SVOCの構文）

今回の関係代名詞thatは目的格の関係代名詞です。
前の名詞choicesを説明しており、関係代名詞節の目的語（つまり「あなたを誇らしくさせる〇〇」の〇〇）にthat（= choices）が入ります。
通常、関係代名詞が目的格の場合、省略できることも多いですが、今回は強調のため、省略せずに使われています。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください！

Summary：
Gaku asks how to stop using his phone late at night. Shohei and Tom discuss philosopher John Stuart Mill’s idea of high-level and low-level pleasures. Watching funny videos is easy but low-level, while preparing for a presentation is harder but more meaningful. They advise Gaku to choose actions that make him proud. Even small successes can help him gain confidence and stop bad habits.

要約日本語訳：
ガクは夜遅くまでスマホを使うのをやめたいと相談します。ショウヘイとトムは、哲学者ミルの「高レベルと低レベルの快楽」の考えを紹介。面白い動画は手軽な低レベルの快楽、一方で発表の準備などは難しいけれど誇れる高レベルの快楽です。小さな成功でも自信がつき、悪習慣を断ち切る助けになるとアドバイスします。