このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
10月度からは、これまでの内容と異なり、2021年4月に放送されたものの再放送になります。
毎週月曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。英語で味わうたった5分のショート・ショート。見え隠れするのは喜怒哀楽の人間模様です。
今回のShort Storiesのストーリーは「Stop Button」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Stop Button(一時停止):和訳
1ページ目
Husband:待っててくれてありがとう、ハニー!もうスタートボタン押していいよ!……え?
Wife:この映画、すっごく面白いわ!
Husband:ちょっと!なんで待ってくれなかったの?停止ボタンを押しておいてって頼んだだろ!トイレにほんの1分いただけなのに!
Wife:ごめん!待てなかったの。
Husband:でもこの映画、録画したんだよ!
Wife:大丈夫、巻き戻しボタンを使えばいいのよ。戻れるでしょ。
Husband:人生には巻き戻しボタンなんてないんだ。
Wife:何の話?
Husband:人生は巻き戻せない。過去に戻る方法なんてないんだ。だからこそ、肩の力を抜いて、ときには立ち止まらないといけない。わかる?
Wife:あなた、大丈夫?熱でもあるの?
Husband:いや、全然元気だよ。(ため息)今日ね、会社に行く途中で、ちょっとあってさ……。
2ページ目
(サイレンの音)
Police officer:そこの白い車の方、止まってください!
Husband:あの警官、僕に言ってるのかな?何も違反なんてしてないのに……。
Police officer:こんにちは。
Husband:こんにちは、警官さん。何もしてませんよ!
Police officer:それが問題なんです!さっきの道で、あなたはやるべきことがあったのに、やらなかった。
Husband:え?
Police officer:一時停止の標識、見ましたか?
Husband:いえ、見てません……でも、普段この道は通らないんです!
Police officer:残念ですが、それは理由になりません。運転免許証を拝見します。
Husband:妻にめちゃくちゃ怒られる……。警官さん、会社に急いでるんです。
3ページ目
Husband:早く済ませてもらえますか?
Police officer:1分もかかりませんよ。深呼吸して落ち着いてください。
Husband:え?
Police officer:今回は運がよかったんです。今日は事故にはなりませんでした。しかし、もし自転車や歩行者が横断していたら……。
Husband:わかりました。
Police officer:いいですか、一時停止の標識は単なる交通ルールだけじゃないと私は思うんです。
Husband:どういうことですか?
Police officer:人生にももっと目を向けなさい、と教えてくれているんですよ!
Husband:なるほど……。
4ページ目
Police officer:人生は巻き戻せません。だから、ときどき立ち止まるべきなんです。そうすれば、落ち着いた心で自分の人生を見渡せます。
Husband:立ち止まって自分の人生を見渡すか……深いですね。
Police officer:そう考えられれば、一時停止の標識を見落とすことはなくなりますよ。
Husband:よくわかりました、警官さん!
Police officer:よろしい。罰金は7,000円、減点は2点です。期限までに必ず納付してください。
Husband:もちろんです。それから、これからは人生でも立ち止まる時間を取ります。
Police officer:安全運転で。
(車が走り去る音)
Wife:へえ……。
Husband:だからさ、番組もときには止めて、僕を待つべきなんだよ!
Wife:そう……で、その7,000円はどうするの?
Husband:ああ、それは、その……大事なのはですね……。
Wife:7,000円はどこから出すつもり?
Husband:はあ……妻にも停止ボタンがあればいいのに……。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
〜を巻き戻す
事故を起こす
交通規則
チャンクPickUP
I’m in a hurry to get to my office.
(日本語訳)私は急いで会社に向かっているところです。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
I’m | 私は〜だ | 主語+be動詞 | 口語では I am → I’m |
in a hurry | 急いでいる状態で | 叙述用句(状態) | 「時間がない・急ぐ必要がある」という気持ち・状況 |
to get to | 〜へ到着するために | 目的不定詞 | get to + 場所=「〜へ着く」。home だけは to を付けない(get home) |
my office | 私の職場(オフィス)に | 到達先 | 固有の到着地点 |
be in a hurry to + 動詞 は、「時間に余裕がなく、〜する必要がある/早く〜したい」という切迫感のある目的を、穏やかな口調で伝えられるチャンクです。似た表現の rush to は動作そのものの「駆け込む」ニュアンスが強く、描写的。いまの文のように相手への配慮を保ちながら予定の切迫を伝えるなら in a hurry to が最適です。
なお to + 動詞 は「何に急いでいるのか」という目的を示します。目的地を言う場合は get to + 場所 が口語的で自然(arrive at は硬め)。例外として home は前置詞なしで get home となる点に注意しましょう。
日常会話での応用表現
– I’m in a hurry to get to the airport—could we check out now?
(空港に急いでいるので、今チェックアウトできますか。)
– I’m not in a hurry to decide—can I think it over overnight?
(急いで決めるつもりはないので、一晩考えてもいいですか。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“I think they’re telling us to pay more attention to our lives!”
(日本語訳)私は、彼ら(=一時停止の標識)が私たちの人生にもっと注意を向けるようにと私たちに伝えているのだと思います。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
I think | 私は思う | 評価の前置き(スタンス表示) | 断定を和らげ、主観として提示 |
they’re telling us | 彼らは私たちに伝えている | 主節内容(進行形) | tell + 人 + to V の土台。they は文脈上「標識」を擬人化 |
to pay more attention | より注意を向けること | 目的不定詞(tell の内容) | tell 人 to V=「人にVするよう言う」 |
to our lives | 私たちの人生に | 前置詞句(注意の向け先) | pay attention to + 名詞 のコロケーション |
! | 強い語調 | 強調 | 警官の力点・メッセージ性を示す |
読解のポイント
進行形の「are telling」で“今まさに語りかけてくる”臨場感
they’re telling は現在進行形で、「一時停止の標識が今この瞬間も語りかけてくる」という継続的メッセージの比喩を作っています。単純現在 they tell よりも、聞き手に迫る臨場感が強まります。ここでの they は「stop signs」を擬人化した指示語だと理解しましょう。
「tell + 人 + to 不定詞」=“~するように言う”の基本型
中核の構文は tell + 人 + to V(「人にVするよう伝える」)。ここでは tell us to pay… で、「私たちに“注意を払うように”伝える」。say はこの形を取れない点に注意(say to 人 that … / tell 人 that … / tell 人 to V)。同じ意味をもう少し書き言葉に寄せるなら they’re telling us that we should pay… と that節 にしてもOKです。
「pay attention to …」はコロケーションで覚える
pay attention は「注意を払う」という定番コロケーションで、後ろは to + 対象。比較の more がついて more attention(より多くの注意)となっています。似た表現に focus on / be mindful of / take care of などがありますが、pay attention to は「認知的に向ける」ニュアンスが中心で、take care of は「世話・管理」、be careful about は「用心」と少しベクトルが異なります。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
録画した映画を妻が夫を待たずに見始める。夫は「人生に巻き戻しはない」と言い、その朝の出来事を話す。彼は一時停止標識を見落として停車を求められた。警官は彼を落ち着かせ、「標識は立ち止まることを思い出させ、人生は巻き戻せない」と諭す。夫は教訓とともに罰金7,000円と減点2を受け入れる。家に戻り、次は待ってほしいと頼むが、妻はお金のことを尋ねる。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです。
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