このブログでは、NHKの英語ラジオ番組「Enjoy Simple English」の内容をもとに、
- 本文和訳
- チャンク&単語解説
- 英語での要約
を毎日更新しています。
毎週水曜日は「アメージング・ストーリー”Amazing Stories”」です。命がけの冒険や心ふるえる絆など世界各地で起きた驚くべき本当の話を紹介しています。
本日のAmazing Storiesのストーリーは「Building the Empire State Building」です。
「聞き取れなかったところを確認したい」
「ストーリーを理解してからもう一度聞きたい」
そんな方の学習補助として活用していただけたら嬉しいです。
また、チャンク&単語解説は、日常会話で役立つものやESEで頻繁に出てくるものをピックアップして解説しています。隙間時間の学び直し等にも有効に活用できると思います。
ではさっそく、今日の内容を見ていきましょう!
Building the Empire State Building(エンパイア・ステート・ビル建設の裏側):和訳
1ページ目
あなたはニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディングを映画やテレビ番組で見たことがあるかもしれません。これは、世界で初めて100階を超える建物で、わずか1年ちょっとで建てられました。どのようにしてそれが実現されたのか、見ていきましょう。
1929年の夏、ニューヨークに新しい高層ビルを建てる計画が発表されました。そして同じ年の10月に世界恐慌が始まりました。国全体にとっては大変な時期でしたが、そのことが逆にエンパイア・ステート・ビルの建設に必要な人材を集める助けとなりました。翌春、建設作業が始まり、合計で3,500人の男性が参加しました。
2ページ目
では、その人々とは誰だったのでしょうか? 多くはイタリアやアイルランドから来た人たちでした。しかし、モホーク族というネイティブアメリカンの人々も多く参加していました。モホーク族の人々は、高所での作業を恐れなかったため「モホーク・スカイウォーカーズ」と呼ばれていました。こうした技能は息子や孫へと受け継がれたため、モホーク族はアメリカの大都市の多くの建物建設に関わってきたのです。モホーク族のような勇敢で技術のある労働者たちが、エンパイア・ステート・ビルディングの建設に大きく貢献しました。実際、彼らや他の労働者の写真が多く残されており、建物の高所でくつろいだり、タバコを吸ったり、眠ったりしている様子を見ることができます。
建設作業は非常に組織的に行われました。地下には小さな列車があり、鉄やレンガなど必要なものをエレベーターまで運びました。そのエレベーターがそれらを上層階に運びました。作業員たちがわざわざ地上まで昼食を買いに行かなくて済むよう、建物内にはレストランまでありました。全員が非常に迅速に作業を進めていたため、週に4階半も完成することがあるほどでした。
3ページ目
1931年5月1日、エンパイア・ステート・ビルディングが完成し、公開されました。わずか1年と45日で、高さ381メートルの建物が完成したのです。
このビルはすぐに人気となり、多くの人が展望台を訪れました。残念ながら、当時は世界恐慌の真っただ中で、多くのオフィスが空室のままでした。そのため、数年間は「エンプティ・ステート・ビルディング(空っぽのステートビル)」と呼ぶ人もいました。しかし景気が回復すると企業が次々と入居し、1940年代後半にはすべてのオフィスが埋まりました。毎日15,000人もの人々がこのビルで働いていました。
エンパイア・ステート・ビルディングは、約40年もの間、世界一高い建物としてその地位を保ちました。今日でも世界中の人々に愛され続けています。もしあなたがこのビルを訪れることがあれば、ぜひこの物語を思い出してください。
日常生活で使えるチャンク&単語解説
ここでは日常生活で使えるチャンク(言葉のひとまとまり)や単語の解説をします。
チャンク&単語帳
以下のチャンクや単語をタップすると、日本語訳が出てくるので、訳を見ずに意味がわかるか挑戦してみてください!
大恐慌
よく準備された、効率の良い
地下
れんが
展望台
チャンクPickUP
It was a difficult time for the country, but it made it easier to find people to work on the Empire State Building.
(日本語訳)それは国にとって困難な時期だったが、そのおかげでエンパイア・ステート・ビルの建設に携わる人々を見つけるのが簡単になった。
構成パーツの解説
パーツ | 意味 | 機能 | 補足 |
---|---|---|---|
It was a difficult time for the country | 国にとって困難な時期だった | 文の導入・主文 | “It”は形式主語、実質的な主語は “a difficult time”。 |
but | しかし | 接続詞 | 逆接の意味を表す。 |
it made it easier | (状況が)より簡単にした | make O + C の構文 | 最初の “it” は形式目的語、後ろの不定詞が真の目的語。 |
to find people to work on the Empire State Building | ビルで働く人々を見つけること | 不定詞句(真の目的語) | “people to work on…” の部分が説明的に続いている。 |
it made it easier to find people to work on の部分が少し意味を理解しづらいのではないかと思いました。
it や to 動詞が連続して出てくるため、他の文より読みづらいと感じる人もいるかもしれません。
パーツごとに分解して構造を見てみましょう。
it made it easier to findの部分は、make it + 形容詞 + to 動詞の「形式目的語構文」です。
パーツ | 意味 | 補足 |
---|---|---|
it(最初) | 作り手(形式主語) | 文法上の主語。文脈の「状況」や「物事」。 |
made | 〜させた | make 人/物 + 形容詞の形 |
it(2つ目) | 形式目的語 | 「何が簡単になったのか」を一時的に受け持つ |
easier to find… | 実際の目的語 | 「〜することが簡単になった」という意味の中身 |
2つ目のitは「真の目的語」が後ろにあることを示すただのつなぎです。なので、訳すときに2つ目のitは意味のないものとして訳さない方がスムーズです。
to find people to work onの部分は、2つの不定詞が連続しますが、それぞれ役割が違います。
部分 | 機能 | 解説 |
---|---|---|
to find people | 名詞的用法(目的語) | 「人を見つけること」 |
to work on… | 形容詞的用法(後ろから名詞を修飾) | 「(その人たちが)〜で働くための」 |
前の “to 動詞” は目的語、後ろの “to 動詞” は名詞を修飾(形容詞的)と理解するとわかりやすくなります。
ここまでの解説を踏まえ、一文を細かく分解すると、こうなります。
it made it easier to find people to work on
it made が「それが〜させた」という文章のメインパーツになります。
it easier to find people がmadeの目的語(〜させたの〜の部分)にあたります。
to work on がpeopleの修飾語にあたります。
このように細かく分けてみることで、理解しやすくなります。長文読解に慣れないうちは分解して理解するのも読解力向上につながるかもしれません。
ちなみに、makeは本来「make + 目的語 + 補語」という第5文型(SVOC)を取る動詞です。しかし、to find peopleのような長い不定詞句が目的語になると、語順が崩れて読みづらくなるため、先にitを置いて、後ろに本当の目的語を持ってきています。
これを形式目的語構文といいます。
日常会話への応用
– It was hard at first, but it made it easier to understand English.
(最初は大変だったけど、おかげで英語がわかりやすくなった。)

関係代名詞の文章をPickUP
Enjoy Simple Englishでは関係代名詞を用いた長い一文がよく出てきます。そこで、ストーリーに出てきた関係代名詞を用いた文の構造や意味などをみていくことで、関係代名詞に強くなって、長文読解への抵抗をなくしましょう!
今回の一文
“Many of them were people who came from Italy and Ireland.”
(日本語訳)彼らの多くは、イタリアやアイルランドから来た人々でした。
構成パーツの解説
✅ 使用されている関係代名詞: who
パーツ | 意味 | 機能 | 補足・説明 |
---|---|---|---|
Many of them | 彼らの多く | 主語 | 「them」は前の文に出てくる「men(作業員たち)」を指します |
were people | 人々だった | be動詞(述語) | 「many of them」の説明を行う述語部分です |
who came from Italy and Ireland | イタリアとアイルランドから来た人たち | 関係代名詞節(主格) | 先行詞「people」を修飾する関係代名詞「who」以下の説明部分です |
whoは主格の関係代名詞で、先行詞peopleを説明するために使われています。
関係代名詞節の語順は通常の平叙文(主語+動詞)と同じです。今回の文は主格の関係代名詞なので、whoが主語の役割をしています。
また“who came from Italy and Ireland”は、「どんな人々か?」という情報を追加しており、限定用法です(カンマがない)。
日常会話への応用
– She’s the teacher who taught me English.
(彼女は私に英語を教えてくれた先生だよ。)
– I have a staff member who speaks Japanese.
(日本語を話せるスタッフがいます)

本日の記事の要約
今回の記事をAIが要約しました。ぜひリーディング練習にご利用ください!
要約 日本語訳:
エンパイア・ステート・ビルは、世界恐慌のさなかに建設され、100階を超える世界初の建物となりました。モホーク族の高所作業員「スカイウォーカー」たちを含む約3,500人の作業員が、わずか1年余りで完成させました。現場の設備や効率的な組織体制により、工事はスピーディに進みました。最初は空きオフィスも多く見られましたが、1940年代後半には満室となり、その後約40年間、世界一高い建物として愛され続けました。
先週のESEチャンク解説まとめ記事のご紹介
毎日の放送を追いかけている方も、ちょっと復習したい方も必見です!
先週の放送でピックアップしたチャンクをまとめて解説した【週末まとめ記事】を公開しています。このまとめ記事では、ESEの内容を思い出しながら、日々の英語学習に役立つ重要なチャンクを一気に振り返ることができます。
ちなみに先週は、主格の関係代名詞や前置詞+関係代名詞での名詞の修飾について、特に手厚くまとめています!
「チャンクをしっかり覚えたい」「英語表現力を高めたい」「1週間分を効率よく復習したい」という方には特におすすめです。再放送のタイミングでの復習や、苦手なチャンクの再確認にも便利ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ESEの放送について
NHKのラジオ番組「Enjoy Simple English(ESE)」は、月曜〜金曜の毎朝6:00〜6:05(再放送あり)に、NHKラジオ第2で放送されています。
※最新の放送スケジュールや放送内容の詳細は、NHKの公式サイトをご確認ください。
👉 NHK Enjoy Simple English 公式ページ(外部リンク)
また、聞き逃してしまった場合も、「NHKゴガク」サイトや「らじる★らじる」アプリを使えば、放送から1週間以内であれば何度でも聞き直すことができます。
番組の内容をより深く理解したい方には、公式テキストの利用もおすすめです。
テキストには、毎日の英文スクリプトや語彙リストが掲載されており、学習効果を高めるのに非常に役立ちます。
📘 テキストは全国の書店や、Amazon・楽天ブックスなどのオンライン書店でも購入可能です。
コメント