このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
10月度からは、これまでの内容と異なり、2021年4月に放送されたものの再放送になります。
これから毎週水曜日は「世界の偉人伝”Heroes and Giants”」です。日本を、世界を動かした偉人たちの誰もが知るその偉業を、ちょっと意外なその素顔を、英語で味わうことができます。
本日のHeroes and Giantsのストーリーは「Charles Chaplin ~ Chaplin and Japan ~」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Charles Chaplin ~ Chaplin and Japan ~(チャールズ・チャップリン 〜 チャップリンと日本 〜):和訳
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「チャーリー・チャップリン」という名前を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか。小さな口ひげを生やし、杖をついておかしな歩き方をする男を思い浮かべるかもしれません。世界的に有名なこのイギリス人コメディアンについて、多くの人がそのように考えるでしょう。ですが、チャーリー・チャップリンが日本を四回訪れていることはご存じでしたか。
チャップリンが日本に興味を持つようになった主な理由は、高野虎市という若い日本人男性にあるのかもしれません。
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1900年、高野は家を出てアメリカへ渡りました。1916年、彼はチャップリンが運転手を探していると知り、会いに行きました。
「運転はできますか」とチャップリンは尋ねました。高野は「はい、できます」と答えました。「すばらしい!私のために運転してくれますか。」
こうして高野はチャップリンの運転手になりました。のちに秘書にもなります。チャップリンと話したいなら、まず高野と話さなければならなかった、と人々は言います。彼は18年間チャップリンに仕えました。
1931年、チャップリンは新作映画『City Lights(街の灯)』を人々に見せるため、世界一周の旅に出ました。当時すでに彼は非常に有名で、ウィンストン・チャーチルやアルバート・アインシュタインのような人々と親しくしていました。イギリスではマハトマ・ガンディーに会ったこともあります。1932年5月14日、チャップリンは秘書の高野とともに初めて日本を訪れました。船が神戸に到着したときには多くの人々が出迎え、彼の顔を見るためだけに東京駅には4万人以上が集まりました。チャップリンは日本に約1か月滞在し、その間、歌舞伎を観たり日本食を食べたりして楽しみました。彼は天ぷらが大好きで夕食にエビの天ぷらを30尾以上食べたこともありました。
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チャップリンが日本に到着してまもなく五・一五事件と呼ばれる重大な出来事が起きました。これが日本を第二次世界大戦へと押しやった、と人々は考えています。その日、政府を変えようとした人々の一団によって犬養首相が殺害されました。チャップリンも殺されるはずでしたが、予定を変更して首相の息子と相撲を観に行っていたため助かりました。犯人たちは、チャップリンを殺せば日本はアメリカ合衆国と戦争を始めるかもしれないと考えていたのです。のちにチャップリンは、それはおかしな考えだと言いました。自分はアメリカ人ではなくイギリス人なのだから、と。
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1972年、チャップリンはアカデミー賞を受け取るためニューヨークへ行きました。日本の有名なテレビパーソナリティーである黒柳徹子が彼にインタビューしました。彼女が「ミスター・チャップリン、日本の皆さんへのメッセージはありますか」と尋ねると、チャップリンは目に涙を浮かべて答えました。「日本の皆さんに、私は皆さん全員を愛していると伝えてください。」
チャップリンが日本を訪れた当時から日本は大きく変わりましたが、彼の映画は今でも人気があり、誰もがその名を知っています。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
口ひげ
ステッキ
秘書
〜と懇意で
事件
総理大臣

チャンクPickUP
He loved tempura so much that he once ate more than 30 fried shrimps for dinner.
(日本語訳)彼は天ぷらが大好きすぎて、ある晩にはエビの天ぷらを30尾以上も食べてしまった。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
He | 彼は | 主語 | 文脈ではチャップリン。 |
loved | 大好きだった | 動詞(過去) | 強い好意・嗜好を表す。 |
tempura | 天ぷらを | 目的語 | 食べ物の一般名。 |
so much that | とても~なので…/~すぎて… | 結果を導く接続表現 | “so … that …” 構文の副詞版。前半の程度→後半の結果。 |
he once ate | 彼は一度食べた | 結果節の主語+動詞 | once=「ある時」「一度」。昔という意味ではない点に注意。 |
more than 30 | 30以上 | 程度表現 | “over 30” でも可。 |
fried shrimps | エビのフライ(天ぷら)を | 目的語 | AmEでは複数も shrimp が一般的(fried shrimp)。“shrimp tempura” も自然。 |
for dinner | 夕食に | 句 | 食事の機会を示す前置詞句。 |
このチャンクは「so much that」を核に、前半の強い感情・程度が後半の具体的な結果を生むことを示す構文です。ここでは「天ぷらをとても愛していた」→「その結果、30尾以上も食べた」という流れで、驚きを伴うエピソード化が自然にできます。日常会話では、食べ物や場所、イベントへの好みを背景に「だからこうなった」と話をオチまで運ぶのに使いやすい型です。
構文面では、so + 形容詞/副詞 + that(例:so full that …)と違い、ここは 動詞 love の程度語として so much を置いています。
日常会話への応用
– I loved the ramen so much that I went back the next day.
(そのラーメンが気に入りすぎて、翌日もう一度行っちゃった。)
– We liked the onsen so much that we extended our stay.
(その温泉が良すぎて、滞在を延ばしたんだ。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“On this day, Prime Minister Inukai was killed by a group of people who wanted to change the government.”
(日本語訳)その日、犬養首相は、政府を変えたいと思っていた人々の一団によって殺害されました。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
On this day, | その日(に) | 時を示す前置詞句の前置 | 文頭に置いて時間枠を提示。カンマで主節と区切る。 |
Prime Minister Inukai | 犬養首相 | 主語(固有名詞+役職名) | 役職(Prime Minister)は大文字開始、姓と並置(apposition)。 |
was killed | 殺害された | 受け身(過去形) | 受け身により「被害者」を主語にし、出来事の重大性に焦点。 |
by a group of people | 人々の一団によって | 受け身の施事(by句) | 行為者を後置して補足的に提示。 |
who wanted to change the government | 政府を変えたいと思っていた(人々) | 限定用法の関係代名詞節 | who は直前の people を修飾。動機を特定する情報。 |
読解のポイント
受け身で「何が起きたか」に焦点を当てる
英語では出来事の被害者や対象に焦点を当てたいとき、受け身(was killed)が選ばれます。能動にすると A group of people killed Prime Minister Inukai. ですが、歴史叙述では「犬養首相に何が起きたか」を先に提示する受け身が自然です。受け身はしばしば行為者(by句)を弱め、事件の事実性を強調します。
関係代名詞節が「どんな人々か」を限定する
who wanted to change the government は直前の people を限定する関係節で、カンマを使わないのがポイント(非制限用法ではない)。これにより「政府を変えたいと思っていた」という動機を持つ特定の集団であることを示し、解釈の範囲を絞ります。関係代名詞 who は「人」を受け、that に置換可能ですが、フォーマル叙述では who が自然です。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
世界的な喜劇王チャーリー・チャップリンは日本を四度訪れた。運転手から秘書になった河野虎市に導かれ、1932年に『街の灯』の世界巡回中に初来日。群衆が出迎え、歌舞伎や和食を楽しみ、エビ天を30尾以上食べたことも。ほどなく五・一五事件が起こり、首相の息子と相撲観戦に行っていたため難を逃れた。1972年にはアカデミー賞を受け、日本の人々を愛していると涙ながらに語った。継がれることを願っている。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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