エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(8/5・12)

火曜日:オリジナル・ショート・ストーリー

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。


毎週火曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。くすっと笑える話や、じんわり泣ける話など、私たちの日常のひとコマを切り取ったようなストーリーを楽しめます。

本日のShort StoriesのストーリーはRescued Booksです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

“Rescued Books(本の疎開)”:和訳

1ページ目

Yuzuru:やあ、ひいおじいちゃん!来たよ!

Great-Grandfather:君たちが来てくれて、夏が来たように感じるよ。

Yuzuru:僕も同じ気持ちだよ。ところで、この部屋大好き。すごい本の数だね!今まで聞いたことなかったけど、何冊くらいあるの?

Great-Grandfather:数えたことはないけれど、全部で3,000冊くらいだと思うよ。

Yuzuru:3,000冊もあるの?本当に僕はあなたのひ孫なのかな?

Great-Grandfather:それはどういう意味だい?

Yuzuru:僕、本を読むのが得意じゃないんだ。夏休みの宿題で本を読んでレポートを書かないといけないんだけど、どの本を読めばいいかわからなくて。

Great-Grandfather:ああ、やっぱり君は私のひ孫だね!

Yuzuru:え?

Great-Grandfather:私も君の年頃のときは本が好きじゃなかったんだ。最後まで読み切ったことがなかったよ。

2ページ目

Yuzuru:本当?じゃあ、どうして今はこんなに本に囲まれているの?

Great-Grandfather:1940年代、日本は戦争中だったことは知っているよね?

Yuzuru:うん、第二次世界大戦だよね。

Great-Grandfather:そうだ。東京は爆撃され、家や建物が焼け落ちた。とても大変な時代だった。私は当時中学生で、ある日、日比谷の図書館から田舎に本を運ぶように言われたんだ。

Yuzuru:本を運ぶ?

Great-Grandfather:そう、本を荷車やリュックに詰めて奥多摩や埼玉県の志木市まで運んだんだ。何日も何日もかかったよ。

3ページ目

Yuzuru:遠かったの?

Great-Grandfather:確か50キロくらいあったと思う。

Yuzuru:そんなに遠いの?日帰りなんて無理だね。

Great-Grandfather:目的地まで一晩中歩いたんだ。

Yuzuru:その時、本を読み始めたの?

Great-Grandfather:休憩時間にやることが他になかったからね。その時にあることに気づいたんだ。

Yuzuru:何に気づいたの?

Great-Grandfather:たくさんの本には希望があるってことに。

4ページ目

Yuzuru:希望?

Great-Grandfather:本を読むと、人は前向きに考え始めるんだ。友達と僕は、戦争が終わったら食べたい食べ物やお菓子のことを考えた。本で読んだ場所に旅行することも考えたし、結婚して家族と一緒に暮らすことも想像した。本を読むことが、僕たちに希望をくれたんだ。

Yuzuru:だから人々は本を安全な場所に運ばせたのかもしれないね。戦後に本を残しておきたかったんだよね。

5ページ目

Great-Grandfather:その通りだ。僕たちはおよそ40万冊の本を救うことができた。でも5月には、その図書館は爆撃で破壊されてしまったんだ。

Yuzuru:そんな!

Great-Grandfather:持ち出せなかった本がたくさんあった。そして、それらはすべて焼けてしまった。

Yuzuru:だから今こんなに本を持っているの?

Great-Grandfather:そうかもしれない。でも自分でもわからない。

Yuzuru:ひいおじいちゃん、好きな本はどれ?

Great-Grandfather:どうして?

Yuzuru:あなたのおかげで本を読みたくなったんだ。

Great-Grandfather:どれも私のお気に入りだよ。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

20倍

〜をすする

咳をする

〜に感動を与える・よい印象を与える

チャンクPickUP

I have never counted them.
(日本語訳)私はそれらを数えたことが一度もありません。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
I主語話し手を示す
have~したことがある(現在完了)助動詞的に働く(完了形を作る)「所有する」ではなく、現在完了形を作る助動詞
never決して~ない、一度も~ない頻度副詞「ever(一度でも)」を否定にしたもの
counted数えた動詞の過去分詞完了形にするため過去分詞形
themそれら目的語指しているのは「books」

「I have never~」「私は一度も~したことがない」という意味で、日常会話でよく使う便利なパターンです。このhaveは現在完了形を作る助動詞的な働きをします。現在完了形は「過去のある時点で起きたこと」+「その結果が今に関係する」 というニュアンスを持っています。
現在完了形は、「主語 + have + 過去分詞」で表現され、経験(〜したことがある)、継続(ずっと〜している)、完了(〜し終わった)、結果(〜してしまった)を過去から現在までのつながりをもって表します。

ストーリーの前半では、「have to 〜」(〜しなければならない)という義務の表現、「have + 名詞」の所有の表現とともに、「I have never 〜」の現在完了形の表現も出てきます。同じhaveを使うまとまりでも意味や役割が全く異なるので、しっかり読み解くことが重要です。

日常会話例

I have never been to Mexico.
(メキシコに一度も行ったことがありません。)

I have never eaten sushi before.
(これまでお寿司を食べたことがありません。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
“My friends and I thought about food and sweets that we wanted to eat when the war was over.”
(日本語訳)私と友達は、戦争が終わったときに食べたい食べ物やお菓子について考えました。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
My friends and I私の友達と私主語主語が複数人なので「we」に置き換え可能
thought about~について考えた動詞句過去形、aboutとセットで「~について考える」
food and sweets食べ物とお菓子名詞句thought about の目的語
that we wanted to eat私たちが食べたかった関係代名詞節先行詞 sweets を修飾
when the war was over戦争が終わったとき時を表す副詞節wanted to eat の後に付いて、食べたい時期を説明

読解のポイント

この文は情報が多いので、かたまり(チャンク)ごとに理解するとスムーズです。
My friends and I thought about / food and sweets / that we wanted to eat / when the war was over.
私と友達は考えた食べ物とお菓子について私たちが食べたいと思っていた戦争が終わったときに

主語と動詞をまず見抜く

文の骨格は My friends and I thought about food and sweets です。
「私と友達は食べ物とお菓子について考えた」というのが中心。
この骨格を先に押さえると、残りの修飾部分が理解しやすくなります。

関係代名詞 that の役割

that we wanted to eat は、直前の food and sweets を修飾しています。
つまり、「私たちが食べたいと思っていた食べ物やお菓子」という意味になります。
関係代名詞 that は先行詞(food and sweets)を文に繋げる役割をしています。
もし関係代名詞がなかったら意味が切れてしまうので、ここは重要ポイントです。

when 節の意味と位置に注意

when the war was over は、「戦争が終わったとき」という意味で、wanted to eat にかかります。
→「戦争が終わったときに食べたい」となるわけです。
この副詞節は最後に置かれているため、文末まで読み進めないと完全な意味がわかりません。
こういう場合、「どの動詞にかかっているのか」を意識して読むと混乱を防げます。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
ユズルは約3,000冊の本を持つひいおじいちゃんを訪ねる。驚いたユズルは、その本が第二次世界大戦中に守られたことを知る。学生だった彼は、本を爆撃から守るために東京から田舎へ運んだのだ。その中で、本が希望を与え、戦後の夢を描かせることを学んだ。今、その本は希望と強さの象徴として残っている。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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