このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週火曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。くすっと笑える話や、じんわり泣ける話など、私たちの日常のひとコマを切り取ったようなストーリーを楽しめます。
本日のShort Storiesのストーリーは「Summer Solstice」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

“Summer Solstice(夏至といえば)”:和訳
1ページ目
Yamato:エミ!今日の授業はこれで終わり?
Emi:うん、でもまだ帰れないの。ダンス部の練習があるから。
Yamato:ああ、君はポーランドからの留学生だよね?
Emi:ヤマト、こちらはテレサ。テレサ、ヤマトに会って。
Teresa:こんにちは、ヤマト。
Yamato:うちでたこ焼きパーティーをするから、来てほしいんだ。テレサ、君もだよ。たこ焼きは僕の地元の名物なんだ。
Teresa:じゃあ、大阪の出身ね!
Emi:そうだよ。でもどうして今日たこ焼きパーティーをするの?
Yamato:今日は夏至の日だからさ、geshi!
Teresa:geshiって単語をちょうど習ったところよ。一年で一番昼が長い日なんだよね?
Yamato:そのとおり!日本では、夏至の頃にタコを食べるんだ。
Emi:えっ?
Teresa:面白いわね。どうしてタコなの?
Yamato:稲の根がタコの足のように広がって、強くなるように祈るためって言う人もいるよ。
2ページ目
Emi:ヤマト!テレサに嘘つかないでよ。
Yamato:嘘じゃないよ!
Emi:テレサ、日本では夏至の日に「冬瓜(とうがん)」を食べるの。
Teresa:そうなの。
Emi:90%以上が水分で、ビタミンCもたっぷりあるのよ。
Teresa:暑い夏の日にはぴったりね。
Yamato:エミ、嘘つきだな!そんなの聞いたことないよ。夏至の日に冬瓜なんて食べないよ。タコを食べるんだってば!
Emi:違うよ、冬瓜だもん!
3ページ目
Yamato:「冬」のメロンでしょ?夏に冬のメロンなんて食べられるわけないよ!
Emi:冬瓜っていうのは、収穫してから何ヶ月ももつから冬まで食べられるって意味なの。それに、大阪の人はいつもたこ焼きを食べてるでしょ、夏至に限らず。
Yamato:まあ、それはそうだけど。でも夏至の日は特別なんだよ。
Teresa:まあまあ、落ち着いて二人とも。ポーランドでは、お花やハーブでリースを作るのよ。
Emi:すてきね!
Teresa:それで、女の子たちはリースを川に流すの。リースが川を流れていくのを、男の子たちは待ってるの。それで男の子が川に飛び込んでリースを取って、作った女の子に返すの。お互いに好意があれば、カップルになるの。
4ページ目
Emi:わあ!ロマンチック!
Yamato:でも全部同じに見えるよ。誰が作ったかなんてどうやってわかるの?
Teresa:全部手作りだから、それぞれ違うのよ。
Yamato:僕には見分けがつかないな。でもわかった!もしリースにたこ焼きが乗ってたら、それが僕のだってすぐわかる!
Emi:リースにたこ焼き?うわ…そんなリース、誰もヤマトには作らないよ。
5ページ目
Yamato:なんで?個性的でいいじゃん!
Emi:行こう、テレサ。
Yamato:ちょっと、パーティーはどうするの?来るの?
Emi:もちろん行かないよ。私は…
Teresa:私たち、行くわ!
Emi:テレサ?
Teresa:私がエミのリースを作るわ。ヤマト、あなたはそれを取らなきゃだめよ!
Emi:えっ?
Teresa:みんな知ってるわよ、あなたたち二人が両思いだって。お似合いのカップルになるわ!
Yamato:あ、うん。待ってるよ。
Teresa:たこ焼きを食べるのが待ちきれないわ!じゃあね!
Emi:テレサ!
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
広がる
うそを言う
花輪、花冠、リース
交換留学生
根、地下茎
絶対に〜できない
チャンクPickUP

Calm down, you two.
(日本語訳)まあまあ、落ち着いて二人とも。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Calm down | 落ち着いて | 命令文(動詞+副詞) | 「Calm(落ち着かせる)」に「down(強調や方向)」が加わった句動詞。 |
,(カンマ) | (区切り) | 呼びかけの前に入れる区切り記号 | 呼びかける相手を明示するときの自然な区切り。文法的に重要。 |
you two | 君たち二人 | 呼びかけの対象 | “you”に“two”を加えることで「2人」に限定している。 |
カンマがあることで、命令と呼びかけが明確に区切られ、自然なリズムが生まれています。
※ 書き言葉では特に重要。カンマがないと違和感が生まれます。
→ 呼びかけは文の末尾・途中・冒頭でも使えるが、必ずカンマで区切る必要があります。
今回の一文は非常に実用的で、以下のような場面でそのまま使用できます。
・ちょっとしたケンカや口論を止めたいとき
・興奮気味の子どもや友達に優しく言うとき
・友達同士の軽いツッコミや冗談にも
日常会話への応用
– Come on, you two. Don’t fight.
(もう、二人とも。ケンカしないで)
– Be quiet, you two. The movie is starting.
(静かにして、二人とも。映画始まるよ)

チャンクPickUP-2
And you people in Osaka eat takoyaki all the time, not just for Midsummer Day.
(日本語訳)それに、大阪の人たちはたこ焼きを夏至の日だけでなく、いつも食べてるじゃない。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
you people in Osaka | 大阪のあなたたち(大阪に住む人々) | 主語 | 「you」と「people」で「あなたたち全体」を強調 |
eat takoyaki all the time | たこ焼きをいつも食べている | 動詞句(述語) | 「all the time」で「常に・しょっちゅう」 |
not just for Midsummer Day | 夏至の日だけでなく | 副詞句(時・範囲を限定) | 「just」で「だけ」の意味を強調 |
you peopleはカジュアルな会話でよく出てきますが、文脈によってはやや批判的またはからかいのニュアンスになることもあるため、使い方には注意が必要です。
you people in Osakaのように、名詞に前置詞句+地名や集団を続けることで、「その地域や特徴を持つ人たち」という表現が可能です。
日常会話への応用
– The man at the station will help you with your trip.
(駅にいる男性は、あなたの旅行をサポートしてくれます。)
– The paintings in this museum belong to this country.
(この美術館に飾っている絵は、この国の持ち物です。)


関係代名詞の文章をPickUP
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Some people say that it’s to pray that the roots of rice plants will spread out like an octopus’s legs and be strong.”
(日本語訳) 稲の根がタコの足のように広がって強くなるように祈るためだ、と言う人もいます。
今回は関係代名詞の文ではないですが、that節の中にto不定詞、その中にさらにthat節がある入れ子構造の一文で読みづらい人もいたのではないかと思い、こちらを選びました。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Some people say | 一部の人は言っている | 主語+動詞(that節の導入) | “say that 〜” 構文で「〜だと言う」 |
that it’s to pray | それは祈るためだということ | 第一の that節(目的語) | “it’s to pray” = 「それは〜するためです」という不定詞を使った説明 |
that the roots of rice plants will spread out like an octopus’s legs | 稲の根がタコの足のように広がること | 第二の that節(不定詞句内の内容) | “that the roots… will spread out” が「祈る内容」になっている |
and be strong | そして強くなる | 動詞句の並列 | “will spread out” に続く動作を and で並列して補足している |
各パーツの役割を確認すると、意味が分かりやすくなります。
Some people say that it’s to pray that the roots of rice plants will spread out like an octopus’s legs and be strong.
it’s to prayはsome people sayの目的語(=「何を言っているか」)になります。
Some people say [that it’s to pray …]
→「祈るためだ、と言う人もいる」
→“it’s to pray” 全体が say の内容(that節) になっています。
the roots of rice plants…はto prayの目的語(=「何を祈るのか」)になります。
to pray [that the roots… will spread out and be strong]
→「稲の根がタコの足のように広がり、強くなることを祈るため」
→不定詞 to pray の中身(祈る内容)を that節で受けている構造です。
なお、to 不定詞の基本的な訳し方は以下の通りです。
用法 | 説明 | 例文 | 訳し方 |
---|---|---|---|
目的 | 〜するために | I studied hard to pass the test. | テストに合格するために |
名詞的用法 | 主語・補語・目的語になる | To read books is fun. | 本を読むことは楽しい |
形容詞的用法 | 名詞を修飾する | I have a book to read. | 読むための本 |
副詞的用法 | 動詞・形容詞を修飾する | She was happy to hear the news. | その知らせを聞いてうれしかった |
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
ヤマトはエミとテレサを夏至の日のたこ焼きパーティーに招待します。何を食べるのが夏至の習慣かで、ヤマトはタコ、エミは冬瓜と主張します。テレサはポーランドの伝統を紹介し、女の子が作った花のリースを川に流し、男の子が取れたらカップルになるという風習を語ります。ヤマトがリースにたこ焼きを乗せたいと冗談を言い、みんなで笑います。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
ちなみに先週は、関係代名詞の非限定用法やif構文について手厚くまとめています!
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
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