このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週火曜日は「日本の伝統的笑い!落語 ”Rakugo”」です。落語という名のかたり芸に英語という名の風を吹き込みます。
本日のRakugoのストーリーは「The Samurai Sleeps Tonight」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
“The Samurai Sleeps Tonight(宿屋の仇討)”:和訳
1ページ目
Narration:ある夜、ひとりの侍が宿にやって来た。
Samurai:こんばんは。今夜泊まれる部屋が必要です。とても疲れているのです。昨夜泊まった宿はとても騒がしくて、何人かが宴会をしていてまったく眠れませんでした。よく休めるように静かな部屋が必要です。
Owner:それはお気の毒に、旦那様。お部屋へご案内いたします。とても静かですよ。
Narration:部屋に入った侍は就寝の支度をした。まもなく若い男が二人、宿に到着した。
2ページ目
Genji:こんばんは!今夜泊まる部屋をお願いします。
Owner:はい、かしこまりました。
Narration:宿の主人は二人を、侍のすぐ隣の部屋へ案内した。
Genji:なあタロウ、宴会しようぜ!芸者も呼べるぞ!
Taro:いいね、ゲンジ。酒もたくさん飲もう!
Narration:芸者たちは音楽を奏で、歌った。男たちは酒をたくさん飲んだ。隣の侍はそれを聞いて怒り、主人のところへ文句を言いに行った。
Samurai:失礼!私の隣の部屋で宴会をしています。とても騒がしい。眠れません!彼らに静かにするよう言っていただけますか?
3ページ目
Owner:承知しました、旦那様。すぐにそういたします。
Narration:主人はゲンジとタロウに話をした。まもなく宴会は終わり、部屋は静かになった。ところが――。
Genji:なあタロウ。起きてるか?俺とある侍の妻との話を聞かせたいんだ。
Taro:その人はお前の彼女だったのか、ゲンジ?
Genji:ああ、そうさ!一緒にすごく楽しかったんだが――。
4ページ目
Genji:彼女の夫に関係がばれてしまってね。だから逃げなきゃならなかった。
Taro:なるほど。
Genji:あの夫は今でも俺にひどく怒ってるはずだ。直接会ったことはないが、俺の名前は知っている。
Taro:じゃあ見つかったら、きっとお前に危害を加えようとするだろう。
Genji:ああ、でも絶対見つからないさ。俺は隠れるのが得意だから。はは。
Narration:この一部始終を侍が聞き、主人のところへ行った。侍は主人にゲンジの話を伝え、それからこう言った。
Samurai:ゲンジが話しているその侍は私だ。私は今でも非常に怒っている。だから明日の朝、彼の部屋へ行く。そう彼に伝えてくれ。そして彼の部屋の戸に鍵をかけてくれ。逃げられたくない。
Owner:え、わ、わかりました、旦那様。彼にそう伝えます。そして戸にも鍵をかけます。
5ページ目
Narration:主人は二人に話をした。部屋はとても静かになり、そのまま一晩中静かだった。翌朝、侍は受付へ行った。
Samurai:おはよう。よく眠れたよ。これから発つ。
Owner:ですが旦那様、ゲンジのことはどうなさいます?
Samurai:ゲンジ?ああ、あの男か。実は面識はない。ただ脅かしてやりたかっただけだ。うまくいったよ!彼らは静かになった!
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
〜を招く
目が覚めて
帳場、受付
チャンクPickUP
Could you tell those people to be quiet?
(日本語訳)あの人たちに静かにするよう伝えていただけますか?
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| Could you | 〜していただけますか | 丁寧な依頼(仮定法で柔らかい) | Can you より丁寧。冒頭に置くと当たりがソフトになる |
| tell | 伝える/注意する | 使役寄りの動詞(内容を相手に言う) | もう少し柔らかくしたい時は ask を使う |
| those people | あの人たち | 依頼の対象(間接目的語) | 指示語 those は心理的・物理的に距離感あり。会話では them や the people next door など具体化が自然 |
| to be quiet | 静かにするように | 目的語補語の不定詞(tell + 人 + to V) | 形は tell + 人 + to + 動詞原形。否定は not to ~ |
| ?(疑問文) | − | 依頼の形を作る | 文頭を上げ調子で丁寧に |
Could you tell [someone] to … ? は、「〜していただけますか?」と、目の前の人に第三者へ要望を“取り次いで”もらうための定番依頼です。ホテルのフロント、レストランの店員、職場の受付など“仲介してもらう”場面で自然に使えます。Could you は Can you より丁寧、かつ事務的になりすぎません。
日常会話例
– Could you tell the guests in room 512 to keep it down, please?
(512号室のお客様に、少し音量を下げるようお伝えいただけますか。)
– Could you tell housekeeping to come a bit later?
(ハウスキーピングに、少し遅めに来るよう伝えていただけますか。)
PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“The hotel owner takes the two men to the room right next to the samurai.”
(日本語訳)ホテルの主人は、その2人の男を侍のすぐとなりの部屋へ連れて行きます。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| The hotel owner | ホテルの主人は | 主語(誰が?) | “owner” だけでもいいが、ここではどのオーナーかを “hotel” で限定している |
| takes | 連れて行く/案内する | 動詞(行為) | ※ここは過去でもよさそうに見えるが、物語英語の「現在形で進行を語る」スタイル |
| the two men | その2人の男を | 目的語(誰を?) | すでに登場した2人なので “the” |
| to the room | 部屋へ | 動作の向き・行き先 | “take A to B” のお決まりパターン |
| right next to the samurai | 侍のすぐとなりの | 部屋を後ろから説明する句 | “right” が「ほんとにすぐそこで」という近さの強調 |
読解のポイント
「誰が」「誰を」「どこへ」を順番に拾って読む
この文は英語としてはとても素直な SVO+前置詞句 ですが、情報の粒が多いので、日本語にするときに順番をぐちゃっとさせやすいタイプです。まず The hotel owner で「誰が」行動しているのかを押さえ、次に takes the two men で「2人を連れて行くんだな」と動きのコアだけを先に理解します。そのうえで to the room で場所が出てくる、と段階的に足していくと読みやすくなります。
“take A to B” をまとまりで覚える
この文の骨格は take + A + to + B です。ここを「take=取る」とバラバラに見るよりも、「AをBに連れて行く/案内する」という一つのパターンとして覚えておくと、ホテル・案内・お店・オフィスなどの日常会話で一気に使い回せます。ストーリーではホテルのオーナーですが、実際には I’ll take you to your desk.(席までご案内します)や Could you take him to the meeting room?(彼を会議室まで連れて行ってくれる?)にもそのまま応用できます。
“the room right next to …” は後ろから部屋を限定している
the room でいったん「部屋」と言っておいて、あとから right next to the samurai をくっつけることで「どの部屋か」を特定しています。これは英語がよくやる「名詞 → あとから説明を足す」型です。ここで修飾しているのは the room であって the two men ではありません。なので読み下しは「その2人を/侍のすぐとなりにある/その部屋へ連れて行った」となります。日本語にする時は「侍のすぐとなりにある部屋へ」と、修飾を前に戻してあげましょう。
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約
ある夜、疲れた侍が宿に着き静かな部屋を求める。隣室の若者・ゲンジとタロウが騒いで宴会を始めたため、侍は苦情を言い、主人が止める。のちに侍は、ゲンジが侍の妻との仲を自慢しているのを聞き、主人に「その夫は自分だ。朝に行く」と告げる。男たちは静かになり、夜明けに侍はそれがはったりだったと明かして去っていく。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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