エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(10/3)

金曜日:英語で味わう日本文学

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English(エンジョイ・シンプル・イングリッシュ)」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

10月度からは、これまでの内容と異なり、2021年4月に放送されたものの再放送になります。
これから毎週金曜日は「英語で味わう日本文学”Japanese Classics”」です。日本最古の歴史書であり文学的な価値も高い「古事記」。天の岩屋戸、ヤマタノオロチ、因幡の白うさぎなど現代にも語り継がれる神話を英語で味わいます。

本日のJapanese ClassicsのストーリーはThe Kojiki – The Beginningです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

The Kojiki – The Beginning(「古事記」- 国と神々の誕生):和訳

1ページ目

この物語は、はるか昔、ずっと昔のことです。世界がちょうど始まったばかりのころ、世界は「空の上にある大地」と「空の下にある大地」の二つに分かれました。空の上の大地には最初の三柱の神が現れました。そのころ、空の下の大地はまだくらげのようにやわらかく、形がありませんでした。そこで二柱の神が生まれ、さらに多くの神々が生まれました。

2ページ目

その中に、男の神のイザナキと女の神のイザナミがいました。

ほかの神々はイザナキとイザナミに、空の下の大地をすばらしいものにするよう告げました。そして二柱に美しい槍を与えました。イザナキとイザナミはその槍を取り、やわらかく無形の大地を抱く海に差し入れ、ぐるぐると水と大地をかき混ぜました。

槍を引き上げると、水の一部がしたたり落ち、オノゴロと呼ばれる島が生まれました。イザナキと イザナミはその島へ降り立って結婚し、さらに多くの島々を作りました。最初に生まれたのは淡路島、次に四国。続いて隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州。こうして日本の八つの島ができたのです。

イザナキとイザナミが島々を作ったあと、二人は多くの神を作りはじめました。二人は家の神、水の神、風の神など、たくさんの神々をともに生みました。全部で三十五柱の神を作り、最後の神は火の神でした。

ところが不幸なことが起こりました。イザナミは火の神をこの世に連れてくるあいだにひどいやけどを負い、命を落としてしまったのです。妻がいなくなってしまったので、イザナキは何度も何度も泣きました。

3ページ目

おお、なぜ死んでしまったのだ、最愛の妻よ?」イザナキは妻を山に葬り、それから怒りをこめて火の神をにらみつけました。「おまえが私の妻を殺したのだ!」彼は剣を抜き、火の神の首をはねて討ち取りました。剣を伝って流れ落ちた火の神の血は、新たに十六柱の神を生みました。

4ページ目

これが、今日でも剣が特別な力を持つと信じられている理由です。

イザナキはどうしてももう一度妻に会いたいと思いました。けれど妻は、死者のいる場所――黄泉の国にいました。イザナキは彼女をあきらめることができません。そこで彼は黄泉の国へ行き、イザナミを連れ戻すことを決心しました。

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

2つに分かれる

形の定まっていない

ひどいやけどで

〜を埋葬する

チャンクPickUP

A male god called Izanaki and a female god called Izanami were among them.
(日本語訳)イザナキという名の男神と、イザナミという名の女神が、その中にいました。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
A male god / a female god男神/女神不定名詞句まだ読者にとって新情報なので a
called Izanaki / called Izanami~という名の過去分詞の後置修飾called は「名付けられた」=縮約関係節 (who is called …)。named / known as に置換可。
andそして等位接続2つの主語を連結。
were among themその中にいた述語(過去形)among=「(3つ以上の)集団の中に」。between とは使い分け。them は直前の「多くの神々」。

were among them は「多数の中の一員だった」という含まれ方を示す言い方で、3つ以上の集合には among を用います(2者なら between)。会話では、初めて話題に出す店・人・場所の名前を、属性(a café / a temple / a designer)とセットで紹介するときに非常に使いやすいチャンクです。
ただamongは、日常会話ではやや書き言葉寄り。場面によっては in / one of / out of / with / amid などのほうが自然に聞こえます。
amongは、三つ以上の個々の要素から成る集団の「内部で/その一員として」という含みを持ちます。物理的な位置よりも、集合との関係性(成員・分布・選抜)を言いたいときに使うことが多いです。

日常会話での応用表現

A neighborhood called Shimokitazawa is among the best for vintage shopping.
(下北沢というエリアは、古着好きにとって最高の場所の一つです。)

Two designers called Aiko and Ren were among the finalists.
(アイコとレンという名前のデザイナー二人が、ファイナリストの中にいました。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
Izanaki and Izanami took the spear and put it into the ocean that held the soft, unshaped land.
(日本語訳) イザナキとイザナミはその槍を取り、形の定まらない柔らかな大地を抱えた海にそれ(槍)を差し入れた。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
Izanaki and Izanamiイザナキとイザナミは主語(複合主語)二柱を並列。
took the spear槍を取った動詞①(過去)+目的語take=手に取る・持つ。
andそして等位接続詞同一主語で述語を並列。
put it into ~それを〜に入れた動詞②(過去)+代名詞+前置詞句it は直前の the spear を受ける。put A into B の定型。
the oceanその海に前置詞の目的語文脈上で特定の海→ the
that held ~〜を抱えていた関係代名詞節(限定)that は主語位置(省略不可)。held=「含む・抱える」。
the soft, unshaped land柔らかく形のない大地名詞句(修飾語+名詞)並列形容詞 soft, unshaped(カンマで並列)。

読解のポイント

文の骨格を先に捉える:「取る」→「入れる」

主語は Izanaki and Izanami。述語が二つ並び、took the spearput it into …。この and は「連続した二段動作」をつなぐだけなので、まず「槍を取って→入れた」という骨格を押さえると読みやすくなります。it は直前の the spear を受ける代名詞です。

「the ocean that …」は“どの海か”を限定する説明

the ocean の後ろに that節 が続いて、「(どんな海か)」を限定説明しています。that held the soft, unshaped land that = the ocean を主語として held が述語、つまり「その海が柔らかく形のない大地を“抱えていた/含んでいた”」という意味。ここでの hold は「握る」ではなく“contain / have”に近い比喩的な『抱える・含む』です。原初の世界観では「くらげのような未成形の大地を海が内包していた」という描写と整合します。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
世界の始まりに天と地が分かれ、上では神々が現れたが、下の大地はまだ無形だった。イザナキとイザナミは槍を授かり海をかき混ぜ、その滴からオノゴロ島が生まれる。二人は結婚し、八つの島と三十五柱の神々を作り、最後は火の神だった。イザナミはその出産で命を落とす。怒ったイザナキは火の神を討ち、その血から十六柱が生まれ、剣は霊力を持つとされた。妻を取り戻すため、イザナキは黄泉へ向かった。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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