このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週火曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。くすっと笑える話や、じんわり泣ける話など、私たちの日常のひとコマを切り取ったようなストーリーを楽しめます。
本日のShort Storiesのストーリーは「Happiness」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

“Happiness(幸せの鳥)”:和訳
1ページ目
Momoka:退屈だなあ。毎日同じ。学校に行って、家に帰って宿題をするだけ。何かワクワクすることが起こればいいのに……(窓から何かが飛び込んでくる)きゃあ!! お父さん! 助けて!
Father:モモカ!どうしたんだい?
Momoka:何かが窓から飛び込んできたの!
Father:何だい?
Momoka:わからないわ。カーテンの後ろに隠れてる。
Father:つかまえるよ。
Momoka:気をつけて!
Father:おっと! 鳥だ!
Momoka:わあ、とってもきれい! オレンジ色の頭に黄色いほお、緑の翼、白いお腹。オウム(インコ)だと思うわ。鳥の図鑑で調べてみる。
Father:モモカ、何をしてるんだ? 外へ逃がしてやらないと。
Momoka:だめ! カラスに襲われるかもしれないもの。だから家の中に入ってきたのかも。
Parrot:(鳥の鳴き声)
Momoka:きっと誰かの飼い鳥だわ。
2ページ目
Momoka:飼い主が探しているに違いないわ。(本をぱらぱらめくる)あ、見つけた! シロハラインコだ。
Father:じゃあ、警察に連絡しよう。持ち主探しを手伝ってくれるよ。
Momoka:わかった。でも見つかるまでうちで預かってもいい? ちゃんとお世話するから!
Father:そうだな、警察にそれでいいか聞いてみよう。
Momoka:やった! (オウムに向かって)あなたの名前は「ハッピー」にするね。
* * * *
〜20年後〜
Friend:ねえモモカ、ハッピーを飼ってもう20年になるの?
3ページ目
Momoka:うん。シロハラインコはたいてい20〜30年生きるの。
Friend:へえ。それで、飼い主は結局現れなかったの?
Momoka:ううん。「迷子のオウム」のポスターを作って近所中に貼ったけど、誰からも電話は来なかったの。
Friend:そっか。私は鳥を飼ったことがないんだ。ハッピーと暮らすってどんな感じ?
Momoka:思っているよりずっと手がかかるよ。毎日少なくとも2時間は遊んであげないといけないの。そうしないとうるさく鳴いちゃうの。
Friend:私には無理かも。で、どんな声なの?
Happy:(鳥の鳴き声)
Momoka:こんな感じ!
4ページ目
Friend:わあ!
Momoka:(Happyに)よし、ハッピー。ちょっと待ってね。ケージから出してあげる。
Friend:ちょっと大きな声だったね……。
Momoka:ね、でしょ? 最初は鳴き声がうるさすぎるって近所の人に苦情を言われたの。しかもくちばしが鋭いから、手に傷ができることもあるのよ。
Friend:痛そう!
Momoka:でも彼のせいじゃないの。遊びたいだけだから。あ、それに食欲もすごいの。
Happy:ごはん!
Momoka:「ごはん」って言ってるの。お腹がすいたんだわ。
Friend:いいね。ところで、どうして名前を「ハッピー」にしたの?
Momoka:私を幸せにしてくれるといいなって思ったから。ある日、人生にすごく退屈していたときに、彼が私の部屋に飛び込んできたの。贈り物みたいに感じたのよ!
Friend:なるほど! で、ハッピーはあなたを幸せにしてくれた?
Happy:モモカ、ごはん!
Momoka:まあ、うるさいし、いつも遊びたがるけどね。でも賢くて、愛情深くて、ずっと私のそばにいてくれたの。
5ページ目
Friend:もう家族だね!
Momoka:うん、そうだよ。ハッピーは本当に私を幸せにしてくれたの!

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
腹部、おなか
オウム
不満を言う、文句を言う
くちばし
責任、罪

チャンクPickUP
I’ll look it up in my bird book.
(日本語訳)鳥の図鑑でそれを調べてみるね。
構成パーツの解説
形・語 | 役割/意味 | 使い方・メモ |
---|---|---|
I’ll (= I will) | 即時の意思・申し出 | その場で「じゃあ〜するよ」。be going to より瞬間の決断寄り。 |
look it up | 句動詞「調べる」 | separable(分離可能)。名詞なら look up the word / look the word up。代名詞は必ず中に入れて look it up。 |
in my bird book | 情報源(媒体)を示す前置詞句 | 書籍・辞書は in、ウェブは on the internet / on Wikipedia、アプリは in the app が自然。 |
look up | (本・辞書・ネット等で)情報を引く | 「見上げる」とは別義。look up to(尊敬する)、Things are looking up(好転している)とも混同注意。 |
「look ~ up」は“辞書やネットで調べる”の定番句動詞です。分離可能なので、代名詞は必ず中に入れる(look it up)。媒体は in a book / dictionary, on the internet, in the manual のように前置詞を使い分けます。
類義語との違い:
look for は“探す”(物の所在捜索)
check は“確認する”(軽い確認)
search は“検索/捜索”(やや固い・技術的)
look into は“詳しく調査する”(原因追及)
ちなみに、“Can I look up the word?” のように丁寧に許可を求める場合も使えます。カジュアルにするなら “Let me look it up.”でもOK。また、“look up for”とは言わない(look for と混ぜない)ことに注意。
look up の表現は、仕事や日常会話、英会話のレッスン中にも使える万能な表現です!
日常会話例
– Can I look up the word?
(その単語、調べてもいいですか?)
– I looked up the restaurant in the guidebook, and it’s closed on Mondays.
(ガイドで調べたら月曜休みだったよ。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“I wish something exciting would happen . . .”
(日本語訳)何かワクワクすることが起こればいいのになあ……。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 文法的機能 | 補足 |
---|---|---|---|
I wish (that) … | …だったらいいのに(という願望) | 主要動詞+名詞節 | that は省略可。現実とは異なる/自分で変えられない事態への願いに使う。 |
something exciting | わくわくする何か | 不定代名詞+形容詞 | something/anything/everything + 形容詞で後置修飾(something interesting など)。exciting は「(人を)ワクワクさせる」=原因側、excited は「(人が)ワクワクしている」=受け手側。 |
would happen | 起これば(起こってくれれば) | 助動詞 would+動詞原形 | wish + would は「自分でコントロールできない事が“今後”変わることへの期待・不満混じりの願い」。 |
…(三点リーダ) | 余韻・未完の思い | 様態記号 | ため息や空想の余韻を示す。文法上は不要だが語調を柔らかくする。 |
読解のポイント
「wish + would」は“外部要因が変わってほしい”願い
この wish + would は、自分ではどうにもできない相手・天気・運などに向けて「〜してくれればいいのに」という未来志向の願望を表します。うっすら不満・もどかしさが含まれるのが特徴です。
例:I wish it would stop raining.(雨、やんでくれればなあ)
「wish + 過去形」「wish + could」「wish + had 過去分詞」との違い
wish + 過去形:今の状態が違っていたら…(現状否定)。I wish I had more free time.
wish + could + 動詞:能力・可能性の不足。I wish I could drive.
wish + would + 動詞:外部の変化への希望・苛立ち。I wish the neighbors would be quieter.
wish + had + pp:過去への後悔。I wish I had studied more.
※自分の行為に wish I would … は通常不自然(自分でコントロールできるため)。
I wish I would stop procrastinating より I wish I could stop … / I wish I didn’t procrastinate. が自然。
would happen」は出来事にも使える
would は意思や習慣だけでなく、出来事全般にも使えます(主体が無生物でもOK)。
ここでは「何か面白いことが起きてくれたら」という自発的発生への期待。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
日々の繰り返しに退屈していたモモカの部屋へ、色鮮やかなオウムが飛び込む。シロハラインコだと突き止め、警察に届けるつもりだが、飼い主が見つかるまで預かりたいと願う。20年後も名乗り出る人はおらず、「ハッピー」と名づけられた彼は騒がしく手がかかり、ときに「ごはん!」としゃべるが、賢く愛情深い。モモカは、ハッピーがずっとそばにいて本当に自分を幸せにしてくれたと語る。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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