このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 日本語訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週火曜日は「オリジナル・ショート・ストーリー”Short Stories”」です。くすっと笑える話や、じんわり泣ける話など、私たちの日常のひとコマを切り取ったようなストーリーを楽しめます。
本日のShort Storiesのストーリーは「Navigation Skills」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
“Navigation Skills(ナビの達人)”:日本語訳
1ページ目
Makoto: ねえ、アヤ……道は合ってる?古民家カフェにはもうすぐ着くの?
Aya: もちろんよ!道は一本だけだから。
Makoto: 念のため、GPSを使った方がいいと思うんだけど。
Aya: どうして?他に道なんてないわよ。必要ないって。マコト、私はいつも家族のドライブでナビ役だったのよ。一度も道に迷ったことなんてないわ。
Makoto: でもこの辺りのことは知らないんでしょ?今回は迷うかもしれないよ。
Aya: そんなに心配なら、自分のスマホの地図で調べたら?案内してくれてもいいのよ。
Makoto: 絶対ムリ!僕は地図を読むのが大の苦手なんだ。すぐに迷っちゃう。
Aya: 本気?どうやったら迷えるのか、私には本当に理解できないわ。
Makoto: どういうこと?
Aya: どこか知らない場所に連れていかれても、たぶん北と南の方向くらいは分かると思うの。
2ページ目
Makoto: どうやって分かるの?
Aya: 時間を確認して太陽の位置を見るの。太陽が沈んでいれば、その方向が西ってわかるじゃない。
Makoto: それくらい僕にも分かるよ……でも夜だったら?
Aya: 星を見るわ。
Makoto: 曇ってたら?
Aya: 街中なら、標識を見るかな。
Makoto: 田舎で標識がなかったら?
Aya: うーん……じゃあ植物を見て、どっちの方向に育ってるかを確かめるわ。
Makoto: どうして?
3ページ目
Aya: 植物は太陽の方へ伸びるから、南が分かるの。
Makoto: もし雪山で、真っ白だったら?
Aya: それはもう「道に迷った」じゃなくて「救助が必要」って状況でしょ!でも……怪我してなかったら、きっと自力で帰れると思うわ。
Makoto: すごいな。それ、どうやって覚えたの?
Aya: 常識よ。人間は昔は自然の中で生きていたんだから。動物と同じよ。キツネやサルが地図を持って歩いてるの、見たことある?
4ページ目
Makoto: いや、でもあいつら遠くまで行かないから迷わないだけでしょ。
Aya: 鳥は毎年冬に地図なしで南へ飛ぶし、イルカやクジラだって、深海を迷わずに泳いでるわ。
Makoto: イルカやクジラって、すごいナビ能力を持ってるよね。
Aya: 昔の人間も、すごいナビ能力を持ってたと思うの。でも世界が便利になるにつれて、その力を失ったのよ。
Makoto: そうかな?まだその力を持ってる人もいるかも……君みたいにね。じゃあ、GPSはいらなさそうだね。
5ページ目
Aya: うん……でも、えーっと……今は必要かも。
Makoto: え?どういうこと?
Aya: 生まれて初めてかも……道に迷ったみたい。
Makoto: 冗談でしょ?さっきまで、すごいナビ能力について話してたじゃないか。
Aya: そうだけど、古民家カフェが見つからないの。わあ、これが「迷う」ってことなのね。新鮮!
Makoto: アヤ!しゃべってないでGPSつけて!
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
ひどい
〜がわかる
怪我した
高度な
チャンクPickUP
What if it was cloudy?
(日本語訳)曇ってたら?
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足説明 |
---|---|---|---|
What if | もし〜だったらどうする? | 仮定の状況を持ち出して質問する | 「不安」や「提案」「可能性の検討」など幅広い場面で使用 |
it was cloudy | 曇っていたら | 仮定条件 | 「もし曇りだったら何をする?」という疑問を示す |
“What if it was ~~ ?“ は、「もし〜だったら?」という仮定を提示して、その状況でどうなるか・どうするかを尋ねる表現です。
主に以下のような文脈で使われます。
- 心配・不安の表明:
→ What if it rains?(雨が降ったらどうする?) - 提案・可能性の提示:
→ What if we try a new plan?(新しい計画を試してみたら?) - 思考の深掘り・議論:
→ What if the answer is wrong?(その答えが間違っていたら?)
仮定法ではない!
“What if it was~~”は、現実的な可能性を想定する時に使います。現実離れした仮定(ありえない・起こらなかったこと)には “What if it had been~~?” を使います。
現在の話にも過去形を使うの?
この “was” は 仮定の丁寧な過去形。意味としては「今~だったら?」に近いですが、英語では控えめにするため過去形を使うのが自然です。
日常会話への応用
– What if he doesn’t come?(彼が来なかったら?)
– What if your phone dies?(携帯の電池が切れたら?)

関係代名詞の文章をPickUP
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“If someone took me to a new place, I could probably figure out which way was north and which way was south.”
(日本語訳) もし誰かが私を新しい場所に連れて行ったとしたら、どっちが北でどっちが南かをたぶん見分けられると思う。
今回は関係代名詞の文ではなく、仮定法過去+間接疑問文の一文になります。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
If someone took me to a new place | もし誰かが私を新しい場所に連れて行ったら | 仮定法過去の if 節(条件) | 「実際には起きていない仮の状況」を表現。took は take の過去形で、仮定法的用法。 |
I could probably figure out | 私はおそらく見分けられると思う | 主節(仮定法過去の結果) | could は can の仮定法的な過去形。可能性・能力をやや控えめに表現。 |
which way was north | どちらの方向が北か | 間接疑問文(目的語) | figure out の目的語。疑問文のような意味を含むが語順は平叙文。 |
and which way was south | どちらの方向が南か | 間接疑問文の並列構造 | “and” を使って north と south の2つの方角を並列で説明。 |
”which way was north”は、動詞“figure out”(見分ける/理解する)の目的語となる間接疑問文です。つまり「〇〇を見分ける」の〇〇にwhich way was northが当てはまります。
仮定法過去
If someone took me to a new place, I could probably figure out~
「もし~だったら、~できるのに」という仮の状況を表しています。
現実にはそうなっていない(今まさに新しい場所にいるわけではない)ため、仮定法過去が使われています。
動詞は以下のように変化しています:
took(takeの過去形)→仮定法の if 節
could(can の過去形)→主節の仮定的助動詞
✅ 仮定法過去の基本型:
If + 主語 + 過去形, 主語 + could / would + 動詞の原形
間接疑問文
…figure out which way was north and which way was south.
間接疑問文は動詞の後ろに配置し、動詞の目的語を示す役割があります。
また文全体が疑問になっている直接疑問文の場合、疑問詞が文頭に来て疑問文語順(疑問詞+動詞+主語)で表されます。一方間接疑問文は、疑問詞を含むひとまとまりが、文の中で名詞の役割を担います。語順も平叙文語順(疑問詞+主語+動詞)になります。
間接疑問文の語順:
疑問文語順:“What is your name?”(疑問詞+動詞+主語)
平叙文語順:“I know what your name is.”(疑問詞+主語+動詞)
ちなみに、こちらでも間接疑問文を解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
日常会話への応用
– If I were better at English, I’d know what she meant.
(もっと英語が上手だったら、彼女の言ってることが分かるのに。)
– If I had a map, I could figure out which direction we should go.
(地図があれば、どっちの方向に行くべきか分かるのに。)

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
マコトとアヤはカフェに向かっている途中ですが、マコトは道に迷ったのではと心配します。アヤは「私は道に迷わない」と自信満々に答え、太陽や星、標識、さらには植物までを使った自然な方向感覚について語ります。人間にもかつては動物のような本能があったと彼女は考えています。しかし、GPSなんていらないと言った直後、アヤは人生で初めて道に迷っていることに気づきます。驚きつつもその新しい体験にワクワクし、結局は「やっぱりGPSも悪くないかも」と認めるのでした。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
ちなみに先週は、主格の関係代名詞や前置詞+関係代名詞での名詞の修飾について、特に手厚くまとめています!
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです。
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