このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週木曜日は「哲学者からの答え”Answers from Philosophers”」です。現代人のお悩みを解決するヒントを偉大な哲学者たちの言葉から学びます。リスナーのお悩み相談を受けるラジオパーソナリティという設定のストーリーなので、わかりやすく楽しいお話しになっています!
本日のAnswers from Philosophersのストーリーは「Message from Shohei」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Message from Shohei(昌平からのメッセージ):和訳
1ページ目
Tom:『哲学者の答え』へお帰りなさい!今日は今シーズンの最終回なので、ショウヘイからのメッセージがあります!
Shohei:番組を聴いてくださった皆さん、ありがとうございます。私たちが皆さんの助けになれていたらうれしいです。最後に一つだけ言いたいことがあります。
Tom:何ですか?
Shohei:哲学は役に立たない、特にビジネスには役立たないと、よく言われます。
Tom:あなたもそう思いますか?
Shohei:いいえ。そうではないと言いたいのです。そこで今日は、ピーター・ティールという近年のビジネスパーソンを紹介したいと思います。
Tom:知っています!彼は初の成功したオンライン決済システムを立ち上げましたね!
Shohei:そのとおりです。ティールが大学で哲学を学び、それが彼の思考法を形作る助けになったことをご存じでしたか?
Tom:いえ、知りませんでした。
Shohei:彼はルネ・ジラールというフランスの哲学者に師事しました。ジラールは「人は他人が欲しがるものを自分も欲しがる、たとえ本当に必要としていなくても」と述べました。
2ページ目
Tom:ああ!店の前に長い行列ができているのを見て、何が売られているのか知らないのに思わず並んでしまう、そんな感じですね。
Shohei:そうです。ティールは、人々が他人を真似るから競争が生まれると考えました。ビジネスで成功したいなら、ただ人の後を追うだけでは不十分で、新しいことを始めなければならない、と彼は気づいたのです。
Tom:賢い考えですね。
3ページ目
Shohei:ティールは、多くの人がそれらの重要性に気づくより前から関心を持っていました。彼は誰よりも早くそうした事業を始めました。これこそがジラールが彼に与えたインスピレーションです。哲学は、違った考え方や行動をとるための道具を彼に与えたのです。
Tom:哲学って素晴らしい!でも、この考え方は起業する人だけのものですか?
4ページ目
Shohei:いいえ、そうは思いません。誰よりも先に何かを見つけられれば、大きな喜びをもたらします。例えば、まだそれほど知られていない場所や国を旅することができます。そこで静かにじっくり楽しめますし、そこでの経験はいつか重要な情報になるかもしれません。また、話せる人が少ない言語を学ぶのもよいでしょう。その言語は将来人気になるかもしれず、仕事のオファーが舞い込むかもしれません。自分がやりたいことであれば、たとえ孤独な道でも、選んだ道を歩む勇気を持ってください。
Tom:なるほど。心が躍ることをやればいいんですね。他人の真似をする必要はありません。
5ページ目
Shohei:はい。私の好きな言い回しがあります。「人の通らない道へ行け」です。多くの人が歩いた道は安全に感じられるかもしれません。ですが、あなたが進みたい新しい道があるのなら、勇気を持って、その道を進みましょう。
Tom:素晴らしい助言ですね、ショウヘイ。哲学は単なる知恵ではなく、自分のやりたいことを後押ししてくれる優れた道具のようなものだと分かりました。
Shohei:まさにそのとおりです!哲学を使えば、ものの見方や考え方の違う方法を見つけられます。選択肢が増え、人生をもっと楽しめるでしょう!
Tom:皆さん、さようなら!
Shohei:またお会いしましょう!
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
最近の
支払い
〜を奮起させて・励まして…させる
小道、細道
踏み固められた
チャンクPickUP
I hope we have been able to help you.
(日本語訳)私たちがあなたのお役に立てていれば嬉しいです。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
I hope | 〜だといいなと思う | 控えめに願望・期待を述べる前置き | 相手への配慮が伝わるソフトな言い方 |
we have been able to | 私たちが〜することができてきた | 現在完了(継続・経験)+能力の達成を表す | be able to の現在完了形。過去から今までの「できた状態/達成」があったことを含意 |
help | 助ける/役に立つ | 主要動詞 | 「手助けする」「貢献する」の広い意味 |
you | あなたに | 目的語 | 相手への直接的な配慮を明示 |
be able to ~は、「〜することができる」という表現で、頻繁に登場します。この文のhave been able to は、be able to の現在完了形で、「過去から今に至るまで複数の瞬間において実際にできてきた/達成できてきた」という含みを持ちます。
一般的な能力や、瞬間の可否はcanを使うのが自然です。形式ばった場面・文法上「助動詞を重ねられない」時制(完了形・不定詞・動名詞)では be able to を使います
日常会話での応用表現
– I hope I’ve been able to help you enjoy the city.
(この街を楽しむお手伝いができていれば嬉しいです。)
– I want to be able to speak English so I can communicate with many people.
(多くの人とコミュニケーションを取りたいので、英語が話せるようになりたいです。)

PickUP長文読解
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Girard said that people want what other people want, even if they don’t really need it.”
(日本語訳)ジラールはこう述べた――人は、たとえ本当に必要としていなくても、ほかの人が欲しがるものを欲しがるのだ。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
Girard said that | ジラールは〜と言った | 話法の導入(報告・引用) | said that は「〜と述べた」。that は省略可(書き言葉では残すのが無難)。 |
people want | 人は欲しがる | 主節(一般論) | people は一般の人々=普遍的主語。現在形で一般真理。 |
what other people want | ほかの人が欲しがるもの | 目的語(名詞節) | what = the thing(s) that。後ろの want が先行する what を受ける入れ子構造。 |
, even if | 〜であったとしても | 譲歩の接続(逆条件) | たとえ条件が成り立っても前件は変わらない、という対比を作る。 |
they don’t really need it | 彼らが本当にそれを必要としていなくても | 従属節(譲歩節の内容) | it は直前の what other people want を受ける再帰参照。really で必要性を弱める。 |
読解のポイント
「said that」の“時制の壁”に惑わされない
報告話法 said that が過去でも、that 節の中身は一般原則を述べているため 現在形 want が使われています。英語は内容が普遍的・現在も有効なら“時制の一致”を機械的に過去にしません。ここは「いつでも成り立つ傾向」を語っていると捉えるとスムーズです。
what 節は「〜するもの」という“塊”
what other people want は「他の人が欲しがる“もの”」という名詞相当の塊。内部の want(他の人が欲する)と、外側の want(私たちが欲する)が二重化しており、「人は(主節の want)/他人が欲するもの(what … want)を欲する」という模倣欲望の骨格が可視化されています。what = the thing(s) that と置き換えてみると構造が見やすくなります:
people want the things that other people want.
even if は「条件が満たされなくても成立」を作る
even if は仮に(〜でないとしても/〜だとしても)という逆条件で主文を強化します。ここでは「本当に必要としていなくても(need の否定)」という条件を置いて、want の自律性のなさを際立たせています。even though だと事実性が強まり、even if は“仮に/たとえ~でも”の幅を残すイメージ。

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
シーズン最終回でショウヘイは、哲学はビジネスに役立つと主張する。彼はピーター・ティールを例に挙げる。ティールはルネ・ジラールに学び、人は他人が欲するものを欲しがり、それが模倣と競争を生むと理解した。彼は群衆に先んじて機会を探し、新たな事業を始めた。教訓は誰にでも当てはまる――心が躍ることを追求し、珍しい言語を学び、あまり知られていない場所へ旅し、人の通らない道を勇気を持って進もう。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです。
テキストには、毎日の英文スクリプトや語彙リストが掲載されており、学習効果を高めるのに非常に役立ちます。
📘 テキストは全国の書店や、Amazon・楽天ブックスなどのオンライン書店でも購入可能です。
![]() | NHKラジオ エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 2025年9月号[雑誌]【電子書籍】 価格:650円 |

![]() | NHKラジオ エンジョイ・シンプル・イングリッシュ[本/雑誌] 2025年9月号 (雑誌) / NHK出版 価格:690円 |

コメント