エンジョイ・シンプル・イングリッシュ 和訳&チャンク解説(7/24)

木曜日:哲学者からの答え

このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、

  • 本文和訳
  • チャンク&単語解説
  • 英語での要約

を毎日更新しています。

毎週木曜日は「哲学者からの答え”Answers from Philosophers”」です。現代人のお悩みを解決するヒントを偉大な哲学者たちの言葉から学びます。リスナーのお悩み相談を受けるラジオパーソナリティという設定のストーリーなので、わかりやすく楽しいお話しになっています!

本日のAnswers from PhilosophersのストーリーはI Feel Left Behindです。

「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。

また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。

ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!

I Feel Left Behind(他人と比べて落ち込む):和訳

1ページ目

Tom:こんにちは!また番組に戻ってきてくれて嬉しいよ、『哲学者からの答え』へようこそ!今日はどんなお悩み相談かな、ショウヘイ?

Shohei:トム、マサルさんからメッセージが届いているよ。最近、彼は高校の同窓会に行ったんだ。

Masaru:こんにちは、トムさん、ショウヘイさん。高校時代、僕はクラスメイトとバンドを組んでいてボーカルをしていました。あの頃はスターでしたが、今は違います。最近同級生たちと会った時、みんな自分よりずっと成功していて…。有名企業で働いて、給料も良くて、起業して社長になった人までいました。僕はただの下っ端のプログラマーです。取り残されたような気がします。どうしても周りと比べてしまいます。この気持ち、どうやって止めたらいいでしょうか?

Tom:彼を助けなきゃね、ショウヘイ!

Shohei:人は比べたがるものだからね。僕だって他人と比べることがあるよ。

Tom:本当?そういう時はどの哲学者を思い出すの?

Shohei:チクセントミハイかな。

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Tom:ちょっとゆっくり言って。

Shohei:チクセントミハイはハンガリー出身で、2021年に亡くなったんだ。彼は「自分に合った挑戦に集中して取り組んでいれば、他人と比べる暇はない」と言っていたよ。ただし、その課題は自分にとってちょうどいい難しさで、なおかつ好きなことである必要があるけどね。

Tom:ちょうどいい難しさって?

Shohei:つまり、難しすぎず、簡単すぎない挑戦ってこと。

Tom:たとえば?

Shohei:毎日ジョギングしてる人が、今日は山道を走ってみたとする。それはいつもより大変だけど、走ることに集中できて気持ちがいいんだ。

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Tom:いわゆるゾーンに入ってるってやつだね。僕も絵を描くのが大好きなんだけど、時々描いているうちに、食事も睡眠も忘れちゃうんだ!そういう時が一番いい気分なんだよね。

Shohei:そうそう。その瞬間にしていることだけに集中していて、それをしていること自体が幸せなんだ。外の世界のことなんて気にならなくなるんだ。

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Tom:じゃあマサルさんはどうしたらいいの?

Shohei:マサルさんは歌が得意だったって言ってたよね。だったらまたバンドを組んで音楽活動を始めるのもいいかも。それに彼はプログラマーだから、AIを使った面白いシステムの開発に集中するっていうのもありだね。それで会社に良い成果をもたらせるかもしれないし。

Tom:つまり、自分の力を100%は使わないけど、90%くらい使わないといけないようなことに取り組めばいいってことだね。

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Shohei:数字の正確さはさておき、そんな感じかな。人ってやっぱり他人と比べちゃうんだよね。それは仕方ないこと。でもゾーンに入ってる時は、他人のことなんて気にならないよ。大事なのは「自分が今していること」なんだ。

Tom:マサルさん、答えが見つかったね!簡単すぎず難しすぎないことを見つけて、それに飛び込んでみよう!

Shohei:外の世界を忘れちゃうくらい夢中になれることを見つけてください!それが幸せにつながります!

Tom:ではまた次回お会いしましょう!

日常生活で使えるチャンク&単語解説

ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。

チャンク&単語帳

以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!

同窓会

比較する

〜について言えば

重要である、問題である

チャンクPickUP

I used to be the singer in a band with my classmates.
(日本語訳)私はかつて、同級生たちとバンドを組んでいて、ボーカルをしていました。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
I私は主語(話し手)特に補足なし
used toかつては~していた過去の習慣・状態を表す助動詞句今はそうではないことを暗示
be the singerボーカルだった状態を表す動詞句“the”で特定の役割(バンド内のシンガー)であることを示している
in a bandバンドに所属して所属・活動場所を示す前置詞句“band”は「音楽グループ」。“in a band”は非常によく使われる表現
with my classmates同級生たちと一緒に一緒に活動したメンバーを示す前置詞句“classmates”で学校時代の仲間とわかる

「used to + 動詞の原形」は、「かつて〜していた(が、今はしていない)」という意味のチャンクになります。過去の習慣や、一時的な状態に使われます。
ちなみに、これが「be used to + 動名詞(または名詞)」となると、「〜に慣れている、〜が普通になっている」という意味になり、全然異なります。

日常会話での応用表現

He used to play soccer every weekend.
(彼は週末になるとよくサッカーをしていました。)

She didn’t use to speak English so well.
(彼女は以前はそんなに英語が得意じゃなかった。)

PickUP長文読解

Enjoy Simple Englishでは関係代名詞等を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた長文の構造や意味などを確認する中で、関係代名詞などの構文に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!

今回の一文
“So do something that doesn’t need 100 percent of your power but something that needs 90 percent so that you need to focus.”
(日本語訳)だから、自分の力を100%は使わないけど、90%くらい使わないといけないようなことに取り組めばいいってことだね。

構成パーツの解説

パーツ意味機能補足
Soだから接続副詞文全体を導く
do something何かをする主文命令形
that doesn’t need 100 percent of your powerあなたの力を100%必要としない関係詞節(somethingを修飾)that = something
but something that needs 90 percentしかし90%必要とする何か対比 + 名詞句最初のsomethingと対になる構造
so that you need to focusあなたが集中する必要が出るように目的を示す副詞節so that = 「〜するために」

読解のポイント

主文を先に見抜く

長文で、一見複雑な文章ですが、主文(伝えたいことのコア)はSo do something(だから何かやれ)」だけです。
その主文の目的となる部分so that you need to focus(あなたが集中するために)」を足しても、文のコアとなる部分は、do something so that you need to focus. (集中するために何かをしなさい)と意外と短い文になります。
最初のthat以降は「どんなsomethingか?」の説明になります。

so that の機能に注意

so that = 「〜するために」を見抜ければ、最後は「集中できるように」という意味だと理解できます。ここを「結果」と誤解すると、意味がブレます。

something の修飾部分

that doesn’t need 100 percent of your power but something that needs 90 percentは、最初のsomethingの修飾部分になります。何かをしなさいの、何かとは「あなたの力の100%は必要ないけど、90%は必要になること」であることを示しています。
この修飾部分の間にもsomething that が入ることで少し読みづらくなる印象を受けます。しかし、英語では一つのthat節に情報を詰め込みすぎないのが自然なようで、今回のように情報を分けることで理解しやすくするという特徴があるそうです。

また「not A but B」という対比を強調したいとき、名詞句をもう一度繰り返す方が自然なようです。つまり「100%はダメ。でも90%くらいならOK」という対比を、something … but something … の形で、視覚的・意味的に際立たせている。

本日の記事の要約

今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!

 要約 日本語訳:
マサルは高校の同窓会で、クラスメートが自分より成功しているように感じ、取り残された気持ちになります。そこでショウヘイは、簡単すぎず難しすぎない、没頭できるような“ちょうどよい挑戦”に集中することを勧めています。深く集中すると、他人と比べることなく、その瞬間に幸せを感じられるとアドバイスします。

先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介

毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。

「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ESEの放送について

NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。

※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。

👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)

また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。

番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです
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