このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「世界の偉人伝”Heroes and Giants”」です。日本を、世界を動かした偉人たちの誰もが知るその偉業を、ちょっと意外なその素顔を、英語で味わうことができます。
本日のHeroes and Giantsのストーリーは「Anne Sullivan ~ The Miracle Worker ~」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Anne Sullivan ~ The Miracle Worker ~(アン・サリヴァン 〜 奇跡の人 〜):和訳
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“The Miracle Worker”(奇跡の人)は、ヘレン・ケラーとその先生アン・サリバンについての映画のタイトルです。日本ではヘレンこそが「奇跡の人」だと考える人が多いかもしれませんが、アメリカでは「miracle worker(奇跡の人)」と言うと、ふつう彼女の先生アン・サリバンのことを指します。
アンの人生は決して楽ではありませんでした。母親は、アンがまだ8歳のときに亡くなりました。父親はアンと幼い弟を救貧院に入れ、そのあと姿を消してしまいました。
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その救貧院は汚く、人が多すぎました。まもなく弟も亡くなってしまいました。
アンは目があまりよく見えなかったので、十分に勉強する機会がありませんでした。14歳のとき、地方政府の人たちがその救貧院を訪れました。アンは「もっと勉強したい」という願いを彼らに伝えました。しばらくしてその願いはかなえられ、アンは盲学校であるパーキンス校で学べるようになりました。
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アンはそれまで学校に通ったことがなく、学校のきまりも知りませんでした。そのためすぐ怒ってしまい、よくトラブルを起こしました。1882年までに、アンは目の手術を何度も受けました。今では、読書ができるほどには目がよくなっていました。それはほとんど夢がかなったかのようでした。そのときからアンは一生懸命勉強しました。20歳になったとき、アンはパーキンス校を首席で卒業しました。スピーチの中で、彼女はこう言いました。「何かを学ぶとき、あなたは自分自身と社会の両方を助けているのです。学んでいないとき、あなたは社会を傷つけているのです。」
パーキンス校を卒業したあと、アンはヘレンに出会い、彼女の先生になりました。ヘレンが自分の障害を乗り越えるために一生懸命努力したことは、誰もが知っています。しかしアンも、ヘレンを助けるために同じくらい懸命に働いたのです。
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ヘレンがラドクリフ・カレッジで学んでいたとき、アンはヘレンの「目」と「耳」の役割を果たしました。アンはヘレンの教科書をすべて読み、先生の言ったことをすべて書きとりました。そしてその情報を、手話を使ってヘレンに伝えました。仕事は大変でしたが、二人が協力してがんばったおかげで、ヘレンは卒業することができました。社会の役に立ちたいというヘレンの願いは、アンの願いでもありました。
アンは大学卒業後もヘレンを支え続けましたが、やがて病気になってしまいました。1936年、ヘレンは、目の見えない人を助ける活動について話すために日本に来てほしいと頼まれました。ヘレンはアンのそばを離れたくありませんでしたが、アンは「日本の目の見えない人たちを助けると約束して」と言いました。
1936年10月、アンは70歳で亡くなりました。ヘレンは、愛する先生の死に深く心を痛めました。しかし6か月後、ヘレンは日本へ行きました。アンとの約束を守りたかったのです。ヘレンの訪日は、日本の人々に、困難を抱える人を助けることの大切さを理解させました。
アンは、ヘレンが社会にもたらしたすべての変化を見ることはできませんでした。それでも彼女は、ヘレンを大きな成功へと導いた「奇跡の人」として、これからもずっと人々の記憶に残り続けるでしょう。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
救貧院
目の見えない人たち
手術
〜を卒業する
社会
障害
チャンクPickUP
The work was difficult, but because they worked together, Helen was able to graduate.
(日本語訳)その仕事は大変でしたが、二人が協力して取り組んだおかげで、ヘレンは卒業することができました。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| The work | その仕事 | 文の主語 | ここではヘレンとアンが一緒にした「仕事・作業」全体を指す抽象的な名詞。 |
| was difficult | 大変だった/難しかった | 主語の状態を説明する述語 | be動詞+形容詞の基本形。「難しかった」と過去の状態を表す。 |
| but | しかし | 逆接の接続詞 | 前半「大変だった」と後半「それでも〜できた」を対比させる。口語でもよく使う。 |
| because they worked together | 彼らが一緒に働いたので/協力したから | 理由を示す副詞節 | because+文で「〜なので」。theyはヘレンとアンを指し、「worked together」で「協力した」ニュアンス。 |
| Helen was able to graduate | ヘレンは卒業することができた | 結果・できたことを述べる文 | 「was able to+動詞」で「〜することができた(うまくやれた)」という一回の成功を表す。ここが文全体のメインの結果。 |
was able to + 動詞 は、「〜することができた」「(ある場面で)うまく〜できた」という一回の成功 を表す表現です。could よりも 「がんばって達成した感」 が出ます。一度きりの「達成できた」には was able to が自然だが、一般的な「〜できた(能力があった)」には could を使うことが多いです。
日常会話への応用
– The test was hard, but I was able to pass.
(テストは難しかったけど、合格することができました。)
– We were able to get tickets for the concert at the last minute.
(ギリギリになって、コンサートのチケットを手に入れることができたんだ。)
PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“In 1936, Helen was asked to come to Japan to talk about helping people who were blind.”
(日本語訳)1936年、ヘレンは、日本に来てほしいと頼まれました。そこでは、目の見えない人々を助けることについて話してほしいと求められていたのです。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| In 1936 | 1936年に | 時を示す副詞句 | 文頭で「いつの話か」を指定している。in+西暦で「〜年に」。 |
| Helen | ヘレンは | 文の主語(表向きの主役) | 実際には「頼んだ側」ではなく、「頼まれた側」。受け身の主語になっている。 |
| was asked to come to Japan | 日本に来てほしいと頼まれた | 受け身の述語(何をされたか) | be asked to +動詞=「〜するよう頼まれる」。来日を依頼されたことを表す。 |
| to talk about helping people | 人々を助けることについて話すために | 目的を表す不定詞句 | to talk about 〜 で「〜について話すために」。ここでは「何の目的で来てほしいと頼まれたのか」を説明している。 |
| who were blind | 目が見えなかった(=目の見えない) | people を説明する関係代名詞節 | people をあとから説明する「形容詞のかたまり」。who=people を指し、「目の見えない人々」という意味になる。 |
読解のポイント
受け身+不定詞:「〜するように頼まれた」の型
文の中心は Helen was asked to come to Japan の部分です。was asked to 〜 → 「〜するように頼まれた」という、よく使う受け身+不定詞のパターンです。
to come to Japan to talk about…:不定詞が2つ続くときの見方
文の中盤には to が2回出てきます。
「was asked to come to Japan」→ 「日本に来るように」と、頼まれた行為そのもの
「to talk about helping people …」→ 「〜について話すために」と、来日の目的
つまり、日本に来てほしいと頼まれた(行為)→ その目的は、「目の見えない人々を助けることについて話すため」という2段構えになっています。
長く見えますが、to come(何をするか)+ to talk(何のためか)と分けて読めると、だいぶすっきり理解できます。
who were blind:関係代名詞が「どの人?」を説明している
people who were blindは、関係代名詞の who が people を説明して、
people who were blind→ 「目が見えなかった人々」=「目の見えない人々」
という一塊の名詞句になっています。慣れてくると「people + who + 動詞」で「どんな人たちなのか」を説明する型として認識できるようになります。
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
アン・サリバンこそが、アメリカでは「奇跡の人」と呼ばれる理由が語られます。アンは両親を失い、救貧院で視力も弱いまま育ちながらも勉強を望み、盲学校パーキンス校に入学して首席で卒業します。その後ヘレン・ケラーの先生となり、長年にわたって彼女の「目」と「耳」として支え続けました。亡くなったあとも、ヘレンや多くの人を助けた献身は人々の記憶に残り続けています。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
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ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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