このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週木曜日は「哲学者からの答え”Answers from Philosophers”」です。現代人のお悩みを解決するヒントを偉大な哲学者たちの言葉から学びます。リスナーのお悩み相談を受けるラジオパーソナリティという設定のストーリーなので、わかりやすく楽しいお話しになっています!
本日のAnswers from Philosophersのストーリーは「I Am Afraid of Dying」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

I Am Afraid of Dying(死ぬのが怖い):和訳
1ページ目
Tom:『哲学者の答え』のリスナーのみなさん、こんにちは!トムです、そして…
Shohei:小林ショウヘイです。あなたの悩みに答えを見つけるお手伝いをします。今日は大学生のヒロコさんからメッセージを受け取りました。
Hiroko:こんにちは。私は若いのですが、病気になったり事故にあったりすると、「もし私が死んだら?」と考えてしまいます。死が怖いんです。このことを友だちには話せない気がして、だからこそお二人に相談します。どうしたら死の恐怖を乗り越えられますか?
Tom:誰でも人生のどこかで、死ぬことを怖いと感じたことがあるはずです。特に若いころは、私たちは死に慣れていません。死が何なのか分からないので、余計に怖くなるのです。
Shohei:そのとおりだね、トム。だから今日はソクラテスについて話したいんだ。
2ページ目
Tom:わかった。
Shohei:彼はギリシャの哲学者で、こう言うと思います。「実際に一度も死んだことがないのに、どうして死ぬのを怖がれるのか?」
Tom:なるほど。
Shohei:ソクラテス自身は一冊も本を書きませんでしたが、彼の弟子たちが彼について書き残しました。その本の一つで、ソクラテスは「哲学者は死を恐れない」と述べています。
Tom:本当?なぜ?
Shohei:いいですか、ソクラテスは「よく生きるとは何か」を本気で考えました。彼は、お金や権力から得られる幸福は真の幸福ではないと考えたのです。
3ページ目
Tom:もう少し説明してくれる?
Shohei:彼は、よい人生とは誠実さと知恵、そして魂を大切にすることだと考えました。何が善で、何が美しく、何が正しいのかを考えるべきだ、と。
Tom:では、真の幸福とは?
Shohei:この世界の真なるものを知恵によって見いだし、私たちの人生の質を高めようと努めることです。
4ページ目
Tom:それと「哲学者が死を怖れないこと」はどうつながるの?
Shohei:ソクラテスは、哲学者は生きているあいだに“死の練習”をしているのだと言いました。
Tom:どうやって?
Shohei:彼は、人が死ぬと肉体は消えるが魂は生き続ける、と信じていました。魂をよりよくすることに集中し、富や権力について考えない哲学者は、ある意味で死を体験しているのです。
5ページ目
Tom:つまり哲学者は、生きているときでさえ体よりも魂のほうを大切にしている、ということだね。だから、肉体はもう重要ではなくなる——それは死んでいるのに似ている。哲学者は、ある意味すでに「死んでいる」と。
Shohei:そう!だから彼は、死は怖くないと言ったんだ。
Tom:ああ、ヒロコさん、答えが見つかったよ!よい人生を生きるよう努めれば、よい魂を持てる。そうすれば死への恐れは小さくなるよ。
Shohei:真理についてもっと考えよう。知恵を愛する人になってください。
Tom:次回も聞いてね!それでは、バイ!
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
恐れ、恐怖
〜をよく知っている
正直、誠実
知恵
富、財産
チャンクPickUP
So, how is that connected to philosophers not being afraid of dying?
(日本語訳)それで、そのことは「哲学者が死を恐れないこと」とどうつながるのですか?
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
So, | それで/では | 話題転換・要約の合図 | 会話の「つなぎ」。ややカジュアル。書き言葉で堅くするなら Therefore, は可だが口語では重い。 |
how is that connected to ~? | それは~とどう関係していますか? | 関連性の質問(原因・論理の橋渡しを求める) | 覚えるべきコア表現。that は前の発言・事実を指す。connected to の前置詞に注意。 |
philosophers not being afraid of dying | 哲学者が死を恐れないこと | 名詞化(動名詞句) | 「人+not being ~」で「~でないこと」を名詞化。of dying は「死ぬことに対して」。 |
How is that connected to ~? は、相手の説明を受けて、「いまの話」と「最初の論点(~)」の関係を確認したいときの万能フレーズです。会議・授業・ガイドツアー・雑談まで幅広く使えます。直訳の“connected”には物理的にも概念的にも「つながる」の両義があり、学術・ビジネスでも自然です。
前置詞:connected to / connected with のどちらも可。北米口語は to がやや優勢。
日常会話での応用表現
– How is that connected to your back pain?
(それはあなたの腰痛とどう関係があるのですか?)
– How is that castle connected to the development of this region?
(その城は、この地域の発展とどのように関係しているのですか。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Philosophers who focus on making the soul better and don’t think about wealth or power, are, in a way, experiencing death.”
(日本語訳)魂をより良くすることに専心し、富や権力について考えない哲学者は、ある意味で「死」を体験している。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Philosophers who … | …する哲学者(たち)は | 主語+制限用法の関係代名詞 | who 以下が「どんな哲学者か」を限定。複数主語なので後続の動詞は are。 |
focus on making the soul better | 魂をより良くすることに集中する | 動詞+前置詞+動名詞 | focus on + V-ing。make O better は「Oをより良くする」。 |
and don’t think about wealth or power | そして富や権力について考えない | 並列する動詞句(否定) | think about の目的語が wealth or power。語のレベルは抽象名詞で対概念。 |
are … experiencing death | …「死」を体験している | 述語(現在進行形) | 習慣的・継続的な実践を進行形で強調。一般論でも “are V-ing” は「実践中」の含みを出すことがある。 |
in a way | ある意味で/一種 | 評価・メタ表現(挿入句) | 前後を , in a way, とカンマで挟むのが自然。断定を和らげる緩衝語(hedge)。 |
読解のポイント
関係代名詞の“限定”で主語を絞る
文頭の Philosophers who … は、哲学者全般ではなく「who 以下の条件を満たす」特定の群を主語にしています。ここでは「魂の向上に集中し、富や権力を考えない」タイプを指すため、述語の評価(are … experiencing death)もその限定された集団にだけ当てはまります。カンマのない who は「限定用法」と覚えましょう。文脈に相性がよい表現です。
focus on + V-ing:名詞化で“目標”を一塊に
一般論でも are experiencing のような現在進行形を使うと、「(今まさに)実践している/遂行している」というニュアンスが立ちます。哲学者の生き方を“行為としての継続”として描き、比喩的な experiencing death(死の練習・疑似体験)を鮮やかにします。単純現在 experience よりも過程性が強調されます。
in a way:断定を避ける“やわらげ”
in a way は「ある意味では」と読み、強い比喩や大胆な主張をやんわり提示します。位置は挿入句扱いで , in a way, とカンマで両側を囲むのが最も自然です。文章にカンマが多くて読みづらい時は、, in a way, をまるっと取り除いて、文の骨格を確認するのもありです。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
リスナーのヒロコは死を恐れている。トムとショウヘイはソクラテスを取り上げる。ソクラテスは「実際に死んだことがないのに、なぜ死を恐れるのか」と問うて、真の幸福は金や権力ではなく、誠実さ・知恵・魂を大切にすることだと説いた。哲学者は真理を求め、身体より魂を重んじて生きながら「死の練習」をする。ゆえに、よく生きれば良い魂となり、死への恐れは小さくなる。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
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先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
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ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
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