このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 日本語訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週木曜日は「哲学者からの答え”Answers from Philosophers”」です。現代人のお悩みを解決するヒントを偉大な哲学者たちの言葉から学びます。リスナーのお悩み相談を受けるラジオパーソナリティという設定のストーリーなので、わかりやすく楽しいお話しになっています!
本日のAnswers from Philosophersのストーリーは「I Lost My Pet」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
I Lost My Pet(ペットロスから立ち直れない):和訳
1ページ目
Tom:みなさん、こんにちは!「哲学者に聞け!」のトムと、小林翔平です。翔平は哲学にとても詳しいので、きっとみなさんの悩みに答えられると思います。
翔平、今日は中学生の男の子からメッセージが届いていますよ。
Shohei:どんな悩みなんでしょうね。
Takuma:僕はタクマです。愛犬のチョコが死んでから、何もする気が起きません。すごく悲しいんです。チョコとは一緒に育って、毎日遊んでいました。とても寂しいです。どうしたらいいでしょうか?
2ページ目
Tom:タクマくん、愛犬のこと、本当に残念だったね。気持ちはすごくわかるよ。僕も猫が死んだときは、とても悲しかった。彼は家族同然の存在だったから。翔平、誰かタクマくんの力になれそうな人はいる?
Shohei:はい、ジークムント・フロイトです。彼は哲学者ではありませんが、偉大な思想家です。
Tom:名前は聞いたことある!
Shohei:きっとあるでしょう。フロイトは「悲しみはプロセスだ」と言っています。
Tom:プロセス?詳しく教えてくれる?
Shohei:はい。大切な人を失うと、人は悲しみのプロセスを経験します。最初の段階は、「大切な存在を失った」という強い悲しみを感じることです。
3ページ目
Shohei:その次の段階は、ゆっくりと喪失から回復していくことです。
Tom:なるほど。時間がかかるんだね。
Shohei:そうなんです。大切な人がいなくなったときに、長い間悲しむのは自然なことです。人は、誰かを愛するのにたくさんのエネルギーを使っています。それをすぐにやめるなんて、簡単なことではありません。たとえペットがいなくなっても、その気持ちはすぐには消えません。今、タクマくんは「愛」と「悲しみ」という2つの感情を同時に感じているのです。
Tom:本当だね。僕も猫が死んだあと、しばらくは夢に出てきたよ。
4ページ目
Shohei:夢は、悲しみを処理して前に進むための手段だったんだと思います。気持ちが変化して前に進めるようになるには、時間が必要なんです。一番つらい時期を越えたとき、人は自分の感情との距離を少しずつ取れるようになります。強い感情は、やがてやわらかく穏やかな気持ちに変わっていきます。
Tom:なるほどね。
Shohei:夢の中で、トムは自分自身に状況を説明していたんですよ。現実を受け入れる必要があったんです。
Tom:でも、つらかったな。
Shohei:わかります。でも、人はそうしたことを乗り越えると——
5ページ目
Shohei:すべてを受け入れて、「生きていくんだ」と理解するようになります。大切な人はもういませんが、その人を愛していた自分は、今もここにいます。まだ悲しい気持ちはあるかもしれませんが、それはやがて静かでやさしい悲しみに変わっていきます。過ごした時間は、きっと素敵な思い出になるでしょう。
Tom:タクマくん、答えが見つかったね!悲しくなるのは自然なことだよ。とことん悲しんで、もうこれ以上悲しくなれないところまで落ち込んでもいい。でも、そのいちばん深い悲しみの底で、きっと前に進む力が見つかるよ!
Shohei:そうです。これはとても大切なプロセスなんです。経験すべきものなんですよ。
Both:また次回お会いしましょう!
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
私は疑問に思う、〜だろうか
〜以来ずっと
彼女がいなくて寂しい
の大部分
最終的に
悪い
説明
チャンクPickUP
ever since my dog Choco died, I don’t feel like doing anything.
(日本語訳) 愛犬のチョコが死んでからというもの、何もする気になれないんです。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
ever since | ~以来ずっと | 接続副詞(時の表現) | 過去の出来事から現在までの継続を示す |
my dog Choco died | 私の犬チョコが死んだ | 従属節(時の条件) | 過去の出来事(完了) |
I don’t feel like ~ing | ~する気がしない | 否定の熟語(feel like の否定) | “feel like doing” は口語でよく使う表現 |
doing anything | 何かをすること | 動名詞句(feel like の目的語) | “anything” は否定文で「何も」を意味する単語 |
feel like doing:「〜したい気分」、非定形で使うと「〜する気がしない」
feel like doingはフォーマルではないけど非常にナチュラルな日常表現で、感情や意欲の欠如を自然に伝えられます。
会話ではeverは省略されることも多いようですが、ever sinceの方が強調的で印象的になります。
日常会話での応用表現
– Ever since I joined the study group, I’ve been full of motivation.
(勉強会に参加して以来、ずっとやる気に満ち溢れている。)
– Ever since she broke up with her boyfriend, she’s looked lonely.
(彼女はボーイフレンドと別れて以来、ずっと寂しそうだ。)

チャンクPickUP-2
The first step is to feel really sad about losing someone special.The next step is to slowly recover from your loss.
(日本語訳)最初のステップは、大切な人を失ったことを深く悲しむことです。次のステップは、その喪失からゆっくり回復していくことです。ける必要がある
構成パーツの解説
特に使い勝手のいいチャンクだけを解説します。
パーツ | 意味 | 機能 | 補足説明 |
The first step | 最初のステップ | 主語(何について話すか) | 「手順」や「工程」によく使う名詞句 |
is | ~である | be動詞 | 「主語の定義づけ」を行う |
to + 動詞の原形 / 名詞句 | ~すること / ~ | 補語(内容) | 不定詞(名詞的用法)で「すること」を表すのが基本 |
ビジネス・教育・カウンセリング・自己啓発の場面などでも非常に使い勝手が良い表現です。
「The first step is to…」+「The next step is to…」のように順序立てた説明で使うと説得力がでます。
複数続く場合の表現
段階 | よく使う表現 | 用途の違いや注意点 |
最初の段階 | The first step is to… | 決まった定型表現 |
次の段階 | The next step is to… | ステップ数が不定・説明が自然な流れのときによく使う |
最後の段階 | The final / last step is to… | 終わりを明確に伝えたいとき |
複数段階 | The second / third step is to… | 正確に段階を示したいとき(3つ以上あるときに特に有効) |
複数ステップのときは、first → next → finalでも、first → second → thirdでもOKです。
→ ステップ数が明示されていない or 2~3個程度なら【first / next / final】が自然で聞きやすい。プレゼンや口頭説明におすすめ。
→ ステップ数が明確な場合や、書き言葉・説明文・マニュアルなどでより正確さを求めるときには【first / second / third…】が向いている。
The 〇〇 step is の後ろには、以下のどちらかが入ります。
- to + 動詞の原形(不定詞)「〜すること」→ 自然で、プレゼン、説明、日常会話など幅広く使えます。
- 名詞句 → フォーマル、マニュアル、書き言葉などで使うやや硬い印象の表現。
日常会話での応用表現
The first step is to upload the document data to ChatGPT.
The next step is to have ChatGPT extract all the text from the document.
The last step is to summarize the extracted text and organize it into bullet points.
(ステップ1:資料のデータをChatGPTに読み込ませる
ステップ2:ChatGPTに資料の文章を全て抽出させる
ステップ3:抽出した資料文章を要約して、箇条書きにする)

関係代名詞の文章をPickUP
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“He said when you lose someone important to you, you experience a process of sadness.”
(日本語訳)彼は、「大切な人を失うと、悲しみのプロセスを経験する」と言いました
今回の一文は関係代名詞を使っていませんが、関係代名詞を使った文と構造が似ていること、「when A, B」の時間を表す副詞節が含まれていることからピックアップしました。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
He said | 彼は言った | 主節(メインの文) | 動詞 “said” は過去形。後ろに「何を言ったか」を補足する文が続く。 |
when you lose someone important to you | あなたが大切な人を失うとき | 時を表す副詞節 | “when” は接続詞。”someone important to you” は「who is」が省略された関係節。 |
you experience a process of sadness | あなたは悲しみのプロセスを経験する | 副詞節内の主文 | “experience” は「経験する」、”a process of sadness” は抽象的な表現で、悲しみを段階的なものと捉えている。 |
someone important to you | あなたにとって大切な誰か | 関係詞の省略された名詞句 | 正確には “someone who is important to you”。口語・文語どちらでもよく使われる省略形。 |
従属節”when you lose someone important to you, you experience a process of sadness.”は「〜するとき、〜が起こる」という「時間」を表す副詞節です。
この文のwhenは時を表す接続詞で、「when A, B」という構文になっています。Aはきっかけ、Bは結果やその後の流れです。
when you lose someone important to you(あなたが大切な人を失うとき)
→ この部分は「時」を表す副詞節です。きっかけ(A)になります。
you experience a process of sadness(あなたは悲しみのプロセスを経験する)
→この部分は結果やその後の流れ(B)になります。
時を表す副詞節のsomeone important to youは、関係代名詞を使った文章に似ている構造をしています。
形としては名詞+形容詞で一般的な形ですが、名詞の後ろにあるのは形容詞単体ではなく、意味のかたまりです。そのため、形容詞が省略された文のように読み解く方が構造が理解しやすくなっています。
例文 | 意味 | 解説 |
something important | 重要な何か | 形容詞単体の後置修飾。わかりやすい。 |
someone important to you | あなたにとって重要な誰か | 形容詞+前置詞句の「意味のかたまり」。構造理解のために”someone who is important to you”の「who is」を省略した関係代名詞節とみなすとわかりやすい。 |
これは文法上の分類ではなく、学習・理解の観点からそのように考えると理解しやすいという提案です。文法としては、名詞+形容詞の一般的な形です。
日常会話での応用表現
– When I talked to someone I could trust, I finally felt calm.
(信頼できる人と話したとき、やっと落ち着けた。)
– When I was helped by someone kind, I realized how valuable volunteering is.
(親切な人に助けられたとき、ボランティアの尊さに気づけた)

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
中学生のタクマは、愛犬チョコの死を深く悲しんでいます。トムと翔平はその気持ちに共感し、ジークムント・フロイトの「悲しみはプロセスである」という考えを紹介します。翔平は、深い悲しみ → ゆっくりとした回復 → 受け入れ、という段階を経ると説明します。ペットがいなくなっても、愛情や思い出は残ります。やがてその強い感情はやわらぎ、良い思い出へと変わっていくのです。悲しみは自然なことだと、二人はタクマに伝えます。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
ちなみに先週は、不定詞構文、目的格の関係代名詞、間接疑問文について、特に手厚くまとめています!
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです。
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