エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(5月21日)

水曜日:アメージング・ストーリー

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、

  • 日本語訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。

本日のAmazing StoriesのストーリーはLost in the Skyです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

本日のストーリー:日本語訳

1ページ目

パラグライダーという言葉を聞くと、晴れた日に空をのんびり飛んでいる人を思い浮かべるかもしれません。でも、もし突然嵐に巻き込まれたらどうしますか? 実際にそれを経験した人がいます。彼女の話を聞いてみましょう。

2007年2月、ドイツ人パラグライダーのエヴァ・ヴィスニエルスカは、オーストラリアで開催されたパラグライディング世界選手権に参加するために訪れていました。パラグライダー歴はわずか4年ほどでしたが、その才能により多くの大会で優勝していました。選手権の前週、彼女はトレーニングの一環としてレースに参加しました。

その日は空がほぼ晴れており、エヴァは飛び立ちました。しばらくの間はすべて順調でした。ところが、その後…

2ページ目

彼女の前方の遠くに、いくつかの嵐の雲がゆっくりと集まっていくのが見えました。それはとても危険なことでした。なぜなら、雲が合体して非常に大きく、強力な嵐の雲になってしまう可能性があったからです。エヴァはこう思いました。

「この嵐の雲から離れた方がいいわ。」

3ページ目

しかし、もう遅すぎました。新しい大きな嵐の雲が彼女を飲み込み、どんどん高く引き上げていったのです。エヴァは降下するための緊急テクニックを使おうとしましたが、うまくいきませんでした。

実は、彼女の他にも2人のパラグライダーが同じ嵐の雲の中にいました。1人は脱出に成功しましたが、もう1人の中国人男性は雷に打たれてしまい、残念ながら命を落としてしまいました。

雲の中は非常に気温が低く、小さな氷の粒がエヴァの周りを飛び交っていました。彼女の周囲では雷があちこちで鳴り響いていました。エヴァは無線でコーチに連絡を取り、こう言いました。

「今、私は大きな嵐の雲の中にいます。どうすることもできません。」

4ページ目

エヴァは疲れており、空気はどんどん薄くなっていきました。やがて彼女は意識を失いましたが、それでも上昇し続けました。GPSによれば、彼女は9,947メートルの高さまで上昇していました。それは飛行機が飛ぶ高さに近い場所です。気温はマイナス50度。普通の人間なら、とても生きていけない環境です。

しかし約40分後、エヴァは目を覚ましました。そのとき彼女は6,900メートルの高さにいました。依然として非常に危険な高度です。通常、パラグライダーは3,000メートル以上にはあまり上がりません。

エヴァは弱っており、パラグライダーも氷で覆われていましたが、それでも降下しなければなりませんでした。彼女は残った力をふりしぼって、パラグライダーを操縦しようとしました。

5ページ目

「地球が見えたとき、それは人生で最も美しい瞬間だったわ。」

約45分後、彼女は無事に着陸しました。病院に運ばれましたが、幸いにも大きなけがはありませんでした。彼女のコーチや医師たちは、あれほどの高さに上がって生還したことが信じられませんでした。それはまるで奇跡のようでした。

この事故のわずか6日後、エヴァは再びパラグライダーを飛ばしました。短いフライトでしたが、彼女は再び空を飛ぶことができたのです。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

つかまった(catchの過去形及び過去分詞形)

〜に参加する

 生まれもった才能

大部分は

2、3の〜

非常事態の措置

稲妻、雷

生き残る

より薄い

着地する

ひどく

度(温度など)

チャンクPickUP

There’s nothing I can do.
(日本語訳) 私にできることは何もない

構成パーツの解説

パート意味解説
There is~がある存在を表す表現。「~がある/いる」
nothing何も~ないもの否定の意味を持つ不定代名詞。「something(何か)」の逆
I can do私ができる主語+助動詞+動詞の基本構造

→「私ができる“何か”は存在しない」=私にできることは何もない

このチャンクは 困っているとき/限界を感じたとき に自然に出てくる表現です。
・誰かを助けたいけれど手が出せないとき
・自分ではどうにもならない状況にいるとき

応用表現

このチャンクは言葉を入れ替えることで、いろいろ応用が利きます。

There’s nothing you can say.(君に言えることは何もないよ)

There’s nothing he can fix.(彼に直せるものは何もない)

There’s nothing you can do about the weather.(天気について君にできることは何もない=仕方ないよ)

  • 「There is/are + 何か + 主語 + 動詞」は英語で非常に基本的で汎用性が高い構文です。
  • 「nothing / something / anything」は置き換えるだけで多様な表現が可能になる単語群です。
  • 本日のストーリーのように「極限の中で無力さを感じる」場面だけでなく、仕事・勉強・人間関係など、さまざまな文脈で活用できます。

チャンクPickUP-2

She used the last of her power to get down.
(日本語訳) 彼女は降下するために、残された力をすべて使った。

構成パーツの解説

部分意味解説
She used彼女は使った主語+動詞。シンプルな過去形。
the last of her power彼女の力の最後の部分「the + 最上級 + of + 所有格」の定型パターン。意味は「〜の残りすべて」や「〜の最後」
to get down降りるために不定詞で「目的」を表す。「〜するために」

“the last of ○○” の ○○ 部分を入れ替えるだけで、様々なシチュエーションに対応可能。「最後まで~を使う」「限界まで~を耐える」というような感情的・行動的なピークの描写に使える。

応用表現

このチャンクは言葉を入れ替えることで、いろいろ応用が利きます。

I used the last of my money to buy the ticket.(チケットを買うために、残りの金を全部使った。)

They ate the last of their food.(彼らは食料の残りをすべて食べた。)

He tested the last of her patience.(彼は彼女の我慢の限界を試した。)

関係代名詞の文章をPickUP

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文

“The other, a man from China, was struck by lightning.”

(日本語訳)もう1人の中国人男性は雷に打たれた。

構成パーツの解説

→ 実はこの文も関係代名詞は省略された形で、もともとの完全な構文は以下のように考えられます:

The other, who was a man from China, was struck by lightning.

このように、「who」が省略されて名詞が挿入された形になっています。ネイティブがよく使う口語や簡潔な文での典型的なスタイルです。

この構文は「挿入名詞句」と呼ばれる形で、関係代名詞を使った修飾を省略し、名詞だけで説明を加えるスタイルです。これにより文が自然に、そして流れるようになります。

🔍 応用表現

  • The woman, a nurse, helped him.
     →(= The woman, who was a nurse, helped him.)
  • My brother, a high school teacher, lives in Kyoto.
     →(= My brother, who is a high school teacher, lives in Kyoto.)

明示された関係代名詞(that / who / whichなど)だけでなく、省略された関係代名詞も見抜けるようになると、読解力が一気に上がります。

特に今回のような同格や説明的挿入句の扱いを知っておくと、英語の理解が深まります。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
2007年、ドイツ人パラグライダーのエヴァ・ヴィスニエルスカは、世界選手権に向けたトレーニング中にオーストラリアで強力な嵐に巻き込まれました。彼女は嵐によって高度およそ1万メートルまで引き上げられ、意識を失い、氷点下の気温と雷に囲まれました。しかし、彼女は奇跡的に意識を取り戻し、無事に降下して生還しました。驚くべきことに、そのわずか6日後には再びパラグライダーを飛ばしたのです。彼女の生還は、コーチや医師たちから「奇跡」と評されました。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

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