このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
10月度からは、これまでの内容と異なり、2021年4月に放送されたものの再放送になります。
毎週木曜日は「マリーのハテナ日記”Marie the Scientist”」です。身の回りに始まり宇宙の果てまで少女マリーが見つけた科学の「なぜ?」に<大人>たちはいかに答えるのか。難問への超シンプルな説明に耳を傾けてみましょう。
本日のMarie the Scientistのストーリーは「Can I Go in a Black Hole?」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Can I Go in a Black Hole?(ブラックホールに入ることはできるの?):和訳
1ページ目
Narration (Marie):親愛なる日記へ。私は昨夜、家族と一緒にテレビ番組を見ていました。ブラックホールについての番組です。番組では、ブラックホールは宇宙にある大きな穴だと言っていました。宇宙に穴?そんなのありえない!でももし本当なら、見てみたいし、できれば中に入ってみたい!でもお父さんはこう言いました……。
Father:そんなこと、しちゃいけない!
Marie:どうして?
Father:えっと……うーん……先生に聞きなさい。
Narration (Marie):それで今朝、実際に聞きました。
(School bell rings):(学校のチャイムが鳴る)
Ms. Sato:おはよう、マリー。
Marie:おはようございます、サトウ先生。ブラックホールに入ってもいいですか?
2ページ目
Ms. Sato:ええと……はい、中に入ることはできます。
Marie:できるんですか?
Ms. Sato:ええ、でも出てくることはできません。
Marie:どういう意味ですか?
Ms. Sato:大きいブラックホールと小さいブラックホール、どちらに入りたいの?
Marie:小さいほう?
Ms. Sato:いいわ。ブラックホールには中のものを何でも引き込む力があるの。中心に近づくほどその力は強くなるのよ。小さいブラックホールでは、縁から中心までの距離が短いの。
3ページ目
Ms. Sato:だからその力は最初からとても強いの。もし誰かが小さいブラックホールに入ろうとしたら、その人はすぐに中心へ引っ張られてしまうでしょう。体は長く伸ばされて、スパゲッティの麺みたいになってしまうの!
Marie:麺にはなりたくない!じゃあ大きいブラックホールは?
Ms. Sato:その質問に答える前に、M87という銀河にあるブラックホールのことを知っている?
Marie:いいえ、サトウ先生。
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Ms. Sato:世界中の科学者たちが協力して、2019年にその影の写真を撮ることができたのよ。とてもとても大きなブラックホールで、太陽の65億倍の質量があるの。
Marie:わあ!
Ms. Sato:もしブラックホールが本当に大きければ、中に入って中心に向かって進むことができるかもしれないわ。
Marie:わくわくします!
Ms. Sato:私もそう思ったわ。でもその旅からは戻って来られないの。
Marie:どうして?
Ms. Sato:ブラックホールの中心が一番強いって覚えている?何でも押しつぶす力があるの。だから、もし中心にたどり着いたら体はペタンコに押しつぶされてしまうわ!
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Marie:じゃあ大きなブラックホールも危険なのね!どっちにしても死んじゃうんだ。じゃあせめてブラックホールを見られますか?
Ms. Sato:マリー、ブラックホールは光さえも吸い込むから、とても暗い場所なの。だから見えないわ。でも、ブラックホールを含む銀河M87なら見えるの。マリー、望遠鏡は持っている?
Marie:持ってます!
Narration (Marie):家に帰って、お父さんに全部話しました。今夜はM87を探すことにしました!
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
宇宙
角、縁、端
〜のどちらでも
少なくとも、せめて
チャンクPickUP
The power is stronger as you get closer to the center.
(日本語訳)中心に近づけば近づくほど、その力はより強くなる。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| The power | その力 | 主語 | ここではブラックホールの引力 |
| is stronger | より強い | 述語(比較級) | strong → stronger |
| as | ~につれて | 従属接続詞 | 比例・同時進行の as |
| you get closer | あなたがより近づく | 従属節(条件的変化) | get closer=「近づく」 |
| to the center | 中心へ | 前置詞句 | 近づく対象 |
as you get closer to … は「~に近づくにつれて……だ」という状態が段階的に変化することを自然に言えるチャンクです。ビジネス・観光・日常のどの場面でも使いやすく、数字を伴う説明(料金・温度・混雑度)とも相性が良い表現です。主節にはしばしば比較級(stronger, colder, more expensive など)を置き、as + S + V の節で「変化の軸」を提示します。
日常会話での応用表現
– The train gets more crowded as it gets later in the evening.
(夜が遅くなるにつれて電車は混んできます。)
– As you get closer to the station, you see more restaurants.
(駅に近づくにつれて、レストランが増えていきます。)
PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“If someone tried to go into a small black hole, that person would be quickly pulled toward the center.”
(日本語訳)もし誰かが小さなブラックホールに入ろうとしたなら、その人は素早く中心へと引き寄せられるだろう。
構成パーツの解説
| パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
|---|---|---|---|
| If | もし〜なら | 条件を導く接続詞 | 仮定法の導入 |
| someone | 誰か | 条件節の主語 | 不特定の人 |
| tried to go into | 入ろうとした | 条件節の述部 | try to V「Vしようとする」 |
| a small black hole | 小さなブラックホール(の中)へ | 動作の目的地 | go into で「中に入る」 |
| , | — | 区切り | 条件節と主節の境界 |
| that person | その人は | 主節の主語 | 条件節中の someone を受ける指示 |
| would be pulled | 引っ張られるだろう | 主節の述部(仮定法+受動) | would + be + p.p. |
| quickly | 素早く | 副詞(様態) | 受動の be と p.p. の間に置く自然な位置 |
| toward the center | 中心へ向かって | 方向句 | toward(s) はどちらも可(米:toward) |
読解のポイント
仮定法過去:現実離れした条件と結果を描く
この文は If + 過去形, S would … の「仮定法過去」。実際には起きていない、または起こりそうにない状況を仮に置いて、その結果を would で述べています。ここでは「誰かが小さなブラックホールに入ろうとしたら」という非現実的な条件に対し、「引き寄せられるだろう」という予測結果が続きます。時制の「過去」は時間の過去ではなく、現実から距離を取る“仮定”の印です。
副詞の位置と自然さ:quickly の置き場所
quickly は be pulled を修飾する副詞で、英語では be と過去分詞の間(be quickly pulled)が最も自然に読めます。語尾に置く (pulled quickly) ことも可能ですが、科学説明や論理説明では動詞直後のほうが読みやすいことが多いです。
toward と towards、方向句の役割
toward(s) the center は「中心へ向かって」。アメリカ英語は toward、イギリス英語では towards が一般的ですが意味は同じです。ここでは結果のベクトル(どちらの方向に力が働くか)を明示しています。
本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
マリーはブラックホールのテレビ番組を見たあと日記に書く。好奇心からサトウ先生に「中に入れるの?」と尋ねる。先生は、小さなブラックホールなら人はスパゲッティのように伸ばされ、たとえ巨大でも戻れないと説明する。ブラックホールは光を飲み込むので直接は見えないが、ブラックホールをもつ銀河M87なら見られる。マリーは今夜、父とそれを探すことに決める。。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
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ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
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