エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(6/4)

水曜日:アメージング・ストーリー

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、

  • 日本語訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。

本日のAmazing StoriesのストーリーはLost and Found in Antarcticaです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

Lost and Found in Antarctica(南極に消えた船と冒険):日本語訳

1ページ目

1914年の終わり、アイルランド系イギリス人の探検家アーネスト・シャクルトンは、南極(南極点周辺の地域)へと船で向かいました。その船の名前はエンデュアランス号といい、氷のある海域でも進むことができました。
アーネストの目標は、大陸を歩いて横断することでした。彼の船には27人の仲間が乗っており、彼を助ける予定でした。しかし、1915年の1月にすべてがうまくいかなくなります。船が氷に閉じ込められ、まったく動けなくなってしまったのです。
約9ヶ月間、アーネストと彼のチームはエンデュアランス号の中で生活しました。しかし10月になると、船を離れざるを得ませんでした。氷が船体を壊し始め、徐々に沈みつつあったからです。彼らは氷の上にキャンプを張り、3つの救命ボートとできるだけ多くの食料を持ち出しました。
やがて食料が尽き、彼らは生き延びるためにアザラシを食べました。誰とも連絡が取れなかったため、

2ページ目

彼らがどこにいるのか、誰も知るすべがありませんでした。
1916年4月、アーネストのチームは、自分たちのいる氷が非常に薄くなっていることに気づきました。そこで彼らはエンデュアランス号から持ち出した3つの救命ボートに乗り込み、160キロ離れたエレファント島へと向かいました。旅はとても過酷でしたが、全員が無事に島に到着しました。しかし、まだ安全ではありませんでした。
アーネストは「誰も助けに来ない」と確信していました。「私は5人の最もたくましい男たちと一緒に、サウスジョージア島まで助けを求めに行く。もし行かなければ、私たちは全員死んでしまう。」

3ページ目

わずかな道具と地図も持たず、彼らはサウスジョージア島へと出発しました。旅は簡単ではありませんでした。目的地の島は約1,300キロ離れており、海は荒れていました。
15日間におよぶ恐ろしい航海の末、アーネストと仲間たちは島に到着しました。彼と他の2人は山を越え、島の反対側へと向かいました。そこではノルウェー人の男性たちが捕鯨をしていました。その捕鯨者たちは、ボロボロの服を着た男が近づいてくるのを見て驚きました。
「あなたは誰だ?どこから来たんだ?」

4ページ目

「私の名前はアーネスト・シャクルトンです。」
アーネストは捕鯨者たちとともに、エレファント島への救助チームを編成しました。最初の3回の挑戦では、天候のせいで島にたどり着くことができませんでした。しかし、4回目の挑戦でついに成功しました。島に近づくと、アーネストは人々の姿を確認できました。彼は数えました。そして叫びました、
「全員いるぞ!」アーネストが島を離れてから90日が経っていましたが、全員が生きていたのです。

5ページ目

アーネストは南極を横断することはできませんでしたが、彼の強いリーダーシップは人々を救いました。
エンデュアランス号については、長い間その所在が分かっていませんでした。しかし2022年初頭、ついに発見されました。
専門家たちは、その保存状態の良さに驚きました。船には「Endurance」と書かれた名前まではっきりと見えたのです。107年の時を経て、アーネスト・シャクルトンとエンデュアランス号の物語は、ついに完結したのです。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

探検家

南極大陸

周囲

大陸

間違っている

沈む

アザラシ

生き残る

気がついた

(天候などが)荒れた

ひどい

チャンクPickUP

They took three lifeboats and as much food as they could.
(日本語訳)彼らは3隻の救命ボートと、できる限りの食料を持っていった。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
They took彼らは持っていった/取った主語+動詞(過去形)“take”の過去形。「持っていく」「連れていく」の意味
three lifeboats3隻の救命ボート目的語(名詞)「lifeboat」は緊急用の小型ボート
and~と等位接続詞2つの目的語(lifeboatsとfood)をつなぐ
as much food as they couldできる限り多くの食料目的語(名詞句)比較表現の一種で「できるだけ多くの~」

as much A as B canBができる限り多くのA
→ この表現は「可能な限りの量」を表す決まり文句です。
このチャンクを自然に使うためには、muchを使うかmanyを使うかがポイントになってきます。

パーツ意味用法
as much A as~できる限り多くのA「不可算名詞(例:food, water)」に使う
as many A as~できる限り多くのA「可算名詞(例:books, people)」に使う

as much water as you can(水:不可算)
as many cookies as you can(クッキー:可算)
as much cookies as you can ←文法的に不自然

日常会話への応用

I went on a trip with as much money as I could.
(できる限り多くのお金を持って旅行に行った)

Eat as much as you like.
(好きなだけ食べて)

関係代名詞の文章をPickUP

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文

Ernest’s team realized that the ice they were on was very thin.

(日本語訳)アーネストのチームは、自分たちが乗っていた氷がとても薄いことに気づいた。

構成パーツの解説

パーツ意味機能・解説
Ernest’s teamアーネストのチーム主語
realized気づいた(過去形)動詞。ここでは「認識した・悟った」意味で使われている
that the ice they were on was very thin氷がとても薄いということ“that節”=名詞節。realized の目的語となる

that the ice they were on was very thin.の最初のthat接続詞のthatで、気づいたことの内容を示す役割を担っています。(接続詞のthat = 〇〇ということ)

the ice they were onは、関係代名詞thatが省略された句です。
本来はthe ice that they were on(彼らが上にいた氷)ですが、関係代名詞that(= the ice)が関係節のonの目的語(何の上 → 氷)となっているため省略されています。

今回の英文は、それほど長くない一文の中に動詞が複数出てきます。一つ一つの単語は決して難しくないのに、「なんだか読みづらい」と感じる人もいるのではないでしょうか?そこで、文章を段階的に分解してみると、意味がすっと入ってきます。今回のような構文に苦手意識がある人は、以下のような読み方を参考にしてみてください。

Ernest’s team realized that the ice they were on was very thin.

Ernest’s team realized 「アーネストのチームは気づいた」(主節)
何に?(接続詞thatを使って、何に気づいたのかを説明)
that the ice was very thin.「氷がとても薄かったということに」
どの氷?(関係代名詞thatを使って、氷を詳しく説明)
(that) they were on

複雑に見える構文も、こうして主節修飾要素に分けて読むことで、驚くほどスムーズに理解できます。もちろん、最終的にはこうした分解をせずとも一文で理解できるようになるのが理想です。
ですがそのための第一歩として、文章の構造を意識しながら読む練習はとても有効です。長文への苦手意識を克服したい方は、ぜひこういった読み方を試してみてください。

日常会話への応用

I realized that the bus I was on was going the wrong way.
(乗っていたバスが逆方向に向かっていることに気づいた。)

I found out that the hotel we booked has great reviews.
(予約したホテルのすごくいい口コミを見つけたよ。)

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
1914年、アーネスト・シャクルトンは南極探検を指揮しましたが、彼の船「エンデュアランス号」は氷に閉じ込められてしまいました。彼と27人の隊員は数か月間、氷上でアザラシを食べながら過酷な状況を生き延びました。やがてシャクルトンは1,300km離れたサウスジョージア島へ助けを求めに航海し、何度もの失敗の末に全員を救出しました。2022年、エンデュアランス号が奇跡的な状態で発見され、彼の指導力は史上最も偉大な生存劇の一つとして語り継がれています。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

ちなみに先週は、不定詞構文目的格の関係代名詞間接疑問文について、特に手厚くまとめています!

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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