このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週火曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。くすっと笑える話や、じんわり泣ける話など、私たちの日常のひとコマを切り取ったようなストーリーを楽しめます。
本日のShort Storiesのストーリーは「A Suitcase and a Gentleman」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

“A Suitcase and a Gentleman(スーツケースと紳士)”:和訳
1ページ目
Harumi:(電話で)信じられる?エリ。お気に入りの歌手のライブを見にわざわざ東京まで来たのに、バンドの半分がインフルエンザで中止になっちゃったの。それで帰ろうと外に出たら、バケツをひっくり返したような雨!今どこかって?今、新幹線に乗ったところ。大阪行きよ……もしもし?
(心の声)ああ、バッテリーが切れた!今日は最悪!席を見つけて、家までずっと寝てやる。ええと……15-E、15-E。あった!荷物を棚に上げて……うっ!なんでこんなに重いの?きっとコンサートホールでお土産買いすぎたんだわ。よし、できるできる!はっ!……あぁっ……ううっ!無理!
Man:それ、手伝いましょうか。
Harumi:えっ?
Man:この荷物だけ棚に上げればいいですか?
2ページ目
Harumi:はい。でもすごく重いんです。
Man:大丈夫ですよ。
Harumi:わぁ!あなたは簡単そうに持ち上げましたね。
Man:僕の席はあなたの2列後ろです。降りるときに声をかけてください。
Harumi:ありがとうございます。(電車が発車)
(心の声):今、何が起こったの!?イケメンが荷物を手伝ってくれた!完全に心を奪われちゃったわ。エリに伝えなきゃ!ああ、でも携帯の電池がない。モバイルバッテリーどこ?あっ、スーツケースの中だ。
Man:何か問題でも?
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Harumi:うーん、大したことじゃないんですけど……
Man:スーツケースから何か取り出したかったんですか?
Harumi:はい。
Man:わかりました。どうぞ。
Harumi:ありがとうございます。すぐに終わりますから。
Man:大丈夫ですよ。ゆっくりどうぞ。
Harumi(心の声):なんて紳士なの!?こんな親切な人、初めて会ったわ。20代?いや、自然にこんなことできるなら30代かも。
(男性に)必要なものは取り出せました。ありがとうございました。
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Man:どういたしまして。何かあれば、いつでも言ってください。
Harumi:ありがとうございます!(心の声)エリに話したい!メッセージ送らなきゃ。
(* * *)
Harumi(心の声):あ、返信きた!えっ?何て書いてるの?「騙されないで」?罠かもって?いやいや、彼が私からお金を盗もうとしてるなんて絶対ない!でも、今日はついてない日だったからなあ。こんな日はだまされやすいのかも。でも彼、すごくいい人だった……zzz……(眠りに落ちる)
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Announcement:次は京都、京都……
Harumi:寝ちゃってた!あ、こんにちは。
Man:僕は京都で降ります。あなたのスーツケース、棚から下ろしておきました。大阪で降りるって言ってましたよね。
Harumi:本当にありがとうございます!
Man:それじゃ。
Harumi(心の声):エリ!彼、私を騙そうとしてたわけじゃなかった。本当に紳士だった。ああ、連絡先も何も聞けなかった……やっぱり今日は最悪の日!

日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
インフルエンザ
新幹線
列
20代で
〜をだます

チャンクPickUP
It won’t take long.
(日本語訳)時間はかかりませんよ。/すぐ終わります。
Take your time.
(日本語訳)急がなくていいですよ。/ゆっくりどうぞ。
構成パーツの解説
文 | パーツ | 意味 | 機能/補足 |
---|---|---|---|
It won’t take long. | It | (仮主語)それは | “take” の内容を指す:この行動や時間について |
won’t | will not(未来の否定) | 「〜しないでしょう」と未来を否定 | |
take | (時間が)かかる | “take time” = 時間を要する | |
long | 長い(時間) | どれくらいの時間かを表す | |
Take your time. | Take | 取る、使う | 「時間を自分のために使ってください」→「ごゆっくり」 |
your time | あなたの時間 | あなたが必要なだけの時間 |
「It won’t take long.」も「Take your time.」も、日常会話で非常によく使われる“お決まりのフレーズ(定型表現)”です。短くシンプルですが、非常に自然で便利なやり取りです。
日常会話例
– A : I just need to send a quick message. It won’t take long.
B : Take your time. No hurry.
A : (ちょっとだけメッセージ送るね。すぐ終わるよ。)
B : (ゆっくりどうぞ。 急がなくて大丈夫。)

チャンクPickUP-2
Let me know when you are ready to get off.
(日本語訳)あなたが降りる準備ができたら教えてね。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Let me know | 私に知らせてね | 主文(依頼) | “let 人 know”は「~に知らせる」の定番チャンク |
when | ~のときに | 接続詞 | 時を示す従属節を導く |
you are ready | あなたが準備できている | 従属節(主語+be動詞+形容詞) | 状態を表す文 |
to get off | 降りることに | 不定詞(目的) | get off = 乗り物から降りる |
「Let me know + when/if/what/how…」は、〜したら教えて」「どうすればいいか教えて」など幅広く応用できるが、少しカジュアルな表現になります。上司やフォーマルな場では、「Please inform me」などのほうが良い場合もあります。
Let me は「私に〜させて」という意味の構文ですが、後ろにくる動詞の種類によって、意味のニュアンスが異なります。
- 能動的な行動を示す動詞(help, explain など)の場合
→「自分が〇〇しますよ」という申し出や提案になります。
(例:Let me help you.=私に手伝わせてください) - 情報を受け取るような動詞(know, hear, see など)の場合
→「あなたが私に〇〇してください」という、相手への依頼の意味になります。
(例:Let me know.=私に知らせてください)
このように、「let me」の構文は単純に「私に〜させて」と訳すのではなく、動詞の性質や文脈に応じて解釈する必要があります。
日常会話への応用
– Let me know when you’ll be there.
(いつ着くか教えてね。)
– Let me know when you’re ready to order.
(注文が決まったら教えてね。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“I came all the way to Tokyo to see my favorite singer, but they canceled the show because half of the band members are sick with the flu.”
(日本語訳)私はお気に入りの歌手に会うために、はるばる東京まで来たのに、バンドメンバーの半分がインフルエンザにかかっているせいで、公演は中止されちゃったの。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
I came | 私は来た | 主語+動詞 | 過去形 |
all the way to Tokyo | はるばる東京まで | 副詞句 | 「遠くからわざわざ」という強調 |
to see my favorite singer | お気に入りの歌手に会うために | 不定詞の副詞用法 | 目的を示す |
but | でも | 接続詞 | 前後で対照・逆接 |
they canceled the show | 彼らは公演を中止した | 主語+動詞+目的語 | 「they」は主語不明なまま会話で登場(ここでは主催者かバンド側) |
because | なぜなら | 接続詞 | 理由を導く |
half of the band members | バンドメンバーの半分が | 主語 | 「half of + 複数名詞」で「〜の半分」 |
are sick with the flu | インフルエンザにかかっている | 動詞+補語 | 「be sick with」で「〜にかかっている」 |
読解のポイント
「to + 動詞の原形」の目的表現に注目
「to see my favorite singer」は「目的」を示す不定詞句です。
「I came all the way to Tokyo」に対して「何のために来たのか?」という目的を説明しています。
英語では「go to 〜」「come to 〜」などの動作のあとに「to + 動詞の原形」で目的を続ける表現が非常によく使われます。
接続詞「but」の使い方と対比の構造
「but」は前半の期待(東京まで来た)と後半の事実(キャンセルされた)を対比しています。「but」のあとは、新しい主語「they」が登場しますが、これは「the band」または「the staff」などの文脈上の複数名詞を指していると考えられます。
この「but」で切り替わる部分が、気持ちの落差や展開のポイントとして大切です。
「all the way to Tokyo」の強調表現
「all the way」は距離や努力を強調する表現です。「I came to Tokyo」だけでも文は成立しますが、「all the way」が加わることで「わざわざ、遠路はるばる」といったニュアンスが強まります。
これは日常会話でも感情を込めて話すときによく使われるチャンクです。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
ハルミはお気に入りの歌手に会うために東京に行くが、ライブは中止に。帰り道では土砂降りになり、携帯のバッテリーも切れてしまう。新幹線では親切な男性が重いスーツケースを手伝ってくれ、その優しさに心を打たれる。しかし連絡先を聞きそびれてしまう。いろいろあった一日だったが、少し温かく、少し後悔の残る気持ちで終わる。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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