このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週木曜日は「哲学者からの答え”Answers from Philosophers”」です。現代人のお悩みを解決するヒントを偉大な哲学者たちの言葉から学びます。リスナーのお悩み相談を受けるラジオパーソナリティという設定のストーリーなので、わかりやすく楽しいお話しになっています!
本日のAnswers from Philosophersのストーリーは「I Don’t Want to Speak to My Friend」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

I Don’t Want to Speak to My Friend(友達と話をしたくない):和訳
1ページ目
Tom:みなさんこんにちは!トムと小林ショウヘイの……
Shohei:『哲学者の答え』です!今日は10歳の男の子、アユムくんからのメッセージです。
Ayumu:こんにちは。友だちのことで悩んでいます。クラスメートと僕は昼休みにドッジボールをします。でも先日、友だちが「いつも負けるのは僕のせいだ」と言っていたことを知りました。あまりに腹が立って、叫びたくなるほどでした!数日後、彼は気まずく思って話がしたいと言いました。彼と話すべきだとはわかっていますが、まだ怒っています。どうしたらいいでしょう?
Tom:それは気の毒だね。ひどく傷つけられると、人は二度とその人に会いたくないと感じるものです。ショウヘイ、彼をどう助けられるかな?
2ページ目
Shohei:うーん、20世紀の哲学者からのアドバイスがあります。彼女の名前はハンナ・アーレントです。
Tom:彼女は何と言っていますか?
Shohei:私たちは「許す」ことが必要だと言っています。
Tom:それが一番難しいこともあるね。
Shohei:そうです。アーレントは、人の「思考」よりも「行為」のほうが大切だと言いました。これは当時新しい考え方でした。
Tom:どんな行為のこと?
3ページ目
Shohei:それは「何を言い、何をするか」ということです。こうした創造的な側面が私たちを人間たらしめます。
Tom:そのとおりだね。
Shohei:いいですか、アーレントはドイツのナチスから逃れるためにアメリカへ渡りました。彼女は、彼らが個人の思考や言論の自由を制限していることを目にしました。彼女はこれに断固反対でした。
Tom:自分の考えを言えないなんて想像もできない。行動は大切だ!
Shohei:ええ、でも一方で、行為には二つの弱点があります。
Tom:弱点?
Shohei:はい。行為は人と人との間で起こるので、何が起きるかはわかりません。第一のリスクは、結果を完全にはコントロールできないこと。第二のリスクは、いったんした行為は取り消せないことです。
4ページ目
Tom:取り消す?
Shohei:つまり、過去は変えられないということです。アユムの友だちは時間を巻き戻して自分の発言を取り消すことはできません。
Tom:では、アユムはどんな行動を取れる?
Shohei:許すことです。
Tom:なるほど。
Shohei:もしアユムが友だちと話さなければ、友だちは仕返しをしようとするかもしれません。復讐はさらなる復讐を呼ぶだけで、終わりのない連鎖です。けれども、許すことでそれを止められます。
Tom:わかってはいるけれど、許すのは本当に難しいね。
5ページ目
Shohei:仕返ししたいと思うのは自然なことです。アーレントにとっても難しいことでした。
Tom:でも、やってみなきゃいけないね。
Shohei:はい。感情的ではなく論理的に。許す方法を考えましょう。そうしないと、新しい出発のチャンスすら得られません。
Tom:アユム、答えが見つかったね!友だちを許す方法を見いだすことが大切だ。
Shohei:許すことで負の連鎖を止め、新しい関係を築くチャンスが生まれます。
Tom:幸運を祈っているよ。また来週!

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
責任、罪
叫ぶ
許す
個々の、個人の
他方では
〜を帳消しにする・取り消す

チャンクPickUP
I know that when people hurt your feelings badly, you feel like you don’t want to see them ever again.
(日本語訳)人にひどく傷つけられると、二度とその人に会いたくないって気持ちになるものだ、というのはよく分かります。
構成パーツの解説
英語パーツ | 品詞・文法 | 役割・意味 |
---|---|---|
I know (that) … | 動詞 know+that節(that省略可) | 「…だと分かっている/共感している」という前置き。相手の気持ちに寄り添う導入。 |
when people hurt your feelings (badly) | 従属接続詞 when の時・条件節/慣用句 hurt one’s feelings/badly は程度強調副詞 | 「人に気持ちをひどく傷つけられたとき」の条件節。hurt one’s feelings=気持ちを傷つける |
you feel like … | 動詞 feel+補語/慣用 feel like + 文/動名詞 | 「…したい/…な気持ちになる」という心情の流れ |
you don’t want to see them ever again | 否定+不定詞 want to V/代名詞 them(=people)/副詞句 ever again | 「二度と彼らに会いたくない」。“ever again” は「もう二度と」の強い否定 |
「I know (that) …」+「when …, you feel like …」は、相手の感情に寄り添いながら一般論として述べる、とても丁寧な型です。feel like + 文/動名詞は「〜したい気がする/〜な気持ちになる」という文です。ever againは否定文で「二度と」を強烈に示すため、軽い場面では強すぎるので注意しましょう。
この文のように「理由(when節)」→「反応(you feel like …)」の順で、内容を差し替えればどんどん応用できます。
日常会話での応用表現
– I get that when your idea is ignored in meetings, you feel like you don’t want to speak up again.
(会議で自分の意見を無視されると、もう二度と発言したくなくなるその気持ち、わかります。)
– When a restaurant treats you badly, you feel like you don’t want to go back there ever again.
(お店の対応がひどいと、もう二度とその店には行きたくないって気持ちになるよね。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Actions take place between people, so you can’t know what will happen.”
(日本語訳)行為は人と人との間で起こるものだから、何が起きるかは分からないのです。
構成パーツの解説
パーツ | 品詞・文法 | 意味・役割 | 補足 |
---|---|---|---|
Actions | 名詞(可算・複数)/主語 | 行為・行動一般を指す抽象名詞 | 一般論としての主語。特定の個々の行為ではなく、概念的な“行為”全体を示す。 |
take place | 句動詞(自動) | 起こる/行われる | 目的語を取らない自動詞表現。出来事の発生や実施のニュアンスをもつ。 |
between people | 前置詞句 | 場・関係の範囲指定(人と人との間で) | 相互作用の舞台が“人間関係”であることを示す。複数人の関係性を強調。 |
, so | 等位接続詞 | 原因→結果の接続「だから」 | 前節の内容を前提に、後節で帰結・結論を述べる。 |
you | 代名詞(2人称) | 主語(一般人を指す汎用の you) | 特定の相手ではなく“一般に人は”という意味の generic you。 |
can’t know | 助動詞+動詞(否定) | 知ることができない/把握不可能 | 能力・可能性の否定というより、原理的な不可知を述べる用法。 |
what will happen | 名詞節(間接疑問) | 「何が起きるか」=know の目的語 | 語順は平叙(倒置なし)。未来の出来事を示す will happen を内包。 |
読解のポイント
take place の語感:ただ「起こる」ではなく「行われる」
happen よりも、予定された出来事や場での発生を匂わせるのが take placeです。ここでは「行為=相互作用として“場”で生じる」ニュアンスが出せます。社会的・哲学的な文脈に相性がよい表現です。
between と among:どちらも可、焦点が違う
伝統的には「二者=between/三者以上=among」と習いますが、近年は関係の“あいだ”に焦点を当てるとき、人数が多くても between をよく使います。ここでは「人と人との相互作用」を前面に出すため between people が自然。
what will happen は“間接疑問”の名詞節
know の目的語として「何が起こるか」を一塊に名詞化しています。間接疑問なので、語順は平叙(what + will + happen)で、疑問文の倒置にはなりません。これを見抜けると、長い文でも主節=「(私たちは)分からない」、目的語=「何が起きるか」と骨格が掴めます。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
ラジオのコーナーで、トムとショウヘイは10歳のアユムからの相談を読む。友だちにドッジボールの敗因を自分のせいだと言われ、怒っているという内容だ。ショウヘイはハンナ・アーレントを引き、思考より行為が重要で、行為は結果を完全に制御できず取り消せないというリスクがあり、許しが復讐の連鎖を断つと説明する。二人は友だちと話し合い、新たな関係を目指すよう助言する。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
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ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
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