エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(9/30)

火曜日:日本の伝統的笑い!落語

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

10月度からは、これまでの内容と異なり、2021年4月に放送されたものの再放送になります。
これから毎週火曜日は「日本の伝統的笑い!落語 ”Rakugo”」です。落語という名のかたり芸に英語という名の風を吹き込みます。

本日のRakugoのストーリーはHow to Steal a Cooking Potです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

“How to Steal a Cooking Pot(釜盗人)”:和訳

1ページ目

Narration:これはずっと昔のお話です。ある日、国じゅうの泥棒たちが、大きな鍋を盗もうと決めました。ほどなくして、店や料理屋、家々……あらゆる場所から鍋が消え始めました!小さな町では、豆腐屋の主人とその妻が話しています。

Wife:町のほかのお店からも、鍋が盗まれているのよ。次はうちかもしれないわ。もし鍋を盗まれたら、大豆を煮て、豆腐が作れなくなるわ!

2ページ目

Husband:心配いらない。いい考えがある。夜じゅう、この鍋を見張って守るよ。

Wife:つまり、一晩中起きているってこと?

Husband:いや、そうじゃない。鍋の中で寝るんだ。泥棒が来たら、飛び出してやっつける!

Wife:あら!それは名案ね!

Husband:だから今夜は戸に鍵をかけないでくれ。この作戦は絶対うまくいくさ!

Wife:わかったわ。

3ページ目

Narration:その夜、主人は布団を鍋の中に敷き、自分も中へ入ります。妻はふたを閉めました。

Husband:ああ、こりゃ快適だ!それにあったかい!よく眠れそうだ。

Narration:真夜中、二人の泥棒が豆腐屋へやって来ます。

Thief 1:おっ、戸に鍵がかかっていない!それに見ろ!すごく大きな鍋だ!

Thief 2:ついてるな!

Narration:泥棒たちは鍋を木の棒にくくりつけ、棒を持ち上げて肩にかつぎました。

Thief 1:うーん、この鍋はとても重いぞ!

Thief 2:高価な鍋は重いものさ。こりゃ本当に運がいい!

Narration:泥棒たちは鍋を運ぼうとしますが、とても大変です。まっすぐ歩けず、鍋は左右に揺れます。けれど、中にいる豆腐屋の主人は目を覚ましません。いびきをかき始めました。

4ページ目

Thief 1:おい、何か聞こえる。鍋がいびきをかいてるのか?

Thief 2:鍋がいびきをかくはずないだろ。近くの家の音に違いない。

Thief 1:そうか……幽霊じゃなきゃいいが。

Narration:泥棒たちは歩き続け、鍋は揺れ続けます。今度は店主が目を覚ましました。何も見えないので、手でふたを少し押し上げます。それを泥棒の一人が目にします。

Thief 1:うわっ!鍋から手が二本出てきた!幽霊だ!

5ページ目

Thief 2:なんだって?! 幽霊付きの鍋なんていらない!縁起が悪い!

Narration:泥棒たちは鍋をその場に置いて逃げ出しました。豆腐屋の主人はまだ状況がわかっていません。

Husband:え?鍋が揺れて、人の声が聞こえたぞ。地震でもあったのか?

Narration:彼はふたを開けて外をのぞきます。星が見えました。

Husband:外にいる?しまった!泥棒は鍋を盗まなかったんだ。家を盗んで、鍋だけ置いていったのか!

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

thief(泥棒)の複数形

を通して

〜を…に結びつける

いびきをかく

チャンクPickUP

I’m so sure that this plan will work!
(日本語訳)私はこの計画は絶対うまくいくと強く確信している!

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
I’m (= I am)私は〜だ主語+be動詞口語は短縮形I’mが自然。
so sureとても確信している程度副詞+形容詞で強い確信very sureより感情が強め。ビジネスでは強過ぎに響くことも。
that〜ということ名詞節の導入口語では省略可:I’m so sure this plan will work.
this planこの計画指示+名詞“plan”は可算。this/that plan の形に。
will workうまくいく(だろう)未来の見込み・予測“work out”でも可(より口語的)。worksは一般的事実の響きで不自然。

このチャンクは、「この計画(や案)はうまくいくと強く確信している」という意味を、話し手の感情を込めて伝える表現です。旅行の段取り、職場での進め方、観光案内の提案など、合意を取りたい場面で使いやすいチャンクです

日常会話例

If we change trains at Ueno, we’ll save time. I’m so sure that this plan will work.
(上野で乗り換えれば時間を節約できますよ。これはきっとうまくいきます。)

If it rains, we’ll switch to the museum. I’m so sure that this plan will work.
(雨なら博物館に切り替えよう。これで問題ないよ。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
“They stole my house and left the pot behind!”
(日本語訳)奴らは私の家を盗んで、鍋は置いていきやがった!

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
They彼らは主語既出の泥棒たちを指す代名詞。
stole盗んだ動詞(過去形)「steal+目的語」で“~を盗む”。不規則変化 steal–stole–stolen
my house私の家を直接目的語「何を盗んだか」を受ける名詞句。文脈上は主人の勘違いによる誇張。
andそして/しかも等位接続詞同じ文法階層の述語を結ぶ(stole と left)。
left置いていった/残した動詞(過去形)leave は「去る/残す」。ここは「残していく」。
the potその鍋を直接目的語既出の特定の鍋なので定冠詞 the
behind後ろに/置き去りに句動詞構成要素leave ~ behind=「~を置き去りにする」。副詞的位置の behind は強勢を受けやすく意味を締める。

読解のポイント

並列構文の力学と情報のコントラスト

この文は They を主語に、stole my houseleft the pot behind の二つの述語を and で並列しています。英語の等位接続は、しばしば「対比」や「皮肉」を同時に運びます。ここでは「家を盗まれた」という極端な被害と、「鍋は置いていった」という拍子抜けの結果が対照的に述べられ、オチの効果を生んでいます。読むときは stoleleft が同じ文法階層で響いていること、さらに my house / the pot の名詞句が対象の大きさや重要度を対比させている点に注目すると、作者のユーモアが掴みやすくなります。

steal / rob / burglarize:動詞のコロケーションに注意

steal は「物」を直接目的語に取る動詞で、基本形は steal + 物(例:steal a wallet)。「場所」から盗む場合は steal A from B(B=場所/人)となります。一方 rob は「人/場所」を目的語に取りやすく、rob a person/rob a bank のように使います。burglarize は「家屋に侵入して盗む」という法律用語寄り。したがって「家を狙った被害」を自然に言うなら They robbed my house. や They stole things from my house. が定番です。本作の They stole my house は字義どおりには不自然ですが、主人の勘違いを強調する誇張表現として機能しています。こうした“わざとズラす”言い方は物語の笑いの源泉です。

句動詞 leave ~ behind の語順と焦点

leave ~ behind は「~を置いていく/置き忘れる」。名詞が長いときや内容を強調したいとき、behind を後置して文末に置くと「置き去りにした」というニュアンスが強く聞こえます。代名詞の場合は leave it behind の語順が自然で、leave behind it は不自然です。今回の left the pot behind は、文末に behind を置くことで、鍋が「取り残された事実」に焦点が当たっています。旅行会話では I left my passport behind.(パスポートを置き忘れた)のように非常に実用的です。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
昔、国じゅうで大きな鍋が盗まれる事件が相次ぎました。小さな町の豆腐屋の主人は、鍋を守るためにその中で寝ることにします。夜中に泥棒が二人現れ、鍋を棒にくくりつけて運び始めました。主人はいびきをかき、ふたを少し押し上げます。泥棒はその手を見て幽霊だと思い、逃げ出しました。主人がふたを開けて星空を見上げ、「やつらは鍋ではなく家を盗んで、鍋だけ置いていったのか!」と叫びました。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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