このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週火曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。くすっと笑える話や、じんわり泣ける話など、私たちの日常のひとコマを切り取ったようなストーリーを楽しめます。
本日のShort Storiesのストーリーは「Thunder at the Rock Festival」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

“Thunder at the Rock Festival(雷とフェスの思い出)”:和訳
1ページ目
Akari:ねえ、お父さん、ただいま!
Father:よかった。お母さんはどこにいるんだ?
Akari:トイレのところに長い列があって、そこにいるよ。
Father:暗いし人も多いから、ちゃんとテントに戻れるといいけどな。
Akari:迷ったら、きっとどっちかに電話してくるよ。あのさ、お父さん、私とお母さんがミュージシャンを見てる間、本読んでたの?
Father:ああ。
Akari:ああ、ごめんね。お父さんって音楽に興味ないのに……
Father:気にしなくていいよ。実はすごく楽しんでるんだ。自然の中で読むのって本当にリラックスで
きるよ。それに、お腹がすいたら屋台でおいしいご飯が食べられるし、コーヒーもおいしいんだ。
Akari:本当に?
Father:もちろんさ! (ゴロゴロ)おっと、雷だ!
Akari:雨が降りそうだね。雲がすごいスピードで動いてるよ。
Father:山の天気は変わりやすいからな……
Akari:あっ!雨だ!テントに入ろう!
2ページ目
Father:そうだな。でもテーブルとイスも中に入れなきゃ。それに靴とバッグも!
Akari:すごい勢いで降ってきた!蒸し暑かったから気持ちいいね。見て!みんな叫んでるけど楽しそう!
Father:まあ、野外ロックフェスで雨に降られるのも楽しみのひとつだしな。ああ、お母さんが心配だ……
Akari:きっと大丈夫だよ。お父さん、心配しすぎ!
Father:お前は知らないかもしれないけど、お母さんは雷が怖いんだ。初めて会ったときも、ちょうどこんな天気だったよ。
3ページ目
Akari:ほんとに?
Father:ああ。俺はそのとき、野外ロックフェスで焼きそばの屋台をやってて、お母さんはお客さんだったんだ。
Akari:ウソ!お父さんとお母さん、ロックフェスで出会ったの?でもお父さんって音楽全然聴かないのに……
Father:確かに。でも自然の中にいるのは好きなんだ。
Akari:ああ、そうだったね。
Father:でさ、雨が降り出したと思ったら急にお母さんが屋台に飛び込んできたんだ。友達が見つからないって言っててね。
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Akari:うわあ、大変だったね。
Father:ああ、気の毒だったよ。雷が怖くて震えてたんだ。だから、「雨と雷がやむまでここにいていいよ」って言ったんだ。
Akari:お父さん、やさしいね。
Father:そのあとすぐに雨はやんで、お母さんはお礼を言って帰っていったよ。
Akari:え、それだけ?
Father:ああ、でもね、それだけじゃないんだ。演奏が終わるたびに、お母さんがまた俺のところに焼きそばを買いに来てくれてさ。
(携帯の着信音)
ああ、どこにいる?……わかった、すぐ行くよ。(電話を切る)
5ページ目
Akari:お母さんだった?
Father:ああ。トイレの近くにいるんだって。雷はもうやんだけど、まだ怖くて震えてるってさ。迎えに行ってくるよ。
Akari:ゆっくり行ってきていいよ。あ、帰りに焼きそばでも食べたら?
Father:それ、いいアイデアだな!

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
蒸し暑い
叫ぶ
かわいそうに

チャンクPickUP
She just left?
(日本語訳)彼女、すぐ出て行ったの?
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
She | 彼女は | 主語 | 会話文脈上の対象人物 |
just | すぐに | 副詞(時) | 「ほんの少し前に」というニュアンス |
left | 出て行った | 動詞(過去形) | 「leave」の過去形 |
? | 疑問 | 疑問調 | 実際は疑問詞がない省略形だが、語尾を上げて質問しているニュアンス |
She just left? が、疑問文なのに語順が普通なのは、“echo question”(相手の言ったことを繰り返して確認する質問) にあたるためです。
またleftは動詞「leave」の過去形・過去分詞形です。左のleftと同じですが、文脈で判断しましょう。
日常会話例
– A : Ken just called you.
B : He just called? What did he say?
A : (ケンがさっき電話してきたよ。)
B : (さっき電話してきたの?何て言ってた?)

チャンクPickUP-2
The weather has been hot and sticky, so it feels good.
(日本語訳)天気がずっと蒸し暑かったから、(雨が降って)気持ちいいね。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
The weather | 天気 | 主語 | 単数扱い(is / has been など) |
has been | (今まで)ずっと〜だった | 現在完了形(継続) | 今も続いているか、直前まで続いていた 状態を表す |
hot and sticky | 暑くて蒸し蒸しする | 補語(形容詞) | 不快な天気を表すときの定番セット |
so | だから | 接続詞 | 前の文と後ろの因果関係をつなぐ |
it | 天気のことを指す仮主語 | 主語(形式的) | 天気や気分など抽象的な「感じ」にはよく使われる |
feels good | 気持ちいいと感じる | 動詞+形容詞 | feel + 形容詞:〜と感じる |
has/have been + 形容詞(または状態) は、「その状態が過去から今まで続いている/今も影響が残っている」ことを表す便利な構文です。
→「現在形」でも「過去形」でもない中間のようなニュアンス。
→具体的にいつ始まったかは言わないけれど、今に影響してるのがポイント。
「has been」は、何かを評価・感想・行動する時の理由としてよく使われます。
例えば
・最近ずっと暑かった→だから冷たい炭酸ドリンクが美味しい
・ずっと忙しかった→だから今日はのんびりしたい
というような時、英語ではその「ずっと」の部分に現在完了を使うという感覚です。
日常会話への応用
– It has been raining all day, so I stayed home.
(一日中雨が降ってたから、家にいたよ。)
– The internet has been slow all morning, so I couldn’t finish my work.
(午前中ずっとネットが遅くて、仕事が終わらなかったよ。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Well, at outdoor rock festivals, getting caught in the rain is part of the fun, right?”
(日本語訳)まあ、野外ロックフェスでは、雨に降られるのも楽しみの一部だよね?
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能・文法 | 補足 |
---|---|---|---|
Well | さて、えーと | 発話のつなぎ・導入語 | 会話を柔らかく始めるときに使う |
at outdoor rock festivals | 野外のロックフェスでは | 前置詞句(場所の限定) | “at” はイベントに参加している状況を指す |
getting caught in the rain | 雨に降られること | 動名詞句(主語) | “get caught in ~”=〜に巻き込まれる |
is | 〜である | 動詞(be動詞) | 主語に対応する述語動詞 |
part of the fun | 楽しみの一部 | 名詞句(補語) | “a part of” の表現は部分性を示す |
right? | 〜だよね? | 付加疑問 | 同意を求める会話表現 |
読解のポイント
動名詞を主語にする構文
この文の主語は “getting caught in the rain” です。これは「雨に降られること」という名詞的な意味で、動名詞(getting)+受動態(caught)で構成されています。
「行動」を一つのまとまりとして名詞扱いしているため、主語が長くなり、どこが主語でどこが述語か迷いやすくなると思います。
“part of the fun” の感覚的な理解
「part of the fun(楽しみの一部)」は、ネイティブがよく使う定型表現です。
「面倒なことも込みで楽しみ」や「不便さが味わい」といった文脈で出てきます。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
野外ロックフェスで、突然の雷雨の中、アカリと父はテントで母を待つ。テントの中で、アカリは両親が同じような天気のフェスで出会ったことを知る。父はその思い出を懐かしく語る。そこへ母から電話が入り、雷が怖くて震えていると話す。父は迎えに行くが、その姿は昔と変わらぬやさしさをにじませていた。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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