このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 日本語訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。
本日のAmazing Storiesのストーリーは「Making Wishes Come True」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
本日のストーリー “Making Wishes Come True(子どもの夢をかなえるレスラー) “:日本語訳
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あなたの願いが叶えられるとしたら、何をしますか?
あるアメリカ人のプロレスラー兼俳優は、20年以上にわたって子どもたちの願いを叶えてきました。
彼はどうやってそんなことをしているのでしょうか?この心温まる話をもっと詳しく見ていきましょう。
ジョン・シナは、史上最も人気のあるプロレスラーの一人として知られています。
彼は数多くのチャンピオンタイトルを誇りに思っていますが、それ以上に子どもたちを助ける活動に誇りを持っています。
彼は「メイク・ア・ウィッシュ財団」と呼ばれるNPOとよく協力しています。
この団体は、重い病気を抱えた子どもたちの願いを叶える手助けをしています。
例えば、子どもが遊園地に行きたいと願えば、それを実現してくれるのです。
あるいは、もし子どもの願いが…
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…有名人に会うことなら、その有名人に会いに来てもらえるよう尽力します。
2022年には、ジョンはメイク・ア・ウィッシュを通じて650人目のファンに会いました。
彼は他のどんな有名人よりも多くのメイク・ア・ウィッシュの子どもたちに会ってきたのです。
ある少年はこう語りました。
「彼は何度も激しく打たれて床に倒れるけど、必ず立ち上がって、決してあきらめないところが大好きなんだ。」
ジョンは2002年にファンとの交流を始めました。
そのとき彼は「誰かが自分に会いたいと言ったら、必ず応える」と約束しました。
そして今もその約束を守り続けています。
「もし誰かに来てほしいと言われたら、今していることをすべてやめてでも行くよ。だってそれが最高のことだから。」
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ジョンが子どもたちに会うときには、チャンピオンベルトを持って行って、一緒に写真を撮ることがよくあります。
ときには子どもたちをレスリングのリングに連れていくこともあります。
ジョンは国際的なファンにも会います。2022年6月には、ダウン症の少年ミーシャに会うためにアムステルダムを訪れました。
ミーシャはウクライナの戦争から逃れてきた子どもでした。
故郷を離れるとき、彼はとても不安を感じていたそうです。
そんな彼を落ち着かせるため、母親はこう言いました。
「ジョン・シナを探す旅に出るのよ。」
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もちろん、そのときは本当のことではありませんでしたが、ジョンがそれを本当のものにしました。
ふたりが出会った日、ジョンとミーシャは伝統的なウクライナのはちみつケーキを食べ、一緒に楽しい時間を過ごしました。
ミーシャの母親はこう語っています。
「戦争が始まってから、あんなふうに彼が笑ったのを見るのは初めてかもしれません。」
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映画やリングの中では、ジョンはタフで力強い存在かもしれません。
でも子どもたちに会うとき、彼は優しく話し、耳を傾けます。
ジョンはこう言います。
「これまで最強のレスラーたちと戦ってきたけど、僕が出会う子どもたちはそれ以上に強い。」
ジョンは今も子どもたちと会い、笑顔を届け続けています。
彼がなぜこの活動を続けているのか尋ねられたとき、こう答えました。
「僕の訪問が子どもたちやその家族にもたらす喜びを感じられるんだ。その喜びが希望を生み出す。そして希望は、時に山さえも動かすことがある。」
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
〜を叶える、実現させる
誇りに思う
財団
〜に等しい
チャンクPickUP
This foundation helps seriously sick children make their wishes come true.
(日本語訳) この財団は、重い病気の子どもたちが願いを叶えられるよう手助けしている
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
This foundation | この財団は | 主語 | メイク・ア・ウィッシュ財団のこと |
helps | 手伝う/助ける | 動詞(3人称単数) | 現在形。目的語と動作をつなぐ |
seriously sick children | 重い病気の子どもたちを | helpの目的語 | 誰を手伝うか(=手伝われる側) |
make their wishes come true | 彼らの願いを叶えるように | 動詞の原形(不定詞) | 「何をするのを手伝うか」=願いを叶える手助けをする |
・help + 人 + 動詞原形(do)〜:「(人)が〜するのを助ける」「(人)に〜させる手伝いをする」という意味の不定詞構文。
不定詞構文についての補足メモ
英語の不定詞構文は、「動詞(ask,tell,wantなど)+人+to+動詞の原形」でできています。
このとき、「to」の前に“誰に”、後ろに“何を”という目的が示されています。
ただしhelpは例外で、toがあってもなくても文法的には正しいとされています。
アメリカ英語の日常会話では「to」を省く形が自然です。
なぜhelpの場合、toを省いて良いのか?
チャンクとして覚えるだけでも十分ですが、文法の裏付けが気になる人はぜひ確認を。
そもそも不定詞構文の「to + 動詞の原形」は、前の動詞の目的を表すためのものです。
”I want you to 〇〇” → 相手に”〇〇”してほしい
“I ask you to 〇〇” → 相手に”〇〇を”頼む/尋ねる
このように「to + 動詞の原形」は「何を(〇〇を)」という動詞の目的を明確にする役割があります。
wantもaskも話し手(主語)が動作の主体となる動詞なので、「何を」と言う目的を示さなければ、曖昧な文章になってしまいます。
一方helpの場合、
”I help you 〇〇” → あなたが〇〇するのを手伝う
この時、実際に〇〇をするのは”あなた(you)”で、私は補助する側です。
つまり、行動(〇〇すること)はすでに相手がやろうとしていることで、わざわざ “to + 動詞” で目的をもう一度言わなくても通じるというわけです。
まとめると、help の場合、目的となる行動がすでに見えているから、to を省略しても自然に伝わる。
逆にwant や ask のような動詞は「これから何をしてほしいか」を示す必要があるので、to を省略できません。
補足:make their wishes come true の構造
- make A B = AをBの状態にする(使役動詞構文)
- make their wishes come true = 願いを現実にする → 願いを叶える
応用表現
このチャンクは言葉を入れ替えることで、いろいろ応用が利きます。
– Can you help me find my phone?(携帯を探すの手伝ってくれる?)
– I’ll help you set up the tent.(テントを張るのを手伝うよ)
– They helped the old man cross the street.(彼らはそのおじいさんが道を渡るのを手伝った。)

関係代名詞の文章をPickUP
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Once when he was asked why he helps these children, he said,“I’m able to see the joy my visits bring to the children, and their families.””
(日本語訳)彼が『なぜ子どもたちを助けるのか』と尋ねられた時、こう言いました。「私の訪問が子どもたちとその家族にもたらす喜びを見ることができる」
今回はほぼ二文ですが、関係代名詞を使った一文の手前の文章も少し読み取りが難しそうに思ったので合わせてピックアップしました。
構成パーツの解説
まずは関係代名詞前の一文から。
部分 | 説明 |
Once | ある時(副詞) |
when he was asked | 彼が尋ねられたとき(従属節・過去受動) |
why he helps these children | なぜ彼が子どもたちを助けるのか(間接疑問文) |
he said | 彼は言った(主節) |
この文章では時間の副詞節(Once when〜)と間接疑問文(why he〜)が一文に詰め込まれています。また“Once” と “when” が続くため、何が主語で何が動詞かわかりにくいかもしれません。
ただ図式化すると、理解しやすくなります。
Once [ when he was asked [ why he helps these children ] ], he said 〜
構造としては、
Once, he said ~ :文章の本筋
when he was asked :Once(ある時)の修飾
why he helps these children :尋ねられた内容を表す間接疑問文
このように主節と修飾しているパーツをきっちり把握して「外から内に向かって文を読む(包み込むように構造をとらえる)」ことができれば、長文であっても何なく理解できるようになります。
続いて関係代名詞を含む一文
部分 | 説明 |
I’m able to see | 私は見ることができる(canより丁寧・堅め) |
the joy | 喜び(see の目的語) |
my visits bring to the children | 私の訪問が子どもたちにもたらす(joy を修飾) |
今回使われている関係代名詞は、thatですが、省略されています。
本来の形は、I’m able to see the joy that my visits bring to the children.
この that は、関係節内の動詞 bring の目的語にあたるため、目的格の関係代名詞です。
目的格の関係代名詞は、特に口語や自然な文脈では省略されることが非常に多いです。
目的格の関係代名詞とは?
❶ 目的語とは、動詞が「何を〜するか」というときの「何を」に当たる語のこと(例:りんごを食べるのりんご)
❷ 関係代名詞以降の文で、その目的語に関係代名詞が当たっていれば、目的格として省略される
例えば今回の文を見てみると…
関係代名詞以降の文章
”my visits bring to the children(私の訪問が子供達に何かをもたらす)”
この何かがthe joy(喜び)です。つまりbringの目的語=the joyになります。
そのthe joyを関係代名詞thatに置き換えて前に出し、先行詞(the joy)と繋げて説明しているわけです。
つまり関係代名詞以降の文(関係節)の中で、関係代名詞thatが目的語として使われていると省略されるということです。
「あ、これ目的格の関係代名詞だな」と気づけるようになると、英文の読みやすさ・書きやすさが格段に上がります。
🔍 応用表現
- I like the café (that) my friend recommended.(友達がすすめてくれたカフェ、気に入ったよ)
- The movie (that) we watched last night was so scary.(昨日見た映画、めっちゃ怖かった)
- I remember the guy (that) you met at the party.(君がパーティーで会ったあの人、覚えてるよ)

どれも「話してた〇〇」「紹介してくれた〇〇」「見た〇〇」など、人・物・場所をあとから説明したいときに便利です。
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
ジョン・シナは、アメリカの有名なプロレスラーで俳優ですが、20年以上にわたって「メイク・ア・ウィッシュ財団」を通じて重い病気を抱える子どもたちの夢を叶え続けています。彼は他のどの有名人よりも多くの子どもたちと面会しており、遊園地を訪れたり、自分に会いに来るといった子どもたちの願いを叶え続けています。
2022年には、戦争から逃れてきたダウン症のウクライナ人の少年、ミーシャに会うためにアムステルダムを訪れました。シナはミーシャや他の多くの子どもたちに喜びと希望を届けました。
その強そうなイメージとは裏腹に、シナは子どもたちの話に丁寧に耳を傾け、優しさをもって接しています。彼は「会ってきた子どもたちは、どんなにタフなレスラーよりもずっと強い」と語っています。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
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