このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。
本日のAmazing Storiesのストーリーは「Using Miso Soup to Escape Prison」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Using Miso Soup to Escape Prison(みそ汁で脱獄した男):和訳
1ページ目
刑務所から脱走できると思いますか?
ある日本人男性はなんと4回も脱走し、しかもとても工夫された方法でそれを成し遂げました。
では、一体何が起こったのでしょう?この信じがたい話を詳しく見ていきましょう。
白鳥由栄は1935年、28歳のときに刑務所へ送られました。警察が、彼が人を殺したと思ったからです。
最初の脱走では、針金を使って牢屋の鍵を開けました。
由栄は、看守たちが冷たく暴力的だったため、どうしても逃げたかったのです。彼はよくこう考えていました。
「看守たちは、俺たちを人間だと思ってない!」
由栄は数日後に再び捕まり、別の刑務所へ送られました。
このときは、手と足で壁を押しながら天井へ登って脱走し、窓から逃げたのです。
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その後、彼はまた別の刑務所へ送られました。
今回は、北海道東部にある網走刑務所でした。ここには、最も危険とされた人物たちだけが収容されていました。
由栄には常に手錠と足かせがはめられていて、看守たちは決して彼を独房の外へ出しませんでした。
彼はこう思いました。
「冬に夏服を着させられ、夏に冬服を着させられる。死んでしまう!逃げなければ!」
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このとき由栄は、味噌汁を使って脱走しました。
扉には鉄格子のついた小さな窓がありました。
由栄は味噌汁をもらうたびに、少しずつ鉄格子に味噌を塗っていきました。
数ヶ月後、味噌の塩分で金属がもろくなり、鉄格子を取り外せるようになったのです。
窓はとても小さかったのですが、由栄には特技がありました。
彼は肩を脱臼できたのです。
4ページ
つまり、肩の関節から腕を外せたということです。
このスキルを使って、彼はその窓から逃げ出しました。
由栄はその後、2年間山中で暮らしました。
しかしある日、トマトを盗もうとして農夫を殺してしまいました。
彼は捕まり、今回は死刑を言い渡されました。
由栄の独房には高い壁ととても小さな窓がありました。
脱走は不可能に思えたため、看守たちは手錠を使っていませんでした。
ですが由栄は、ボウルを使って床の下にトンネルを掘ったのです。
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約1年後、由栄はまた警察に捕まりました。
しかし状況は以前と違っていました。
死刑は取り消され、20年間の服役が命じられました。
13年後、由栄は模範囚として釈放されました。
このとき収容されていた刑務所では待遇が良く、由栄も逃げようとはしませんでした。
彼は1979年、71歳で亡くなりました。
由栄の物語は、小説やいくつものテレビ番組の題材になっています。
ある人気マンガでは、登場人物のモデルにもなっています。
彼の創造的な脱獄方法は、今も多くの人々を驚かせています。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
天井
〜を脱臼させる
窃盗
dig(〜を掘る)の過去形
刑務所
〜を解放する・釈放する
いくつかの
〜をよく待遇する
〜をびっくりさせる・ひどく驚かせる
チャンクPickUP
he did it in very creative ways.
(日本語訳)彼はとても工夫された方法でそれを成し遂げました。

構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
he | 彼は | 主語(S) | 由栄を指している |
did it | それをやった/成し遂げた | 動詞(V)+目的語(O) | “it” は「脱走」を示す |
in | ~で、~という方法で | 前置詞 | 「方法・手段」を表す in の用法 |
very creative ways | とても工夫された方法で | 前置詞句の目的語 | 複数形の “ways” が具体性を強調 |
英語では、方法・手段・やり方を表すときに in + 複数名詞(ways / manner / style など) をよく使います。方法を表現する時、byなどを使う場合もありますが、どんな様式で物事が行われたかを強調したい時、英語ではin + 抽象名詞の形が自然です。byは手段そのもの(by car、by train)に使うことが多く、様式・性質にはあまり使いません。
日常会話への応用
– They worked in teams.
(チームで作業した。)
– She spoke in a calm voice.
(落ち着いた声で話した。)

チャンクPickUP-2
Yoshie’s story has been made into a novel and several TV shows.
(日本語訳)彼はとても工夫された方法でそれを成し遂げました。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Yoshie’s story | 由栄の物語は | 主語(S) | 由栄の体験・人生を指す |
has been made | 作られてきた | 動詞(現在完了・受動態) | 「今も影響が続いている」ことを示す |
into | ~に(形を変えて) | 前置詞 | “変化・変換” の方向を示す |
a novel and several TV shows | 小説や複数のテレビ番組に | into の目的語 | 変換後の形(話題の媒体) |
has been made:現在完了形 + 受動態
→「(過去から現在までに)作られてきた」「今もその状態にある」というニュアンス
→ 「一度作られた」ではなく、「今も関連作品が存在している」雰囲気
made into 〜:形や性質が変わる
→ 別のものに「生まれ変わった」感覚を表現する時に使いやすい表現
日常会話への応用
– Her life story has been made into a documentary.
(彼女の人生はドキュメンタリー番組になっています。)
– His speech has been made into a motivational video online.
(彼のスピーチはオンラインのモチベーション動画に編集されています。)

関係代名詞の文章をPickUP

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“The creative ways he escaped from prison continue to amaze people today.”
(日本語訳)彼の創造的な脱獄方法は、今も多くの人々を驚かせています。
構成パーツの解説
✅ 使用されている関係代名詞: that(省略)
パーツ | 意味 | 機能 | 補足・文法のポイント |
---|---|---|---|
The creative ways | 創造的な方法たち | 主語 | 「ways」は複数形、形容詞「creative」で修飾されている |
he escaped from prison | 彼が刑務所から脱獄した | 関係詞節(名詞「ways」の説明) | 関係代名詞 that が省略された形。「ways that he escaped from prison」が完全形 |
continue to amaze people | 人々を驚かせ続けている | 動詞句(主語に対する述語) | 「continue to 動詞」= ~し続ける、「amaze 人」= 人を驚かせる |
today | 今日でも | 副詞(文全体の時間を示す) | 文末で状況を補足している副詞句 |
関係代名詞以外の読解のポイントと、使う際の注意点を先に解説します。
・amazeは他動詞なので目的語が必要
→ amaze peopleで人々を驚かせるという意味になります。目的語が抜けていると文として不完全になります。
・continue to 動詞の形に注目
→ ~し続けるはcontinue to Vとcontinue V-ingどちらも可ですが、この文ではto amazeを使っています。ややフォーマルな印象。
関係代名詞はthatが省略されています。
thatは目的格の関係代名詞で、関係代名詞節の目的語となっています。
目的格の関係代名詞なので、省略されてます。
補足:関係代名詞の目的格と主格の見分け方
関係代名詞の格 | 節内の主語 | 節内の動詞 | 節内の目的語 | 省略できるか |
---|---|---|---|---|
主格(who/that) | 関係代名詞 | あり | あってもOK | ❌基本的にできない |
目的格(whom/that) | 別にある | あり | 関係代名詞 | ✅できる |
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
白鳥由栄は、日本の刑務所から4度も脱走した男で、ワイヤーを使ったり、壁を登ったり、味噌汁で鉄格子を弱らせたり、ボウルでトンネルを掘ったりという巧妙で奇抜な方法を使いました。小さな窓を通るために肩を脱臼したこともあります。死刑を宣告されましたが後に取り消され、その脱走劇は本やテレビ、漫画のキャラクターにも影響を与えました。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
ちなみに先週は、関係代名詞の非限定用法やif構文について手厚くまとめています!
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです。
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