このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週金曜日は「小泉八雲が愛した日本の民話”Stories Lafcadio Hearn Collected around Japan”」です。明治時代に来日したラフカディオ・ハーンは妻・セツと出会い小泉八雲と名乗った。2人で紡ぎ世界に広めた日本各地の怪談・奇談を紹介しています。
本日のStories Lafcadio Hearn Collected around Japanのストーリーは「Yuki-Onna」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Yuki-Onna(雪女):和訳
1ページ目
武蔵のある村に、2人の木こりが住んでいました。モサクは年老いた男で、ミノキチは18歳の若者でした。
あるとても寒い晩、大きな吹雪がやってきたので、2人はその夜を空き小屋で過ごすことにしました。年老いた男はすぐに眠ってしまいましたが、若者は長い間起きたままでした。空気はどんどん冷たくなっていきました。そしてついに、ミノキチも眠りにつきました。
ミノキチは、顔に吹きつける雪で目を覚ましました。小屋の扉は開いていて、彼は全身真っ白な美しい女性を見ました。彼女はモサクに向かって息を吹きかけていました。その息は明るい白い煙のようでした。それから彼女はミノキチの方を向きました。
彼女は彼の上にかがみ込み、顔が彼にほとんど触れるほどまで低くなりました。そして微笑みました。
「あなたはとても若くてきれいね。今は傷つけたりしないわ。でも、今夜のことを誰かに話したら、たとえ自分の母親でも話したら、私はあなたを殺すわ。」
2ページ目
その言葉を残して、女は去っていきました。ミノキチは老いた男に声をかけましたが、彼は答えませんでした。モサクは凍えていました。彼は死んでいたのです。
ミノキチはその後長い間病気になり、非常に怯えていました。しかし、白い服の女については何も語りませんでした。体調が回復すると、再び木こりとして働き始めました。
3ページ目
その翌年の冬、彼は道を歩いている一人の少女を見かけました。彼女は背が高く、細身でとても美しかったのです。2人は会話を始め、彼女は自分の名前が「おユキ」だと語りました。
村に着くころには、2人はすっかりお互いに好意を抱いていました。2人は結婚し、10人の子どもを授かりました。子どもたちは皆、色白で美しい顔立ちをしていました。そしておユキは、村に初めて来た日と同じように若く、みずみずしい姿を保っていました。
4ページ目
ある夜、おユキは障子灯のそばで縫い物をしていました。ミノキチは彼女を見て言いました。
「君の顔を見ると、18歳のときに起きた不思議な出来事を思い出すよ。今の君と同じくらい美しくて白い人を見たんだ。」
おユキは縫い物を続けながらも尋ねました。
「その人のことを話してちょうだい。」
そこでミノキチは、あの恐ろしい夜のことを語りました。
「それが夢だったのかどうかも分からないんだ。あれは本当に“雪女”だったのかな?」
おユキは突然立ち上がり、彼の顔に向かって叫びました。
「それは私よ――ーっ! 一言でも話したら殺すって言ったでしょ。でも子どもたちのために、あなたを殺さない。だから子どもたちをちゃんと育てなさい。もし育てなかったら……」
彼女の叫び声は風の泣き声のようにか細くなっていきました。そして彼女は明るい白い霧に姿を変えて、屋根の穴から空へと消えていきました。
彼女が再び姿を見せることはありませんでした。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
lie(横になる)の過去形
目が覚めて、眠らずに
上に
小屋、あばら屋
体を曲げる、かがむ
おびえた
縫い物をする
あんどん
叫ぶ
チャンクPickUP
I’m not sure if it was a dream.
(日本語訳)それが夢だったのかどうか分からない。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
I’m not sure | 私は確かではない/よくわからない | 主節(述語) | 「~かどうかわからない」と 不確かさ を表現する決まり文句。直後に名詞節を取る。 |
if | ~かどうか | 接続詞(名詞節の導入) | 疑問詞ではなく 接続詞 として、間接疑問文(名詞節)を導く。文中で疑問の中身を提示する役割。 |
it was a dream | それが夢だった | 名詞節(ifの後の内容) | 「それが夢だったかどうか」という文全体が、”I’m not sure” の目的語となる名詞節。 |
名詞節 “if it was a dream” が、主節 “I’m not sure” の目的語の役割をしています。
“I’m not sure if 〜” は非常に使い勝手がよく、「〜かどうか自信がない/わからない」と日常会話で不安や曖昧さを表すときによく登場します。
応用表現
– I’m not sure if she’ll come.
(彼女が来るかどうか確信がない。)
– I’m not sure if this is the right way.
(これが正しい道かどうかよくわからない。)

チャンクPickUP-2
You had better take very good care of them.
(日本語訳)彼ら(子どもたち)のことをちゃんとお世話してあげなさいよ。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足説明 |
---|---|---|---|
You | あなたは | 主語 | 話し手が相手に向けて話している |
had better | ~したほうがいい(しないとよくないことが起こる) | 助動詞的な構文(忠告・警告) | 「絶対に」というニュアンスを含む、強めの助言 |
take very good care of them | 彼らのことをちゃんとお世話する | 動詞句(目的語への働きかけ) | “take care of ~” = ~の世話をする |
had betterは「〜したほうがいいよ(しないと何か悪いことが起こるよ)」という強めの助言・警告を表す表現です。優しさからの助言というより、脅しのようなトーンが含まれています。
応用表現
– You had better apologize.
(謝ったほうがいいよ)
– You’d better not go there.
(そこには行かないほうがいいよ)

関係代名詞の文章をPickUP
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Your face makes me think of a strange thing that happened to me when I was 18 years old.”
(日本語訳) あなたの顔を見ると、私が18歳のときに起きた奇妙な出来事を思い出します。
構成パーツの解説
✅ 使用されている関係代名詞:that
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Your face | あなたの顔 | 主語(S) | 「何が(誰が)」に当たる主語。ここでは「顔」が話し手にある感情を喚起する主体。 |
makes me think of | 私に〜を思い出させる | 動詞句(V) | 「make + 人 + 動詞の原形」の構文。ここでは「me(私)」が「think of(〜を思い出す)」ように仕向けられている。 |
a strange thing | 奇妙な出来事 | 目的語(O) | 「何を思い出させるか」という対象。この名詞に次の関係代名詞節がかかる。 |
that happened to me when I was 18 years old | 私が18歳のときに起きた | 関係代名詞節(a strange thingを修飾) | that は主格の関係代名詞で、「a strange thing」の内容を説明している。全体で「どんな奇妙なことか」を具体化。 |
関係代名詞節は先行詞 a strange thingを修飾しています。主語はthat (=a strange thing)、動詞はhappenedで、「私が18歳の時に起きた」という要素を追加しています。happenedの目的語はthat (=a strange thing)なので、これは主格の関係代名詞になります。
make + 人 + 動詞の原形:
使役構文で「人に〜させる」という意味です。この場合は「me think of ~」で「私に~を思い出させる」となります。
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
若い木こりの巳之吉と年配の伴侶・茂作は吹雪に遭遇します。白い衣をまとった謎の女性が現れ、茂作を殺しますが、巳之吉には「誰にも話すな」と警告して命を助けます。数年後、巳之吉は「お雪」という女性と結婚し、10人の子どもをもうけます。ある晩、巳之吉があの夜の話をすると、お雪は自分がその雪女だと明かし、子どもたちのために彼を許し、姿を消して二度と戻りませんでした。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
ちなみに先週は、主格の関係代名詞や前置詞+関係代名詞での名詞の修飾について、特に手厚くまとめています!
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです。
テキストには、毎日の英文スクリプトや語彙リストが掲載されており、学習効果を高めるのに非常に役立ちます。
📘 テキストは全国の書店や、Amazon・楽天ブックスなどのオンライン書店でも購入可能です。
コメント