エンジョイ・シンプル・イングリッシュ和訳＆解説（11/11）

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English（エンジョイ・シンプル・イングリッシュ）」の内容をもとに、

本文和訳
チャンク＆単語解説
英語での要約

を毎日更新しています。

毎週火曜日は「日本の伝統的笑い！落語 ”Rakugo”」です。落語という名のかたり芸に英語という名の風を吹き込みます。

本日のRakugoのストーリーは「The Husband Test」です。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク＆単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう！

“The Husband Test（厩火事）”：和訳
日常生活で使えるチャンク＆単語解説
本日の記事の要約
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
ESEの放送について

“The Husband Test（厩火事）”：和訳

1ページ目

Narration：小さな町で、オサキは夫と暮らしている。彼女は夫をとても愛しているが、問題がある。そこで彼女は昔からの友人に相談に行く。彼は彼女の夫のことをよく知っている。

Osaki：夫は働かないの。一日中お酒を飲んでいるわ。私たちの収入は、私が髪結いとして働いて得るお金だけ。私たちはこのことでいつも言い争っているの。

2ページ目

Friend：（ため息）彼は親友だけど、結婚相手としては良くないって前にも言っただろう。

Osaki：わかってる、わかってるわ……

Friend：彼を離れたらどうだい？

Osaki：離婚するってこと？そんなのいや！私はしたくないわ！彼はそこまで悪い人じゃないの。ふだんは優しいし。私は夫を愛しているけれど、彼が私を愛しているかはわからないの。

Friend：じゃあ、確かめる方法がひとつあるよ。

Osaki：何？

Friend：話を二つしよう。まず一つ目だ。昔々、召使いたちと大切な愛馬と暮らしている老人がいた。ある日、彼が旅に出ている間に火事が起き、愛馬は死んでしまった。

Osaki：なんてこと！

3ページ目

Friend：召使いたちはそのことを主人に伝えるのを怖がっていた。だが知らせると、主人は怒らず、こう言った。「みんな無事か？」

Osaki：なるほど、その老人は心の広い人だったのね。

Friend：そのとおり。次にもう一つ。ある若者が妻と暮らしていた。彼は古い椀や皿を集めるのが好きだった。

Osaki：あら、うちの夫もそういうのが好きよ。

Friend：さて、ある日、妻が彼のお気に入りの皿を運んでいると、階段から落ちてしまい、皿は割れてしまった。

Osaki：まあ、大変！

Friend：妻は、夫は自分を愛しているのだから怒らないだろうと思った。ところが違った。彼は妻の体を気遣うこともせず、皿のことに腹を立てていると何度も言った。

4ページ目

Osaki：なんてひどい人！

Friend：（笑って）それで、夫が君を愛しているかどうか知りたいなら、彼のお気に入りの皿を割ってみるといい。

Osaki：それはいい考えね！

Friend：君の体を気遣ってくれるなら結婚を続けなさい。皿のことで怒るなら、彼と別れるべきだ。

Osaki：わかった、やってみるわ！

Narration：翌日、オサキは夫のお気に入りの皿を取り出す。そして転んでしまい、皿は粉々に割れた。彼女は夫を呼び寄せて言う。

Husband：オサキ！大丈夫かい？

Osaki：あら！あなたのお気に入りの皿を割ってしまったのに、私のことを気遣ってくれるのね。あなたは優しい人だわ。ああ、あなたと結婚してよかった。

Husband：もちろんだよ、オサキ！君が無事でないと、私の酒代を誰が稼いでくれるんだい？

Osaki：何ですって？！私、離婚したい！

日常生活で使えるチャンク＆単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク（言葉のひとまとまり）や単語の解説をします。

チャンク＆単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください！

leave ~

〜を見捨てる

divorce

離婚

servant

使用人

earn ~

〜を稼ぐ

チャンクPickUP

While he was away, there was a fire.
（日本語訳）彼が留守にしているあいだに、火事が起きた。

構成パーツの解説

パーツ	意味	機能	補足
While	〜のあいだ（ずっと）	時を表す接続詞	2つの出来事の同時進行を示す
he was away	彼が留守だった	従属節（時間状況）	be away＝「不在で」「留守で」；過去形 was
,	—	句読点	従属節が前に来たので , を置く
there was	（〜が）あった／起きた	存在構文	新情報を導入する「〜が起きた」
a fire	火事	主語（存在の中身）	事件・事故などの発生にも使える名詞

While S be away は、「（人）が不在の“あいだ”」という時間の背景を滑らかに作る万能フレーズ。旅行・出張・席を外している状況など、長さはまちまちでも“継続する不在”にフィットします。短い一点の出来事に重ねるなら when でも通じますが、while は「その期間ずっと」という含みが出て、背景描写に自然です。be out（ちょっと外出）よりもスパンが長めの不在に向きます。

日常会話例

– While he was out, there was a call for him from the client.
（彼が外に出ているあいだに、クライアントから電話があった。）

– While we were away, there was a water leak in the office.
（私たちがいないあいだに、オフィスで水漏れがあった。）

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう！

今回の一文
“If he asks if you are okay, then you should stay married.”
（日本語訳）もし彼が「あなたは大丈夫？」と気づかってくれるなら、その結婚は続けるべきです。

構成パーツの解説

パーツ	意味	機能	補足
If he asks …	もし彼がたずねるなら	条件節①	条件文を導く if。動詞は現在形（一般的条件）
if you are okay	あなたが大丈夫か（どうか）	間接疑問（内容節）	ask + if/whether S V の型。ここは“条件”ではなく“〜かどうか”の意味の if
, then	（その場合は）それなら	論理のつなぎ	then は省略可。条件→帰結を明示
you should stay married	君は結婚を続けるべきだ	主節（助言・判断）	should＝助言・推奨のモーダル。stay married＝「婚姻関係を続ける」

読解のポイント

「if の入れ子」—外は条件、内は間接疑問

この文の読みづらさは if が2回出てくること。最初の If he asks … は「〜なら」という条件ですが、続く if you are okay は ask の目的語で「大丈夫かどうか」という間接疑問です。内側の if を「whether」に置き換えると見分けやすい：If he asks whether you are okay, …。

条件文の現在形ルールと “then” の役割

一般的条件（習慣・判断）では、条件節は現在形（asks/are）、主節で判断を述べます。then は「それなら」を明示する接続副詞で、省いても文法的にはOK。ただ、長めの条件節の後に then を入れると論理が見やすくなります。

“ask if …” と “ask about …” を取り違えない

ask if … は「〜かどうかをたずねる」。一方 ask about … は「〜について質問する」。意味が違うので、相手の安否を尋ねるなら ask if you are okay / ask how you are が自然です。ask about you だと「あなたに関する話題を尋ねる」でニュアンスが離れます。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください！

Summary：
In a small town, Osaki lives with her drunk, idle husband. Worried he doesn’t love her, she seeks advice from an old friend. He tells two parables: a kind lord who cared about people over property, and a husband who valued a plate more than his wife. He proposes a test. Osaki breaks her husband’s favorite plate and pretends to fall. He checks on her—then asks who will earn money for his sake. Osaki demands a divorce.

要約
小さな町で暮らすオサキは、働かず酒ばかりの夫に愛情があるのか不安になり、旧友に相談する。友は「人を気づかう主人」と「皿を妻より大事にした夫」の二つの寓話を話し、試す方法を示す。オサキは夫の大切な皿を割って転んだふりをする。夫は一度は彼女を気遣うが、すぐに「酒代を誰が稼ぐ」と言い放ち、オサキは離婚を決意する。