エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(6/12)

木曜日:哲学者からの答え

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

毎週木曜日は「哲学者からの答え”Answers from Philosophers”」です。現代人のお悩みを解決するヒントを偉大な哲学者たちの言葉から学びます。リスナーのお悩み相談を受けるラジオパーソナリティという設定のストーリーなので、わかりやすく楽しいお話しになっています!

本日のAnswers from PhilosophersのストーリーはI Can’t Get Along with My Bossです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

I Can’t Get Along with My Boss(上司とうまくいかない):和訳

1ページ目

Tom『哲学者からの答え』へようこそ!この番組のホストのトムです。今日は哲学が大好きな友人、ショウヘイと一緒にお送りします。
私たちは、あなたの悩みに対する答えを見つけるお手伝いをするためにここにいます。

Shohei今日は、職場で大変な思いをしているノリコさんからメッセージが届いています。

Norikoトムさん、ショウヘイさん、こんにちは。私は新しい上司のことが本当に好きではありません。彼はいつも怒っているように見えるし、私が何かうまくやると、それを自分のアイデアだったと言うんです。でも彼が失敗すると、それは私のせいだと言います。仕事は好きなんですが、彼のことが好きになれません。私はどうすればいいでしょうか?

Tomああ、私も以前、そういう人と一緒に働いたことがあります。本当にストレスの多い職場でしたよ。さて、ショウヘイ、君はどう思う?

Shoheiまず答えから言わせてください。ノリコさん、その上司は変わりません。だから、あなたが受け入れるしかないんです。

2ページ目

Tom本当に?誰がそんなことを言ってるんだ?ノリコさんは、彼の行動を受け入れられないからこそ、僕たちに助けを求めているんだよ。

Shoheiそれは17世紀のオランダの哲学者、バルーフ・スピノザの考えからです。

Tomもっと教えてくれ。

Shoheiスピノザは、今日起こるすべてのことは、過去に起こったことが原因だと考えていました。

Tomなるほど。でも、それがノリコさんの助けになるの?

3ページ目

Shoheiスピノザによれば、人の行動はすでに決まっているんです。家族、教育、環境、そして職業経験といったものが人間を形づくり、その結果として今のその人がいます。だから、過去の影響で人は今、自分の行動を変えたりコントロールすることが本当にできないのです。

Tomじゃあ彼女の上司は変わらないのか?ノリコさんには何もできないの?

Shohei一つだけできることがあります。彼女はなぜその上司がそうなのか、理解しようとすることができます。もしかしたら、彼はキャリアの初期に大きな失敗をして、それを恐れているのかもしれません。彼女は彼のように考えようとするか、彼の視点で物事を見る努力をすべきです。

4ページ目

Tomどうしてそんなことをする必要があるんだい?

Shoheiその上司に怒るために時間とエネルギーを使うのは無駄です。彼は変わらないんです。

Tomでも、好きじゃない人のように考えるのって、難しくない?

Shoheiはい、おそらく難しいでしょう。でも、それは大事なことです。

Tomなぜ?

Shoheiスピノザはこう言っています。人は変えられないと理解すれば、変えようとするのをやめられます。そうすれば心が穏やかになるのです。

Tomなるほど。ノリコさん、答えが見つかりましたよ!人は自分を変えることができないし、他人が人を変えることもできません。だから、理解し、ありのままを受け入れることが大事なんです!

Shoheiその通りです!スピノザの言葉を覚えていてください。「人の行動を笑ってはいけません。泣いても、憎んでもいけません。ただ理解しようと努めてください。」そうすれば、ストレスは減りますよ。

Both聞いてくれてありがとうございました!

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

かつて

受け入れる

オランダの

過去

〜によると

教育

環境

無駄

チャンクPickUP

According to Spinoza, what people do is already decided.
(日本語訳) スピノザによれば、人がすることはすでに決まっている。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
According to Spinozaスピノザによれば前置詞句(文の導入)「〜によれば」と出典・根拠を示す定型表現。会話でも文章でも頻出。
what people do人々がすること疑問詞を用いた名詞節(主語)「what」は疑問詞ではなく名詞節を導く関係代名詞的用法。意味上「〜すること」。この節全体が主語の役割を果たす。
is〜である動詞(be動詞)主語 “what people do” に対応する述語動詞。現在形で断定的に述べている。
already decidedすでに決まっている補語(過去分詞)“is” の補語。状態受動(be + 過去分詞)で「〜された状態にある」。すでに結果が出ていることを示す。

what people do疑問文ではなく 名詞節です。
これは「人々が何をするか」→「人々の行動内容」という意味を持つ文の主語です。

According to 〜「〜によれば」という決まり文句。スピノザ哲学の引用や出典などで頻繁に使われます。情報源、発言者を示す表現はいくつかあるため、一覧でまとめました。

表現意味使い方の例補足
According to〜〜によればAccording to the news, it will rain tomorrow.最も基本的・汎用的。ニュース、調査、データ、人、理論など幅広く使える。
Based on〜〜に基づくとBased on the report, we should change the plan.根拠・資料などに「基づいて判断する」時に使う。
As 〜 says / said〜が言うように/言ったようにAs the doctor said, you should rest.「〜の言った通り」に従うニュアンス。「as」が導く従属節。
From what I heard聞いた話ではFrom what I heard, the event was canceled.「自分が耳にした情報に基づけば」などの主観的な情報出典に使える。
Rumor has it (that)〜うわさによると〜Rumor has it that she’s getting married.カジュアルでよく使われる「うわさでは〜らしい」表現。
It is said (that)〜〜だと言われているIt is said that he is very rich.より客観的な印象。「people say〜」の形式ばったバージョン。
I heard (that)〜〜って聞いたよI heard that he got a new job.口語でよく使う直接的な「聞いた話では」。主語を自分にしている。
They say (that)〜世間では〜らしいThey say the restaurant is amazing.誰が言ったか特定せず「人々は〜と言っている」。主語が “they”。

使い分けのポイント
・客観的・丁寧に述べたいとき:
 → According to, Based on, It is said that
 (例:書き言葉・ビジネス・ニュース)
・日常会話・カジュアルな表現:
 → I heard, They say, Rumor has it
・会話で引用する・何かに従うとき:
 → As (someone) says, From what I heard

日常会話での応用表現

According to the weather forecast, it will snow tomorrow.
(天気予報によれば、明日は雪が降るそうです。)

I heard that the shop is closing soon.
(そのお店、もうすぐ閉店するって聞いたよ。)

関係代名詞の文章をPickUP

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
Such things as family, education, environment, and career experiences that they had make a person who they are.
(日本語訳)家族、教育、環境、そして彼らが持っていた職業経験といったものが、その人を「今のその人」にしているのです。

構成パーツの解説

使用されている関係代名詞: that

パーツ意味機能補足
Such things as family, education, environment, and career experiences that they had家族、教育、環境、そして彼らが持っていた職業経験といったもの主語“that they had” が直前の “career experiences” を修飾する関係代名詞節(過去に持っていた経験を限定)
make~を作り上げる、~にする動詞(述語)「~が…を作り上げる」という第3文型(SVO)の中心動詞
a personある人、ひとりの人間目的語(O)「何を作るのか(どんな人にするのか)」の対象
who they are今の彼ら自身同格節(間接疑問文構造)「a person(どんな人か)」の内容を補足する名詞節。“who” は疑問詞で、”they are” の補語。

“that they had” は、経験の中身を具体的に限定する関係代名詞節です。
このthey hadの目的語がthat(=experiences)なので、これは目的格の関係代名詞です。

“who they are” は「彼らはどういう人間か」「何者であるか」を表すチャンク(名詞節)です。
“who they are” 間接疑問文の構造を持つ名詞節(同格節であり、名詞 “a person” の内容を補足する役割を果たしています。したがって、「動詞の目的語になる典型的な間接疑問文」とは機能が異なるものの、文法上は間接疑問文に分類される構造です
このチャンクは、主語、時制に応じて変わります。

状況表現意味
彼らが過去どういう人だったかwho they were「彼らが何者だったか」
あなたがどういう人かwho you are「あなたが何者か」
私がどういう人かwho I am「私が何者か」

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
ノリコは新しい上司に悩んでいます。彼はノリコの手柄を自分のものにし、ミスは彼女のせいにします。トムとショウヘイはこの状況について話し合い、ショウヘイは哲学者スピノザの考えを紹介します。スピノザは、人は過去の経験に基づいて行動しており、簡単には変われないと考えていました。ノリコは上司を変えようとするのではなく、理解し、受け入れる努力をすべきだと彼は言います。そうすることでストレスが減り、心が穏やかになると、スピノザは助言しています。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

ちなみに先週は、主格の関係代名詞前置詞+関係代名詞での名詞の修飾について、特に手厚くまとめています!

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
テキストには、毎日の英文スクリプトや語彙リストが掲載されており、学習効果を高めるのに非常に役立ちます。

📘 テキストは全国の書店や、Amazon・楽天ブックスなどのオンライン書店でも購入可能です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました