このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。
本日のAmazing Storiesのストーリーは「The Horse Doctor」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

The Horse Doctor(「馬」のお医者さん):和訳
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病院の廊下を、一頭の馬が歩いています。
突然立ち止まり、ある部屋に入って、とても重い病気の患者に近づきます。
病院に馬がいるなんて、一体どういうことなのでしょうか?この驚くべき馬についてもっと知ってみましょう。
ペイヨはセラピーホースです。彼は人々の気分を良くするので、「ペイヨ先生(Dr. Peyo)」と呼ばれることもあります。
フランス北部のこの病院で、ペイヨと彼のトレーナーであるハッサン・ブシャクールは、ほぼ毎日患者を訪れています。
ペイヨは訪れたい患者を選ぶとき、立ち止まったり足を上げたりします。
ハッサンはこう言います。
「私はペイヨと一緒に部屋に入りますが、何をするか決めるのは彼です。」
ペイヨが部屋に入ると、患者に近づいて、そっと鼻を近づけます。まるで話しかけているかのようです。
患者たちはたいていペイヨに触れます。泣く人もいれば、微笑む人もいます。
この病院の患者たちはとても重い病気を抱えていて、強い痛み止めを服用しています。
ペイヨが訪れた後、痛みが和らぐこともあります。よく眠れるようになったり、薬を減らせる人もいます。
ある時、歩けなかった患者がペイヨのおかげで歩こうとしたこともありました!
科学者たちは今、ペイヨにこうした力がある理由を調べようとしています。
2ページ目
病院には多くの病気の人がいるため、ハッサンはペイヨを清潔に保つことにとても気をつけています。
毎回の訪問前に、ハッサンはペイヨの手入れに約2時間をかけます。
病院で働く前、ペイヨとハッサンは馬のショーに参加していました。
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ハッサンは、毎回のショーの後、ペイヨが観客の中から誰かを選び、その人のそばにずっといることに気づきました。
ハッサンにはなぜペイヨがそんな行動をとるのかわかりませんでしたが、やがて、ペイヨは病気の人を選んでいるのではないかと思うようになりました。
もしかすると、誰かが助けを必要としていることを感じ取っていたのかもしれません。
ペイヨの特別な能力についてもっと知ったあと、ハッサンはショーをやめ、ペイヨと一緒に人々を助ける道を選びました。
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ペイヨの特別な力は、特に患者が人生の終わりに近づいているときに役立ちます。
ペイヨは何が起きているのかを理解しているようで、その人のそばに寄り添い続けます。
ペイヨは、人生の最期の瞬間に喜びと安らぎをもたらしてくれます。
ペイヨとハッサンは患者のために病院を訪れるだけでなく、病院のスタッフも助けています。
ある看護師はこう語っています。
「ハッサンとペイヨは私たちチームの一員です。彼らは患者にとって良いだけでなく、私たちにとっても良い存在です。彼らがここにいてくれて嬉しいです。」
2016年から、ペイヨとハッサンは1,000人以上の患者を助けてきました。
ハッサンはこう語ります。
「人生の終わりを迎えようとしている人のケアをし、『大丈夫、安心して旅立って。あなたは忘れられないよ』と伝えるのは、特別な体験です。」

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
廊下
患者

チャンクPickUP
Peyo chooses the patient he’d like to visit by stopping or raising a leg.
(日本語訳)ペイヨは、立ち止まったり脚を上げたりすることで、訪れたい患者を選びます。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Peyo | ペイヨ(馬の名前) | 主語 | 文の主語 |
chooses | 選ぶ | 動詞(現在形) | 主語に対応する動作 |
the patient | その患者 | 目的語 | 「誰を」選ぶかを示す |
he’d like to visit | 彼が訪れたい | 関係詞節 | 「the patient」の説明。he would like to visit の短縮形。丁寧な意志表現 |
by stopping or raising a leg | 止まったり脚を上げたりして | 副詞句(手段) | どうやって選ぶのかを説明する「手段」表現。by + 動名詞 で手段を表す構文 |
he’d like to ~(= he would like to ~ )は、「〜したい」という意味のチャンクになります。
希望・意思を柔らかく表現するもので、「want to」よりも丁寧で控えめな言い方になります。特に接客や礼儀正しい場面で使います。
この文の by stopping or raising a leg は、by + 動名詞の構文で「どうやって(手段)」の意味を表しています。「stop」「raise」などの行動によって「選ぶ」行為が行われているので、「手段・方法」を示す by + 動名詞(Ving) の形となっています。
一般的によく使用される前置詞の使い分けを以下に示します。参考にしてみてください。
前置詞 | 意味・使い方 | 例 | 補足 |
---|---|---|---|
by | 手段・方法 | by walking / by calling / by using this | 「~することで」何かの方法・手段を説明する時に使う |
on | 接触・表面・日時 | on the table / on Monday | 面に接している、日付、機器の使用(on TV, on the phone)など |
in | 内部・範囲・時間 | in the room / in 2024 | 「中にある」「ある期間内に」など |
at | 一点・場所・時間 | at 5 o’clock / at the station | 「~の一点」「場所の特定」など |
日常会話への応用
– I’d like to have some coffee.
(コーヒーをいただきたいです。)
– She’d like to speak with the manager.
(彼女はマネージャーと話したいそうです。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“One time, a patient who could no longer walk tried to walk because of Peyo!”
(日本語訳)あるとき、歩けなくなっていた患者が、ペイヨのおかげで歩こうとしたのです!
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
One time | あるとき | 時間の副詞句 | 「昔あるときに」という文の始まりを示す表現 |
a patient | ある患者 | 主語 | 主語の中心部分 |
who could no longer walk | もはや歩けなかった(患者) | 関係詞節 | “a patient” を説明している。関係代名詞 “who” が先行詞 “patient” を受ける。 |
tried to walk | 歩こうとした | 動詞句(述語) | 主語の動作。「〜しようとした」= try to + 動詞 |
because of Peyo | ペイヨのおかげで | 前置詞句 | 理由を表す(because of + 名詞) |
読解のポイント
文の切れ目と意味のまとまりを正しく見抜く
混乱しやすい部分:
“who could no longer walk tried to walk”
見た目が「walk, walk」と並んでいて混乱しますが、関係代名詞節と主文の動詞句を分けて考えましょう。
「主文」a patient tried to walk(ある患者が歩こうとした)
「修飾(関係代名詞節)」who could no longer walk(もはや歩けなかった患者)
→ a patientを説明している節(どんな患者か?)
「補足情報」because of Peyo(ペイヨのおかげで)
→ 「なぜその患者が歩こうとしたのか」の理由
つまり構造はこうです:
One time, a patient [who could no longer walk] tried to walk [because of Peyo]
これで「もう歩けなかった人が歩こうとした」という主語と述語がクリアになります。
not ではなく no
could の後ろに no が続きます。一見すると、could not の「〜できなかった」という意味のように見えますが、これはcould no longer walkです。not ではなくno ですので、読み違えないように注意が必要です。
no longerは、「以前はできていたが、もうできない(変化)」というニュアンスを含んだ表現の副詞句になります。could not work「歩けなかった」という単純な否定ではなく、時間の流れを含んだ表現となっています。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
フランス北部の病院で、ペイヨという馬が重い病気の患者を訪れます。トレーナーのハッサンによると、訪問する相手はペイヨ自身が選ぶそうです。ペイヨは患者にそっと寄り添い、安心を与えます。以前はショーに出ていたペイヨですが、今は人々の助けになることに専念しています。人生の最期が近い人にも寄り添い、安らぎを届けています。ペイヨとハッサンはこれまでに1,000人以上を支えてきました。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
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先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
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ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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